鴨江アートセンターで半年に一度の大展覧会!
日本画家と写真家に聞いた制作への想い

  • posted.2016/09/20
  • あんどうみを
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鴨江アートセンターで半年に一度の大展覧会! 日本画家と写真家に聞いた制作への想い

先日ご紹介した、浜松市のアート・カルチャーに触れられる施設「浜松市鴨江アートセンター(以下、鴨江)」。

じつは2016年9月17日(土)より、レジデンスアーティストによる成果発表の展覧会「アーティスト・イン・レジデンス※ 2016前期展」が始まっています!

この期間中、各アーティストの部屋などでは個展をはじめとしたイベントが盛りだくさん。そこで取材時に在廊していた参加アーティストさんに、これまでの制作についてや個展の見どころなどのお話を、たっぷりと伺ってきました!

※アーティスト・イン・レジデンス:芸術家に制作場所の提供をする事業のこと。鴨江では前期と後期に分けて各4か月ずつ提供しています。

202号室「natsukiiin」さん

natsukiiin202号室 日本画家のnatsukiiinさん

――「作品を通して誰かの人生に溶け込んでみたい。絵で人生を変えてみたいよ

そう語るのは202号室にアトリエを持つ、浜松市出身の日本画家「natsukiiin」さん。2015年に筑波大学芸術専門学群美術専攻日本画コースを卒業し、そのあと浜松に帰郷しました。先日の取材でこの展覧会を教えてくださった方でもあります。

あんどうみを

あんどう

これまではどういったところで制作されてきたんですか?
natsukiiin

natsukiiin

大学時代はほとんどずっとアトリエ。アパートを借りていたけど、ほんと寝るために帰ってるだけだったな。
あんどうみを

あんどう

いまは毎日鴨江に来て、絵を描かれているんですよね。
natsukiiin

natsukiiin

そう! 大学ではほぼ毎日朝から21時まで描いてたし、鴨江に来てからもそのルーティーンは変わっていないかな。
あんどうみを

あんどう

大学で描いていたころと、鴨江に入ってからを比べてどうですか?
natsukiiin

natsukiiin

そうだねー。いろんな年齢や立場、経験も異なる人と出会えるのはここならでは。学生ではなく、アーティストとして見られているんだ!という自覚が芽生えた気がするなぁ
あんどうみを

あんどう

先日のお話しで、在学時代に鴨江でレジデンスをやっていると知って帰ってきた!とおっしゃっていましたよね。
natsukiiin

natsukiiin

そうそう。筑波にいるときに知り合った人も当時、この鴨江に出入りしていて。身の回りの人や出来事の点を繋げたら一気に線になってつながった。アーティストとして頑張っていくことは決めていたから、鴨江に帰っちゃおう!と思って・・・。
あんどうみを

あんどう

なるほど! やっぱり浜松には知り合いもいるし・・・。
natsukiiin

natsukiiin

そうそう。あ、でも、四年間を経てから友達とかと話すと、お互い成長したりいろんなことを経験したりしていて、なんだかまた違う世界になっているなぁ。
あんどうみを

あんどう

あーわかります。私も地元に帰ると、アートとかデザインとかそういう話をしない環境があって。逆に新鮮というか、面白いですよね。

natsukiiin

natsukiiin

natsukiiin

うんうん。やっぱり鴨江ってほんといろんな人が出入りしていて面白い。レジデンスでなくても、鴨江に帰ってきてたかもなぁ。

 

最近、自分はこんなアーティストになるんだっていう軸がなんとなく固まってきていて、ぴったりな場所だって思える。いま私の作品を見てもらいたい人が来てくれるし。

あんどうみを

あんどう

わー! いま私も自分の軸とかそういうの結構考えちゃう時期で・・・。natsukiiinさんの考えるこれからってどんな感じですか?
natsukiiin

natsukiiin

うーん。やっぱり、自分のやりたいことをやるっていうことかなぁ。売れる絵を描かなくちゃ!というのはアーティストとして食べていくために必要な意識だ、っていうのは理解しているけれど、自分はそうじゃないなぁって。

 

売買されるためだけの絵よりも、いろんな人に見てもらって、誰かの日常にあるような絵を描いていきたいなぁ。評価する人にちゃんと評価してもらえるのかなぁ、っていう臆病な気持ちもいまは少しあるけど、いつかそういう人の心にも絶対響く作品を作っていくぞ!っていう。

