意外と知らない静岡県のお雑煮事情
伊豆では「かき菜」を入れるのが当たり前?

  • posted.2017/01/27
  • 森谷楽
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意外と知らない静岡県のお雑煮事情 伊豆では「かき菜」を入れるのが当たり前?

こんにちは、森谷です。

2017年が始まって1か月が経とうとしていますが、いかがお過ごしですか? お正月ムードが抜けきらずにだらだら、なんてことがないようにしたいものです。

さてあっという間に終わった正月を思い返すと、初日の出、初詣、おせち料理、七草がゆなど、正月の“ならでは”がたくさんありました。正月は年中行事のなかでもそういった事柄が多いですよね。

今回はそんななかから「お雑煮」についての話題です。

お雑煮といえば、地域によってさまざまな特色があることで有名ですが、我が静岡県ではどうなんでしょうか?

知ってる? 静岡県のお雑煮事情

ozouni_01とある家庭のお雑煮①

お雑煮について、静岡県在住の友人10名(浜松市、静岡市、御前崎市、三島市など)にアンケートをとってみたところ・・・。

  • 餅の形:角餅
  • 汁:薄口醤油ベースのすまし汁
  • 具:大根、白菜、水菜、人参、鶏肉、ほうれん草、etc…

以上のような結果となりました。

基本的に角餅で醤油ベースのすまし汁というのが静岡県全体でのオーソドックスなお雑煮であるようです。

具について一番多かった答えは、大根、白菜、水菜(正月菜・京菜)などでした。

ozouni_02とある家庭のお雑煮②

とはいっても、具に使う野菜は家庭によってさまざま(鶏肉を入れる家庭もある)。どこのお宅も各家庭の特色あるお雑煮で、お正月を美味しく彩っていたようです。

母の味の代名詞としてよくお味噌汁が挙げられますが、雑煮もまた「家庭の味」と言えるのではないかと思います。

伊豆地方なら当たり前の具材「かき菜」

ところで、みなさんは「かき菜」をご存じですか?

ozouni_04

こちらがかき菜です。かき菜とは、伊豆地方のお雑煮に使われる食材(野菜)のこと。静岡県民でもかき菜を知らない人は多いでしょう。

インターネットでかき菜を検索すると、「北関東を中心に栽培されているアブラナの一種である」という説明が多いです。しかし、伊豆のかき菜は“そのかき菜”とは別物なんです!

どうやら伊豆周辺の伝統的な野菜らしいのですが、学名や正式な種別などに関する情報はありません。伊豆でかき菜といえば、それしかないようです。

ozouni_05茹でたかき菜がコチラ。

伊豆のお雑煮は古くから、「醤油ベースのすまし汁に茹でたかき菜と餅だけ」というとてもシンプルなものが伝統とされてきたようです。

移住者などが増え、各家庭でお雑煮のレシピも多様になったものの、もともと伊豆で生まれ育ったお年寄りやその子たちの家庭では、未だにかき菜のお雑煮が当たり前だとか。

かくいう私は下田市出身でかき菜の雑煮を食べて育ったので、ほかの食材の雑煮がしっくりきません(笑)見た目はとても味気ないので、「そんなのがうまいのか」なんて方もたまにいらっしゃるようですが・・・。

とにかく美味しいんです!! みなさんにも味わっていただきたい!!

家庭の味も最高ですが、ときにほかの地域の文化や味に興味が湧くことってありますよね。他県の変わった伝統料理を食べ比べなんて贅沢なことができなくても、静岡県内にまだ出会ったことのない味があるかもしれません。

この記事がそんな“近場で満たせる好奇心”をくすぐるような情報になっていたら幸いです。伊豆に行くことがあったら、ぜひ「かき菜」を味わってみてください。

以上、静岡県内のお雑煮と伊豆地方のお雑煮に関するレポートでした。

まだまだある! 静岡ならではの食べ方!