【静岡の夜景】静岡市を見下ろす「朝鮮岩」
静岡最強とも呼び声高い夜景スポットへ突撃
静岡ってじつはファンには知る人ぞ知られる「夜景スポット」の宝庫。入り組んだ地形で、海と山が近い距離にあり、さらにビル群や工場、そして富士山と夜景を彩るアイテムが目白押しなのがその理由です。
そんな夜景スポットをデートや休日のお散歩、撮影したいという方のためにmiteco編集部が不定期でお送りしているのが「静岡必見の夜景スポットを探す! 」です。ぜひ、自分のお気に入りの夜景をさがしてみてください。
静岡イチとの呼び声も高い「朝鮮岩」
ご紹介する夜景スポットは、静岡市駿河区にある「朝鮮岩」です。
・・・聞いたことない。
という人もいるでしょう。これまでほとんどが「○○公園」といった、展望台が設置されている夜景スポットだったのですが、朝鮮岩は「岩」・・・。岩ってなんだ!ってなるのもわかります。
朝鮮岩は、赤丸の地点。静岡市と焼津市を隔てる山々のうち、静岡市側にせり出した部分にある山です。
「この独特な名前はなんだ?」と思って調べてみたら、「その昔、晁西岩( ちょうせいいわ )と呼ばれていたのが、難しい漢字で読めない方も多かったことからだんだんと『ちょうせん』と訛っていって漢字も変わったのでは?」と推測されている方がいました。
本当かどうかは、イマイチわかりません。
静岡最強ともいわれる景色がコレだ!
朝鮮岩、じつはハイカーさんや夜景好きなカメラマンにとってはかなり有名な景観スポット。なかには、「静岡の夜景ならココが最強!」なんて豪語する声もあります。
その理由は、言葉で説明するまでもなくこの写真でおわかりいただけると思うのですが、静岡市の中心街を真ん中に圧倒的なスケールの景観が見られる夜景スポットだから。この写真は日の暮れるタイミングでのものですが、さらに時間が経つと・・・。
あたり一面が光に包まれたかのような、圧倒的な光量にウットリしてしまいそうです。
静岡市の中心街を望遠で。この光量は確かに静岡一のものかもしれません。
東静岡の方面も光量がすごい!
朝鮮岩をおすすめする理由
用宗港方面の夜景もきれい!
改めて挙げるまでもありませんが、夜景スポットとして「朝鮮岩」をおすすめする理由。それは、「噂にたがわぬ素晴らしい夜景が堪能できるから」。これだけです。
山が多く市街地もたくさんある静岡県は夜景スポットが多いことでも知られていますが、朝鮮岩ほどに静岡の夜景を巨大なスケールで楽しめるスポットはそうありません。
この写真を撮っているときには、片道1時間弱のハイキングをしてきた疲れも吹っ飛びます。
朝鮮岩がなぜ有名スポットではないのか
ハイキング、と聞いてびっくりした方もいるかもしれません。
「この最高な夜景が眺められる朝鮮岩が、どうして知名度がないのか」の答えが「めちゃくちゃ良い夜景が見られるけれど、行くのが大変すぎてあまり広まらない」からなんです。
その理由は、山登りが必要な以外にもいくつか・・・。下記で紹介していきます。
理由1:駐車場がない
まず、夜景スポットの近くに駐車場がないです。農道に使われる道路は舗装されていますが、そこはすれ違いができない道幅になっているため、ちょっと道端に停めて・・・のようなこともできません。それどころか登山口となる2つのルートのいずれにも駐車場がないんです。
したがって、基本はバスや徒歩といった公共交通手段でいくしかありません・・・。恐るべし朝鮮岩。
ちなみに僕は丸子方面からのアクセスを選びましたが、こちらにあるバス停は、「丸子小坂線【大和田・公民館行】」という路線。
はい。1日に数本。しかも土日は運航してない・・・。いわゆる地獄表です。というわけで、朝鮮岩はなにしろスタートから難しいんですね。
※登山口に入る前の道に少し幅が広くなるところがあり、そこに自転車や車を停めて登る方もいるようです。が、近隣への迷惑や違反に関しては自己責任でお願いいたします。miteco編集部としてはおすすめしません。
理由2:必然的に山を登るしかない
バス停から徒歩すぐのポイント。ここから朝鮮岩への道のりは始まる・・・。
駐車場がないということは必然的に、徒歩で山を登らなくてはなりません。上の写真は、麓ともいえる場所なのですが、朝鮮岩は写真右上の向こう側あたりに位置しています。
