濃厚すぎる「しばちゃんち」のジャージー牛乳
安心安全を届けるしばちゃん牧場のこだわり
掛川市の緑豊かな山間、原野谷川のほとりにたたずむバーガンディカラーのコンテナ。
ここは「しばちゃんち」の愛称で親しまれる、柴田牧場の直営店「Shibachan Ranch market(しばちゃんランチマーケット)」です。
「Lunch(昼食)」ではなく、「Ranch(牧場)」というところがポイント! 道中もドライブ気分で楽しみながら、ゆったり気分で訪れたいオススメのスポットです。
濃厚!こだわりのジャージー牛乳
しばちゃんランチマーケットでは、柴田牧場で生産製造している自社ブランド牛乳「しばちゃんちのジャージー牛乳」を味わうことができます。
濃厚でおいしいジャージー牛乳のヒミツやこだわりを、柴田牧場の代表を務める柴田佳寛さん(以下、柴田さん)に伺いました。
柴田牧場 代表 柴田佳寛さん
オオイシ |
我が家でも、「しばちゃんちのジャージー牛乳」をいつもおいしくいただいています。濃厚でおいしいこの牛乳には、なにかヒミツがあるんですか? |
柴田さん |
いつもありがとうね(笑)ジャージー牛乳は、ホルスタイン牛乳に比べて3割ほど成分が濃いのが特徴で、さらに柴田牧場では低温殺菌を取り入れているんですよ。
通常130度で殺菌するところ、65度の低温でじっくり時間をかけて殺菌をしています。そうすることで、カルシウムなどの成分の変質が抑えられて、より生乳に近いおいしい牛乳になるんですよ。 |
オオイシ |
ジャージー牛乳本来の濃厚さと、丹精こめてつくられた味わいなんですね! |
柴田さん |
おいしい牛乳のためには、安心安全であることも大切ですね。だから、ジャージー牛の飼料も遺伝子組み換えでないものやポストハーベスト農薬不使用のもの、生産地のはっきりとしたものを選ぶなど、安全で安心して飲める牛乳づくりをしています。
あと今年から「農場HACCP」という食品工場の安全な食べ物を生産するシステムを、農場に取り入れたりもしています。国から管理が徹底されている農場だと認証(牛/乳用)を受けまして、全国でも14例ほどしかないうちのひとつに柴田牧場がなりました(2016年11月7日時点)。 |
写真提供:しばちゃんランチマーケット
じつは、しばちゃんちランチマーケットでは、ジャージー牛乳をたっぷり使ったソフトクリームなどのミルクスイーツも提供しています。
柴田さん |
スイーツづくりにはルールがあって、まず牛乳をおいしく味わえることが第一ですね。次に、自分のところで採れる食材や地元食材を使うことを考えています。
香料・着色料などの添加物を使わないことで、「素材を活かした味わい=混じりけのない牛乳本来の味わい」を楽しんでいただけるスイーツに仕上がっていると思いますよ。 |
ミルクスイーツは種類も豊富! ソフトクリーム、ヨーグルト、プリン、シュークリームのほか、季節ごとには旬の食材が楽しめるスイーツも登場します。
柴田さん |
私たちは酪農家ですが、根っこにある精神はお百姓さんですからね。自給自足の延長線にある余剰部分で、お客さんに喜んでもらえるメニューづくりをしています。「今風の百姓さんのごはん」ですね(笑) |
ランチ(昼食)には、平日限定メニュー「牛乳カレー」※がおすすめ! 牛乳を使った白いルーの牛乳カレーは、スパイスがしっかり効いていながらもマイルドな味わいで、子どもにも人気のメニューとのことです。
ご飯は柴田牧場で栽培された除草剤や農薬を使わず、アヒルを田んぼに放して作った「ガーガー米」に地元産赤米をブレンドし炊き上げているそうです。
※牛乳カレーは数量限定。夏期と繁忙期は販売お休み。
安心とおいしさを届ける宅配牛乳
柴田さんが牧場を先代から引き継いだのは平成8年のこと。今年でちょうど20周年です。
以来、「おいしく食べてほしい」という想いを持ち続け、「どうしたらおいしく食べてもらえるのか」を追究してきました。
柴田さん |
私は酪農家として、自分の作ったものを地元の人にぜひ食べてもらいたい、という想いを持って先代から牧場を受け継ぎました。それがいまから20年前のことです。当時、飼育を始めたばかりだったジャージー牛から「しばちゃんちのジャージー牛乳」が生まれました。
私は顔が見える関係の生産と消費をずっと考えてきてね、そうした安心がおいしさにつながっていると思うんですよ。その想いから宅配でお客さんへ牛乳を届けることにこだわってきました。平成25年にオープンしたこのランチマーケットも対面販売にこだわっていますね。 |
オオイシ |
「顔が見える」というのは写真や似顔絵を通じたものではなく、実際に顔が見えるということなんですね。 |
柴田さん |
そう、そうなんですよ。だから宅配といっても早朝に玄関前に置いておくんじゃなくて、お客さんが在宅の時間帯に1軒1軒ていねいに訪ねて、そこで顔を見て直接手渡しているんです。 |
オオイシ |
おいしい牛乳のヒミツは、ここにもあったんですね。我が家も宅配していただいているうちの1軒です。いつもありがとうございます。 |
「しばちゃんちのジャージー牛乳」は、量販店に卸すこともほとんどなく、ネット販売も積極的に取り入れていない限られた販路のなかで認知されてきました。
宅配は牛乳1本から承っており、旧掛川市内をメインに届けているそうです。お近くの方はぜひ宅配で、遠方の方はしばちゃんランチマーケットで味わってみてください。
しばちゃんランチマーケットの見どころ
しばちゃんランチマーケットの周辺には、山、川、田んぼのある里山の風景が広がっています。
庭にそびえ立つ大きなエノキの古木を中心に、自然すべてが織りなす四季折々の表情や、季節感を体感できるのも魅力のひとつです。
写真提供:しばちゃんランチマーケット
少し足を伸ばして近くにある、牛舎をのぞいてみるのもいいですね。牛舎は歩いていける距離にあり、自由に見学することができます。
茶色い毛色のかわいいジャージー牛たちは、柴田さんや農場スタッフの方々によって愛情いっぱいに育てられている様子です。
柴田さん |
いろいろ話したけれど、いちばんのおいしさのヒミツは、牛に愛情を持って接すること。ここで働く20代の若いスタッフたちは、みんな牛や動物が大好きな人たち。
スタッフはみんな「生まれ変わってもこの柴田牧場に生まれてきて、ここで生活したいね」って、牛たちに言ってもらえるような接し方をいつも心がけているんですよ。 |
取材を終え、自宅でコーヒーと一緒に「しばちゃんちのクッキー」をいただきました。ほどよい甘さと柴田さんの想いにほっこり。
みなさんも今度の週末は、ちょっとドライブに出かけて「Shibachan Ranch market(しばちゃんランチマーケット)」でゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか? きっと、こだわりや想いを知っているからこそ感じられるおいしさがそこにはあると思います。
最後に、柴田さんのお話によると、今後は各地で開催されているイベントにも積極的に出店していきたいとのことで、掛川市外でも出会える機会が増えるかもしれません。
イベントでは、焼菓子の販売や牛乳の試飲ができるそうです。詳細は、Facebookページ「しばちゃん Ranch Market」でチェックできます。