あんどうみを

あんどう

なるほど! そしたら鴨江での制作はぴったりでしたね!
natsukiiin

natsukiiin

そうなのそうなの。会期中もオープンアトリエ方式で、いま描いているこの絵をずっと描き続けようかなぁと・・・。描いている工程ってめちゃくちゃ面白いと思うんだよね。

 

完成させようと思うと、そのときとってもいい感じな色の重なりとかを、消していかなくちゃいけなくなったりして・・・。出来上がりだけじゃなくて、そのプロセスも見せたいな。

あんどうみを

あんどう

確かに! だっていまnatsukiiinさん、綺麗な色彩の上に、白い絵の具を重ねている・・・。あぁ隠れちゃうって思うけど、次に見える色合いもまたいい。
natsukiiin

natsukiiin

じっくり絵を見るってこともそうそうないよね。いつか人が芸術に触れたりする日常の背景に、自分がなっていたいっていう気持ちがあるから、本当にいろんな人にいろんな角度から見てもらいたい。

 

あと自分のラッキーな特技として、喋りながらでも描ける!ってのがあって。だからぜひ見に来てくれたら話しかけて欲しいな!

OPEN ATELIER #202

【場所】鴨江アートセンター202号室

【開催期間】9月17日(土)~25日(日) 10:00~21:00

natsukiiin個展 OPEN ATELIER #202

205号室「小林久人」さん

写真家小林205号室 写真家の小林久人さん

――「浜松で、写真家って名乗ってる人、あんまりいないよね?

205号室は写真家の「小林久人」さん。レジデンスに入る前月には京都で個展、期間中には六甲山国際写真祭にて招待作家として展示など、いろいろな場所で作品発表をして、アクティブに活動されています。

あんどうみを

あんどう

本日はよろしくお願いします!
小林

小林

どうも〜お願いします。
あんどうみを

あんどう

じつは私、小林さんから写真をいただいたことがあって・・・。

そう、私は今年の6月ごろに一度知り合いのイベントで鴨江に来た(が、超マイナーな音楽機器について語る会だったので、わ、ワカンねぇ・・・と外をフラフラしていた)際に、この部屋に立ち寄ったことがありました。

そのときは壁一面に小林さんの作品が飾られていて、なんと「好きに持っていっていいよ」とのことで、一目惚れした1枚をいただいていたのです。

小林

小林

え! そうなんですか・・・。いつだろう・・・。
あんどうみを

あんどう

あ! これです浜名湖の、桟橋跡の(小林さんが写っている写真の作品)!
小林

小林

ああ! そしたら6月だね〜。いまはまだ展示替えをしているところで、これも残っているんですよ・・・。

壁一面に写真が貼ってあり、部屋の隅には小林さんの写真集がたくさん並んでいた当時のことを思い出しました。

小林

小林

僕、レジデンスに入ったのは写真集を作るためで。今回の展示は、たまたま壁が空いているな!と思って始めるんです。
あんどうみを

あんどう

あ、そうなんですね! それまではずっとご自宅で制作されていたんですか?
小林

小林

そうそう。写真集を作るのには場所が広い方がよくて。ここは時間を有効に使える場所として考えています。それから写真集はすべてハンドメイドで作っているんだけど――。

dummybook展

【場所】鴨江アートセンター205号室

【開催期間】9月17日(土)~25日(日)  10:00~21:00

【同時開催】写真展 鴨江アートセンターの人々(9月16日~30日)

小林久人 dummybook展

このあと小林さんの写真集を見せていただき、ものすごく濃い制作秘話へ。・・・まだまだ小林さんのお話しは続きますが、本日はここまでです。

9/17(土)~9/25(日)まで続く「アーティスト・イン・レジデンス2016前期展」。明日は小林さんのお話しの続きに加えて、もうひとりのレジデンスアーティストさんのお話しをお届けします!

 

前回の鴨江アートセンターの記事もチェック!

「アーティスト・イン・レジデンス2016前期展」後編はこちら!

鴨江アートセンター

住所:〒432-8024 静岡県浜松市中区鴨江町1番地
電話番号:053-458-5360
営業時間:9:00~21:30
アクセス:JR東海道線浜松駅バスターミナル3番乗り場から約10分 「鴨江アートセンター」バス停下車

駐車場はないため、公共交通機関を利用してのアクセスがおすすめです。