完全無料ライブサーキットイベントは成功した?
FOS SUPER FREE現地レポ&主宰後日談

  • posted.2017/12/18
  • 吉松京介
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完全無料ライブサーキットイベントは成功した? FOS SUPER FREE現地レポ&主宰後日談

合言葉は「静岡から世界へ」。2017年11月24日(金)、静岡で生活する人々で創造するDIYフェス「FEVER OF SHIZUOKA(略:FOS)」が開催されました。

第4回目の今回は「SUPER FREE」と称して、静岡市内初となる3会場での完全無料ライブサーキットイベントを実施。前代未聞のチャレンジにかける熱い想いは夏の終わり、主宰のロッキーにガッツリと聞いています。

さて蓋を開けてみて、県民たちの夢を乗せたチャレンジだらけのFOSはどうなったのか・・・? 現地の様子を写真メインでお伝えしたうえで、つい先日、ロッキーに聞いた後日談をお届けします。

FEVER OF SHIZUOKA SUPER FREE

 

静岡市葵区両替町を舞台に、ライブバー「Freaky Show」「騒弦」とクラブハウス「Rajishan」の計3会場で繰り広げられた入場料完全無料のライブサーキットイベント。主宰のロッキーが修行するライブハウス「下北沢THREE(東京都) 」が実施する、完全エントランス無料のイベント「Block Party」で感じたことをアウトプットしたいという想いから誕生した。2017年11月24日(金)20:00から朝まで開催。

FOS SUPER FREEの様子をハイライトで!

FOS2017_01FOS SUPER FREEの舞台、静岡市葵区両替町。じつは県内屈指の歓楽街。

FOS2017_02会場の「Freaky Show」「騒弦」「Rajishan」。

FOS2017_03FOS主宰のロッキー。Freaky Showの前にて。

FOS2017_04Freaky showのスタートを切ったのは、静岡発3ピースパンクバンド「イカスタンジャケット」。続々とお客さんが集まり始めています。

FOS2017_05騒弦。ロッキーがギターボーカルを務める「riceshower」を前に超満員!

FOS2017_06再びFreaky Show。いま注目の静岡発3ピースメロディックパンクバンド「Track’s」は会場を後列までパンパンに埋めました。手もあがりまくるなど凄まじい盛り上がり。さすが。

FOS2017_07

FOS2017_08投げ銭ガール&FOSスタッフたち! 当日は投げ銭によって、出演者の特別コンピが渡されるキャンペーンを各会場で実施していました。

FOS2017_09もうどこもパンパンだな! Rajishanです。「DJ Ami」がムーディーなクラブミュージックを流していました。

FOS2017_10DJ Amiに続いて登場したのは、静岡のブルースマン「クロキユウタ」。以前、ロッキーがインタビューをしています。ミラーボールが輝くクラブで、アコギ&ハーモニカを奏でるクロキさんは激渋でしたね。

FOS2017_13クロキユウタさんと同時刻には、静岡のパンクバンド「Zん」が騒弦を埋めていた様子。やっぱりどこも埋まりまくり。画像提供:Takanori Murata

日をまたいで24時台。Rajishanで「ティータイム山本」がぶちかましました! 彼もクロキユウタさん同様に以前、ロッキーがインタビューをしてくれています。

そしてロッキーがベースボーカルを務めるロックバンド「THE WEMMER」がFreaky Showに登場! 当日の彼らのライブはコチラ。

FOS SUPER FREEに感動。代表ロッキーの想いは?

FOS2017_e画像提供:Takanori Murata

THE WEMMERのライブは26:00すぎ。このあともバンドやDJによって、朝までFOS SUPER FREEは続きました。

現地に足を運んでとにかく感動したのは、写真のとおり「どの会場もパンパンになった」こと。どうしても敷居が高くなりがちなライブハウスという場所に、若者を中心とした多くのお客さんが集まったんです。しかも後日公式発表された動員数はなんと「700」。

ロッキーはイベントの前、「静岡のライブハウスとかクラブには決まった人しか来ないのが現状。まずはみんなのところに音楽を寄り添わせなきゃいけないのかな」と話していました。少なからず、その想いは実現されたんじゃないでしょうか。

とはいえ、やっぱり気になるのは本人の感想。いま彼は東京に住んでいることもあり、本人と相談した結果、メールインタビューをすることになりました。

FOS SUPER FREEを終えた率直な気持ちを、ロッキー撮影の写真とともにほぼ全文でお届けします。

Q1.帰りのバス代は払えた?

000256230003写真提供:ロッキー

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ロッキー

新幹線で帰りたかったけど、高速バスでギリギリ帰れたよ。

※イベント直前のインタビューで「入場料完全無料だと、降りかかるのものが多いし、大変なんじゃない?」の質問に対して、「帰りのバス代がなくなっちゃう」と答えたことから心配していました。よかったです。

Q2.当日はまさに大盛況。FOSの公式Twitterでも「大成功」と書いていた。正直にそのとおりの感想を抱いている?