ハイキングは時間にしてなんと片道60分。
「ちょっと夜景観に行こう」で行ける場所ではないですね・・・。
夜景スポット「朝鮮岩」へのアクセス
山道なので、アクセス方法はいくつかあるようですが、今回僕が登ったのは丸子側からのルート。
この道は、途中まで地元の方が畑へ行くまでの農道(舗装済み)と、その後の山道(未舗装)の2つに大きく分かれています。それぞれで大きな分岐はありませんので、そう迷うことはないはずです。
最初のうちは、舗装されていることもあってそう大変そうではないようにも感じますが、これが結構な急こう配。舗装されているからと侮っているとすぐに息切れをしてしまいます。僕のように。普段あまりハイキング等をしない方は、無理をせずに適度に休憩を挟みながら行くのをおすすめします。
登っていく途中でふと振り返ると用宗を臨む景色が。港町を観ながら休憩できます。
そして、この道路を登っていくと、進行方向右手に
こんな感じの柵が出てきます。これが、朝鮮岩へのアクセスするために通るハイキングコースです。
この扉なんですが、「開けたら閉めて」ほしいとのこと。猪でも飛び出たら危ないですし。で、針金で柵にくっつくようになってます。見落としがちなので注意してください。
言葉だとわかりづらいですが、これです。この針金を外して開け、入ったら閉める。これは帰りも一緒ですね。観たところ、これがいくつかぶら下がっていたので、時期によってついている針金が変化したり増えたりするかもしれません。
この柵をくぐるとこのような感じで、獣道のように踏み鳴らされた場所を進んでいくことに。迷うことはないとは思いますが、とくに道しるべがあるわけではないので注意深く道をみてください。
写真奥にあるレールが見えてくれば、それ以降は比較的開けた場所に出るため安心できるはずです。これを登っていくと、
こんな感じの林道になり、
せっかく登ったのに! と思いつつ、下る場所があっていよいよラストスパート。柵からさらに、20~30分程度歩いたところで・・・。
たどり着きます。
悔しさも残る挑戦に・・・
かなり感動的な景色に大満足な僕でしたが、じつは、朝鮮岩が「静岡で見る夜景で最もきれい」といわれるのは、この景色だけではなく、「条件が揃えば富士山も視界に収められる」から。今回は、この条件がそろわず残念なこととなってしまいました。
条件が良ければ赤丸あたりに富士山がのぞいていたはず。
こればかりは当日の天候はもちろん、現地ではなく富士山周辺の雲の状況にも左右されるため、いってみなければわからない、というのが難しいところ。
また、少しでも条件をするためには夕方ではなく朝日の出る直前を狙うほうがよいとされています。
ということで、ちょっぴり悔しさの残る挑戦となった今回の夜景スポット「朝鮮岩」。また、タイミングを見計らって再チャレンジする・・・かもしれません。
装備は確実に整えてから!
夜景スポットへのアクセスとは直接関係のない部分にはなりますが、朝鮮岩をはじめとして夜景スポットにはこうしたハイキングが伴うケースもあります。とくに、今回のような舗装されていない道を通る際は、下記の装備は持っておきましょう。
- 最低限、足元は運動靴(できればトレッキングシューズ)
- 動きやすい恰好とカメラリュック
- ヘッドライト
僕も、今回はそれなりの装備で挑んでいます。それでも、足元がすべったりしてヒヤっとする場面も何度かありました。そのときに、両手が空いていないと大変なことになります。
また、夜景撮影の場合にはカメラと三脚を持っていくことになりますが、両方をきちんと保持できるカメラリュックを用意しておいてください。こちらも両手を空けたいのが主な理由ですが、ショルダーバッグなどと比べると安定感があり、バランスもとりやすいためです。
ヘッドライトについても同様。じつは僕は取材時にうっかりこれを忘れてしまったため、帰り道ではかなり恐い思いをしました。夜の山道はほぼ足元が見えませんので、手が空けられるとすごく安心感があります。
※暗くなった山道を1時間かけて降りましたが、本当に大変でした。挑戦なさる方はくれぐれもご注意ください。