涙のポストパンクからひたりたがり屋のインディーまで
月刊ソネレコ【#11】
ども!! みなさん! 元気ですか!! 僕は元気です。
浜松市のゆりの木通り商店街にあります海外、国内のインディー新譜音源を扱ってますsone records(ソーンレコーズ)。通称ソネレコによる月刊ソネレコ、毎回新入荷とそのときどきの特集から、何枚かピックアップして商品をご紹介させていただきます!
さて、前回の月刊ソネレコリニューアル号ありがとうございました。おかげさまで、前号で紹介した音源を求めてお店に来てくれたお客さんがいたりなんかして、僕は泣きたいぐらいに嬉しかったです。ありがとうございます!
というわけで、今回も月刊ソネレコはじまりです。
新入荷「Diet Cig / Over Easy(12インチEP/CD)」
新入荷まずは「Diet Cig – Over Easy(12インチEP/CD)」から。熱心な月刊ソネレコ読者(いるんでしょうか?)のみなさんなら気づいたかもしれませんね。
昨年の月刊ソネレコでもデビューアルバムを取り上げたNYの男女デュオDiet Cig、そのデビューアルバム以前にカセットテープでリリースされていたEPが嬉しいレコードとCDでリイシュー!
ジャカジャカしたギターとドラムのみによるローファイなサウンドに、ボーイッシュなルックスもキュートなGt/Voアレックスちゃんの元気いっぱいなパフォーマンス。
ちょっとセンチメンタルなメロディーは、おじさんでもキュンときちゃう弾けたインディーポップで大推薦です!
♪Diet Cig – Harvard
新入荷「HIDE / Castration Anxiety(LP)」
続いてガラっと変わってこちら「HIDE / Castration Anxiety(LP)」。ヴィジュアルアーティストHeather GabelとパーカショニストSeth Sherによる、米シカゴの男女インダストリアルデュオHIDEのデビューアルバム。
暴力的なインダストリアルビートに不穏な電子音、ジャンクなノイズと気怠い女性ボーカル。
某SNSにてジャケット画像をUPしたところ「不適切な画像」だとして不当に削除されてしまったこの最高なジャケットを前に、素通りなど到底ゆるされないダークインダストリアル2018ジャケ買い保証盤。
♪HIDE – WILDFIRE
新入荷「SOFT KILL / Savior(LP/CD)」
新入荷最後はこちら「SOFT KILL / Savior (LP/CD)」。
Beach FossilsやDIIVやMac DeMarcoなどを手がけ、00年代~10年代にかけてもっとも成功したといっても過言でないNYのインディーレーベルCaptured Tracks。
そんな名門から過去にリリースがあったことなど、もはや誰に言っても信用すらされないだろう暗黒ダークウェイブバンド「Blessure Grave」を率いた問題多き男Tobias Graveによる本気のバンドSoft Killの2018年最新アルバム。
ゴシックとネオサイケデリックな闇をメランコリックなギターが疾走し、Tobiasの低音ヴォイスによる切ないメロディーが胸を締め付ける。この終わりなき悲しみの世界を駆け抜ける涙のポストパンクに咽び泣き。
自分でもなに書いてんだかよく分かんないですけど、とりあえず泣け、そして踊れ! *この原稿を書いてる時点でLPもCDも売切れ中なんですが近日再入荷予定です。
♪SOFT KILL – Swaddle
ソネレコ特集「ひたりたがり屋さん、こちらです」
しかしね、毎日毎日仕事だとか学校だとか上司だとか残業だとか付き合いの飲み会だとか、本当まじで勘弁してほしいですよね。
生きてるだけなのに、どうしてこうまでやりたくないことだらけなのか。せめてひとりのときぐらいはひたっていたい。
今回の特集は、そんなひたりたがり屋さんにおすすめのレコードを少し紹介したいと思います。
ひたりたがり屋さん「Now,Now / Saved (LP/CD)」
泣き虫さんいらっしゃい。
ちょうど10年前、まだバンド名が「Now,Now Every Children」だったときのデビューアルバムがそりゃもう繊細なうた心で、涙腺琴線直撃のインディーギターサウンドまで素晴らしかったこの人たち。
その後、バンド名を「Now,Now」と変え、そのサウンドを発展させた2012年作の2nd以降、じつに6年ぶりとなる新作アルバムをリリース。この6年、いろんなことがあったんでしょう。メンバーはもともとのふたりになり、ルックスもなんだか少し変わって帰ってきました。
トレードマークのようだったギターサウンドは影をひそめ、リズムへのアプローチやエレクトロなサウンドプロダクションなど、まるでHAIMのような曲も飛び出したりしてます。でもね、でもね、やっぱりこのメロディーなんですよ。
Vo/Gt/Key・ケーシーの一度聴いたら忘れられない、憂いを帯びた声による切ないメロディー。以前のNow,Nowを少し思わせる1曲目でもう涙腺崩壊です。
ケーシーの天性の声とメロディーという最大の武器をもってして、時代とリンクするサウンドへと自らをアップデートして返り咲いたNow,Nowを聴いて、ひとしきりひたったらまた僕たちも現実に向かって返り咲いていきましょう。
♪Now,Now – SGL
ひたりたがり屋さん「Grouper – Grid Of Points (LP/CD)」
Now,Nowが随分としつこい文字量となってしまったのでここはあっさりと(手抜き乙)。
以前、ここ浜松にもライブにやってきたこともある幽玄的アンビエントフォークの女神、Grouperこと米ポートランドの女性シンガーソングライターLiz Harisによる、11枚目のアルバムがリリースされました。
メランコリックなピアノの旋律と、何層にも重なる彼女のフラジャイルなうた声。
まるで真冬の朝のような荘厳さも感じさせる美しく儚い、そしてどこか優しさに満ちた静寂の世界に全てを忘れて永遠に浸っていたくなる孤高の全7曲。
♪Grouper – Parking Lot
というわけで、なんだか少し特集からずれた気もしますが、今回の月刊ソネレコいかがでしたでしょうか? もしも音源が気になるなんて人いましたら、ぜひともお店まで遊びに来てみてください!
ほかにも毎週いろいろ入荷してますので、よかったら冷やかしにでも!来れない方はweb shopもありますのでいちど覗いてみてください。それではまた来月~!