第2回静岡難読地名コンテスト
書けるけど読めない町in浜松市街中周辺
漢字読めるけど書けないといえば、ダンス☆マン。小学生のころ少し流行って、「マジ漢字書けない」と友達同士で言い合ったものです。
いまからお届けするのは、ダンス☆マンの逆。「漢字読めないけど書ける」をテーマにした、第2回難読地名コンテストを開催します!
第1回の模様はこちらからご覧ください。
第1回は静岡市安倍川以西が対象でした。今回のエリアは西部に移りまして浜松市街中周辺です。また編集部の安藤に代わりまして、西部地区は僕、編集長の吉松が担当します。
第2回静岡難読地名コンテストのルール
難読地名とは、簡単にいうと地元以外の人が読めない地名のこと。初回に習いまして、取り上げる難読地名のルールは以下のとおりです。
- 浜松市街中周辺であること
- 書けるけど読めない漢字を用いていること(義務教育で習う程度)
- その土地のうんちくを話せるひとネタを用意すること
安藤いわく、「難読地名は読めるだけでは意味がない」らしいです。3つ目のルールはこの信念からきています。
そして、第2回静岡難読地名コンテストでは、以下の5候補をノミネート!
- 新橋町
- 大柳町
- 参野町
- 平田町
- 利町
※掲載順序は緯度順
上記の地名について、前回と同じく100人を対象に読み方のアンケートを実施※。正答率をもとにした順位と併せて、難読度、漢字を習う年齢、誤読例を発表します。
今回は全体的に正答率が低すぎる大混戦です・・・!
※難読度の選定方法および誤読例:クラウドソーシングサイト「Lancers」上で得た100人のアンケート回答をもとに集計(実施期間:2017年6月20日)
第5位:利町(浜松市中区)
- 難読度:★★★★☆(正答率:13%)
- 漢字を習う年齢:利・・・小学4年生
- 誤読例:としちょう(まち)、とねまち、りまち、りちょう
第5位に選ばれた難読地名は利町(とぎまち)。しょっぱなから正答率13%と飛ばしまくっています。これはたしかに読めない。
利町にはその昔、浜松市役所(現在は元城町)がありました。明治44年、市の発足に伴う祝賀式は、町内の五社公園でおこなわれています。
五社公園に囲まれるようにして建っているのは、「浜松復興記念館」。じつは浜松市街地は太平洋戦争による空襲で、その大半が焦土と化した過去があります。
ここは当時の様子を記録したものをはじめ、戦後復興に関する資料を保存および展示している施設です。
第4位:大柳町(浜松市南区)
- 難読度:★★★★☆(正答率:10%)
- 漢字を習う年齢:大・・・小学1年生、柳・・・中学3年生
- 誤読例:おおやなぎちょう(まち)、おおやぎまち、おおやなちょう、たいりゅうちょう、だいりゅうちょう
第4位の難読地名は大柳町(おおやぎちょう)。「おおやなぎは普通すぎる・・・。たいりゅうだな!」という声が聞こえてきそうな誤読例です。※吉松はだいりゅうと読みました。
大柳町にある「六所神社」。社名の由来は、スサノオが五百箇統之瓊(いほつみすまるのたま)を口に含んで生んだ「六柱の神」を祭神としているから、など諸説あるそうです。
ちなみに六所神社は浜松市だけでなく日本全国に点在し、なんなら大柳町にもうひとつあります。
僕の地元、島根県松江市にも六所神社がありますが、こちらは「国府の総社」と呼ばれる形態の異なるもの。学校の先生に「ここはな、日本の神社をまとめる機能があったんだぞ」と教えられたのをいまでも覚えています。
第3位:参野町(浜松市南区)
- 難読度:★★★★★(正答率:7%)
- 漢字を習う年齢:参・・・小学3年生、野・・・小学2年生
- 誤読例:さんのちょう(まち)、さんやちょう(まち)
難読地名、第3位は参野町(さんじのちょう)。トップ3に突入したところで、すでに正答率10%を割りました。どこまで下がるのか・・・。
こちらグーグルマップで見た参野町です。どこか既視感がありませんか・・・?
静岡県民のみなさんならよく知っているはず。右には伊豆半島、真ん中には駿河湾、左は遠州地区が――。
そう、静岡県の形とそっくり!
だと僕は思っているんですけど、いかがでしょうか。・・・え、似てない?
うーん、反転させたほうが似てますかね。左側が伊豆半島で、右は遠州地区で――。
第2位:新橋町(浜松市南区)
- 難読度:★★★★★(正答率:3%)
- 漢字を習う年齢:新・・・小学2年生、橋・・・小学3年生
- 誤読例:あらはしまち、しんきょうちょう(まち)、しんばしちょう(まち)、にいばしちょう
トップまであと1歩だった難読地名は、新橋町(にっぱしちょう)。正答率3%なのに第2位です。前回の第1位は正答率5%(富沢/とんざわ)でした。
新橋町は浜松市立新津小学校、中学校などの教育機関が立ち並ぶ町です。じつは小中学校などの敷地、もともとは「大通院」という大きな寺院の境内だったとか。
かつての大通院には4つの塔頭寺院(大きな寺院の敷地内にある個別の寺院)がありました。そのうち寺院として現存しているのは、写真の「光勝院」のみです。山門が赤く塗られていることから、通称「赤門」と呼ばれています。
大通院は大正時代の大火事でほとんど焼失。ただし新津小学校と新津中学校の付近に、黒塗りの山門だけはなんとか残っています。こちらは赤門とは別に、「黒門」の愛称で親しまれているそうです。
第1位:平田町(浜松市中区)
- 難読度:★★★★★(正答率:1%)
- 漢字を習う年齢:平・・・小学3年生、田・・・小学1年生
- 誤読例:たいらだまち、ひらたちょう(まち)、ひらでんまち
並みいる強豪をおさえて1位に輝いたのは、平田町。正答率はなんと1%!
読み方は、「なめだちょう」です。
いやー、読めないでしょう。僕は地元に同じ漢字で「ひらたちょう」と読む地域があるので、この読み方を知っても全くしっくりきません。そもそも「平」を「なめ」と読むことも知りませんでした。
平田町は浜松駅から1km圏内のいわゆる市街地エリア。昔ながらの商店街が残り、味わい深いレトロなお店もちらほら見かけます。
なかでも「内藤製餡」は1899年に創業し、100年以上もあんこ屋を営んでいる超老舗。いまの時期はひと口サイズで、キメの細かいあんこが涼やかな「水ようかん(税込みで1個83円)」がおすすめです。
看板メニューだという「もなか」は、なんと手焼きで皮をつくっているとのこと。もなかの皮をお店で手焼きしているのはなかなか珍しいことで、老舗のこだわりが垣間見えます。
内藤製餡の店員さんに平田町について聞いてみると、「平田は小学校くらいの敷地しかないこじんまりとした町です。だから町内のことはだいたいわかります。浜松には毎年大きなお祭りもありますし、役をやらないわけにはいきませんので、そういったところで人とのつながりは強いですかね」と話していました。
あなたの町の難読地名を教えてください!
さて第2回静岡難読地名コンテストin浜松市街中周辺は、浜松市中区にある平田町(なめだちょう)が1位に輝きました!
正答率1%は、難読度ほぼMAX。第2回にして難読地名モンスターが誕生してしまいました。
もしかするとあなたの町にも難読地名があるかも? 引き続き「これは読めないだろう!」という地名を募集していますので、思い当たる節があればぜひmiteco編集部までお知らせください!
※前回、多数の耳より情報をいただきました。この場を借りて、あらためて感謝申し上げます!