000256230017写真提供:ロッキー

FOS2017_face_01

ロッキー

うん、大盛況、大成功だった。自分はいま静岡に住んでいないから、入場料完全無料といっても「当日はもしかしたら誰も遊びに来ないんじゃ・・・」とかけっこう不安で心配だった。

 

でも蓋を開けてみたら約700人もの方が来てくれて、目標は500人だったこともあってやっぱり大成功だったなと思ってる。

Q3.下北沢THREEの精神を静岡に持ち込んでみてどうだった?

000256230035写真提供:ロッキー

FOS2017_face_01

ロッキー

下北沢THREEの精神は、「演者・お客さん・店」といった3本の矢を指して、それらが全て幸せな状態を表していて。

 

今回のFOSはお店にもしっかりドリンクの売上を出せたし、アーティストにも出演費を渡すことができた。そしてなによりお客さんが本当に楽しそうな顔をして遊んでいた。

 

だから間違いなく下北沢THREEの精神を静岡に体現できたし、入場完全無料という新しいシステムで今回成功できたことは、地方都市のパーティーのひとつとして未来につながると確信したよ

 

どんどん真似してほしいと思う。やり方とかノウハウはメールでも電話でも聞いてくれたらなんでも答えます。

Q4.会場のライブハウスによく通ってる人が、「今日は見ない顔ばかり」と言っていた。静岡の音楽文化に新たな層を取り込めた実感はある?

000256240021写真提供:ロッキー

FOS2017_face_01

ロッキー

遅い時間帯になるとバーとか居酒屋の店主さんが、お店を締めてお客さんを連れて遊びにきてくれたりして。「これは東京にはできない、小さな街ならではの新たな層の取り込み方だな」と思って、すげえ嬉しかった。

 

ほかにも音につられてふらっと来るサラリーマン、ちょっとトンがってるニイちゃん、スケーター、大学生とか、静岡で生活するいろんな人がライブハウスやクラブにやってきて、しかも「なんか面白そう」「パーティーだよね」「楽しもう」って意識で集まってるから、祭りの感覚にすごく似ていて最高だなと思った。

 

音楽を通していろいろな人が行き交う夜。こういう日がどんどん増えたらいいなと思う

Q5.ロッキー自身はFOS SUPER FREEを楽しめた?

000256240012写真提供:ロッキー

FOS2017_face_01

ロッキー

最高に楽しかったよ。当日の運営はスタッフに任せていたから、僕は仲間たちと遊んでかっこいいライブをするのが仕事だったんだけど。「これでもか!」ってくらい遊んだし、THE WEMMERでもかっこいいライブができたので。

 

あと両替町通りに3会場あったじゃん? 初めて会ったやつらがどんどん仲良くなって、通りですれ違うときに会話が生まれていくんだよ

 

「〇〇がフリーキーで始まるぞ!」「いまラジシャンでやってる人かっこいいよ!」とか。なんかそれ見て感動したし、予想してないミラクルが起きた瞬間だった。

 

時間が深くなればなるにつれて、一体感が増したのは、たぶんこの1本の通りで完結するサーキットイベントだったからだなって。「これを無意識に作ってしまうロッキーという男は天才かもしれない・・・」って思ったよ(笑)

Q6.FOSは続ける? 次はすでに考えている?

000256240009写真提供:ロッキー

FOS2017_face_01

ロッキー

いま僕は、都内最高峰のエキサイティングでインディペンデントなライブハウス「下北沢THREE」で働いているから、その熱をフィルターなしで(SNSや口コミ)現場の雰囲気をダイレクトに静岡へ還元してきたい逆に静岡にしかない独特の空気感も下北沢にもっていきたい

 

来年はそんな感じでやれたら最高だなって思う。頭の中ではイメージできているけど、うまくまとめられるかどうか・・・。

 

miteco読者の皆様、今後とも応援ご協力のほど、どうかよろしくお願いします。

県民たちの夢を乗せて行くぜ「超自由のその先へ!」

FOS2017_11

朗報です。FOSは、来年も開催する考えでいるとのこと。

個人的に夜を楽しむ選択肢のひとつとして、ライブハウスやクラブが出てくる人が増えるといいなと思っています。「今日は街に出よう。どこ行きたい?」「居酒屋、バー、ライブハウス、クラブ・・・どれにしよう」みたいな。FOS SUPER FREEはこの流れを生み始めたような気がします。

そんなきっかけづくりを、アグレシッブな行動力で進めているロッキーはこれからも応援していきたい。もちろん街の音楽が身近になるまでの障壁はまだまだあるので。

来年のFOSはどうなりますかね。楽しみですね。とりあえず僕は街に出る回数を増やそうと思います。

静岡の音楽シーンは熱くなる、はず