遠州七不思議「池の平 幻の湖」へ大探検!
7年に1度だけ山頂に伝説の池が現れる?
mitecoをご覧のみなさま、はじめまして。フリーライターの田中嘉人と申します。
突然ですが、“伝説”は好きですか?
じつは、僕大好きでして・・・。
ムー大陸やアトランティス大陸、邪馬台国の話なんかはたまりませんよね。「そんなワケないだろ〜」と言いながらも、心のなかでは信じているタイプです。
そして・・・ついに見つけてしまったんです・・・静岡の・・・伝説を!!
その名は「遠州七不思議」。静岡県西部の遠州地方に古くから残るという言い伝えで(長くなってしまうので詳細の説明は省きますが)、そのなかのひとつに「池の平の幻の池」という物語があるのです。
物語の舞台は浜松市の北部、長野県との県境にある水窪町(みさくぼちょう)。
ふだんは一滴の水もない山頂のくぼみに水がこんこんと湧き出し、そこに木漏れ日が差し込むと鏡のように光り輝く神秘的な池がある日突然現れる。
そして数日のうちに何処へともなく水が引き元の林に戻ってしまう。しかもこの現象が7年毎に起きると言われ「遠州七不思議」の一つとして数えられています。
みさくぼまるごとガイド 編:水窪葵の会 2002年より
リサーチによると、前回幻の池が出現したのが2010年。ということは、2017年は当たり年! 「これは行くしかない!」ということで、miteco編集長の吉松さんに声をかけました。
田中 |
・・・ということなんで、mitecoで水窪へ行きましょう! |
吉松 |
あまり乗り気しないなぁ・・・。だいたい、その池はもう出現しているんですか? |
田中 |
だーかーらー、それを確かめに行くんでしょ。なんたって当たり年なんだから! |
吉松 |
なにを言ってもムダそう・・・。 |
吉松さんも快諾してくれたので、新東名高速道路「浜松北IC」よりクルマで約1時間半かけて、やってきました水窪町。中心街からさらに10分。池の平への登山口へ到着しました。
いざ、池の平「幻の池」へ!
田中 |
よーし、張り切っていこう! |
吉松 |
ちょっとちょっと! 徒歩2時間って書いてありますよ。それに熊出没注意って。 |
田中 |
だから、山登りできるスタイルで来てって言ったでしょ。熊も地元の人に聞いたら「2人組なら、たぶん大丈夫だろ」って。 |
吉松 |
ハイキング程度だと思ってたんですけど・・・。僕が行かないって言ったらどうするんですか? |
田中 |
えぇーーー! このタイミングでそんなこと言う!? でも、まぁ、さすがに単独登山は危険だからやめる・・・。 |
吉松 |
えぇ・・・。わかりましたよ! 行きますよ! 頑張りましょう! |
田中 |
そういえば、夏場はヤマビルも出るらしいよ・・・。 |
吉松 |
大事な情報を後出ししないでください。 |
吉松 |
フウフウ・・・。け、けっこう急勾配ですね・・・。 |
田中 |
そ、そうだね・・・。僕もこんなにハードなコースだとは思ってなかった・・・。もう1時間くらい歩いた? |
吉松 |
まだ20分です。 |
吉松 |
ちょ、ちょっと待ってください。足が重い。息もすぐに上がっちゃうし。 |
田中 |
想像以上にハードだね・・・。 |
吉松 |
だいたい、本当にこの道で合ってるんですか? さっき少しだけ電波が入ったからググってみたんですけど、ルートが書かれているサイトは見つからないし。 |
田中 |
だからmitecoで取材しているんでしょ! |
吉松 |
そうですね・・・。はい・・・。 |
田中 |
あ、視界が開けた! |
吉松 |
おお・・・! めっちゃ高いところまで登ってきてる・・・!! |
田中 |
ずっと登りっぱなしだったからね・・・! |
吉松 |
ちょっと元気でました。頑張りましょう! |
吉松 |
うわ。なんだこれ。道がなくなってる。 |
田中 |
倒木が道をふさいでいるだけだから大丈夫。でも、道幅がものすごく狭いから慎重に進もう。 |
吉松 |
(なんでこんなシンドイ思いを・・・) |
田中 |
フウフウ・・・。ところで、もうすぐ2時間くらい経つよね? |
吉松 |
まだ1時間しか経ってません!! |
ついに伝説を目の当たりに・・・?
田中 |
あれ・・・? なんか看板が見える・・・。 |
吉松 |
えぇ・・・? どこですか? |
田中 |
ホラ! あれだよ、あれ! |
田中 |
やったー!!! 1時間30分で、登頂成功〜!!! |
吉松 |
肝心の「幻の池」は・・・? |
吉松 |
ちょっとーーー! 水たまりひとつないじゃないですか!!! |
田中 |
やはり――。 |
吉松 |
え? やはり?? |
田中 |
いや、入山前に観光案内所で聞いてたんですよ。そしたら「今年はまだ出てないねぇ」って。水が湧いて出現するときは「ドーーーン」っていう大きな音が町中に響き渡るらしく。 |
吉松 |
なんですか「ドーーーン」って。完全にムダ足じゃないですか! そもそも写真がないなら記事になりませんよ! |
田中 |
ムダ足じゃない! これがロマンだよ! それに写真なら、観光案内所で7年前のデータもらってきたから! |
画像提供:水窪観光協会
画像提供:水窪観光協会
画像提供:水窪観光協会
吉松 |
神秘的すぎる・・・。 |
田中 |
ね! 今日は残念だったけど、いつかきっと湧くはずだから、そのときにまた来ましょう。 |
吉松 |
あ、僕は大丈夫です。 |
「幻の池」行き方の注意点をおさらい
残念ながら「幻の池」は見られませんでしたが、ロマンを追いかけるワクワクを味わえる登山になりました。
最後にコースの注意点をおさらいしておきます。幻の池に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
登山口には登山者名簿があります。きちんと記載するようにしましょう。熊やヤマビルの対策もお忘れなく。また、単独登山や午後からの入山は控えるようにしてください。
入山して10分くらいで分岐点にさしかかります。ここは右側にまっすぐ続く道を選んでください。
丸太橋はコケですべりやすいので、慎重に渡りましょう。
火気厳禁の看板の下に小さく「←池の平」の文字があります。この案内に従って進みましょう。
途中で「この道で合っているのかな?」という不安を感じることもありますが、案内に従って進めば問題ありません。
全体的に勾配がきつく、道幅は狭め。足を踏み外すとまっさかさまなので、気をつけて登りましょう。足が疲れたらこまめに休憩を挟み、危険を感じたらすぐに引き返してください。
というわけで、miteco編集長の吉松と・・・
田中がお送りしました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!