トンガリ音楽推進委員会 Vol.2
クロキユウタの「エレクトリックブルース」
どうもどうも。みなさん元気ですか? 最近オススメの音楽ありますか?
静岡が生んだ最強の末っ子長男こと、mitecoゲストライターのロッキーです。
トンガリ音楽の第2回目がやってきましたよ〜! 「トンガリ音楽ってなんやねん!」って方はまずはこちらの記事をお読みください。
簡単に説明しますと、「トンガリ音楽」とは・・・。
トンガリ音楽
「メインカルチャーにもサブカルチャーには当てはまらない素晴らしい音楽」 のこと。ポジティブな意味でのトンガリを意識していただきたい。※世界初の呼び名です。
miteco読者の皆様に今日もまた僕ロッキーが、静岡に潜むトンガリ音楽の素晴らしい世界を紹介していきます。
本日インタビューをする場所は、静岡市葵区七間町にあるライブハウス「LIVE HOUSE UHU」。取材させていただくのはここをホームに活動するミュージシャン「クロキユウタ」さんです。
静岡で活動するブルースマン・クロキユウタ
UHUのBOSSシンヤさんのご好意により、UHUのステージで取材をさせていただくことに。
どうもどうも。最近メガネを買い換えました。
トンガっているブルースマン・クロキユウタさんが登場!
クロキユウタ
1988年10月21日生まれ。静岡県静岡市在住。シンガーソングライター 。10代のとき「THE BEATLES」の影響でギターを始める。2008年より静岡の ライブハウスを中心に音楽活動を開始。2013年から15年までの2年間、ライブハウス静岡UHUにて 自主ライブ企画「靴の中へ飛び降りろ」を定期的に開催。 2014年には3曲入り1stシングルを発売。現在は静岡、東京を中心に活動中。
ロッキー | クロキくんどうもです。今日はありがとうございます! |
クロキ | よろしくお願いします。 |
ロッキー | さっそくなんですが、僕はクロキ君くんの「ELECTRIC BLUES(エレクトリックブルース)」という曲が大好きなんです。そこで、この曲についてお話しを聞きたいのですが、この記事を見ているみなさんは知らない人が多いと思います。一度歌っていただけませんか? |
クロキ | ありがとうございます。なるほど。わかりました。 |
急遽「ELECTRIC BLUES」を歌っていただくことに。無茶ぶりに応えてくれた・・・!
♪クロキユウタ – ELECTRIC BLUES
・・・どうでしょう? こんな音楽が静岡にあるんですよ! ブルースやロックのテイストの入るアコースティックギターに、しみわたる渋い声。歌詞の感じも含めて、ほんと名曲です。そもそもクロキユウタさんは、ボブ・ディランやビートルズの影響で音楽を始めた方。たしかにそれは感じますが、でもどこかポップな感じも・・・。
今回のトンガリ音楽は、この秘密に迫ります。
クロキユウタの名曲「ELECTRIC BLUES」に迫る
ロッキー | すごくよかったです。ありがとうございました。この曲をはじめて聞いたとき、「え? なにこれ!? スーパーいい曲じゃん」とびっくりしたのをいまでも覚えています。
今日は、「ELECTRIC BLUES」のことを詳しく聞かせていただきたいです。まず、この曲ができたときの話なんですが・・・。 |
クロキ | この曲が完成したのは3年前です。曲が完成する前の半年くらい前にすでに歌詞はあったんですけど、メロディがうまく乗らなくて一度ボツになっているんです。 |
ロッキー | いくらいい歌詞ができても、メロディが乗らないと曲にはなりませんもんねえ〜。僕も寝かしている曲が何曲かあります。 |
クロキ | その半年後、「あのボツにした歌詞に適当にメロディでもつけてみようかなあ」と練習していたら、自分でもなにが起こったのかわからなかったんですが、そのときまだなかった歌詞までスラスラ出てきたんです。そしてあの曲ができました。 |
ロッキー | なるほど。この曲は従来のクロキくんの曲、“ブルース”や“フォーク”色の強い印象があるのですが、それらの曲とは少し違うような気がします。この曲ができたとき、自分としてはどうでしたか? またお客さんはどのような反応をしましたか? |
クロキ | 手応えもあり、いままでの自分の作った曲と違うという戸惑いも感じました。“シティポップ”のような曲ですね。お客さんに「本当はユウタのこういう部分を聞いてみたかった」と言ってもらえたんです。戸惑いから自信に変わりました。 |
ブルース:アメリカの南でアフリカ系アメリカ人が作り出した音楽ジャンルのひとつ。
フォーク:アコースティックギターなどを使用した音楽ジャンル。長渕剛とか吉田拓郎、そんな感じ。
シティポップ:都会的なイメージを前面にだしたポップスを指す。そんな気がする。
静岡での暮らしがエレクトリックブルースを生んだ
ロッキー | この曲の歌詞を聴いていると情景が思い浮かびます。歌詞はどのようにして作られたんですか? |
クロキ | いつもはたまたま自転車で走っていたり、歩いていたりするときで、風景もそのときはなんとも思わないんですが・・・。この曲を作っているときは、そんな日常の風景を思い出したんです。
たとえば、アパートの駐車場でシャボン玉を吹いている女の子がいてその横が道路で、車がすごいスピードで走っていて、「あ〜シャボン玉が車に轢かれているな」と。そのときはなんでもない情景が歌詞になったり・・・ |
ロッキー | あそこの歌詞はとても印象的です。またこの曲は全体を通して歌詞がスッと体に入ってきてとても心地いい曲だと思いました。歌詞はやはり静岡での生活のなかで生まれていったんでしょうか? |
クロキ | そうですね。静岡が好きなんで。呉服町とかノスタルジックでヨーロッパっぽいなあと思ってます。僕のなかでは静岡の街でもすごく好きな場所です。 |
※クロキユウタのシングル「ELECTRIC BLUES」はライブ会場で販売しています。ぜひ手に取ってみてください。
音楽を始めるキッカケはグッチ祐三にあった!?
ここからはクロキユウタのルーツに迫ります。
ロッキー | 音楽との出会いはいつごろで、キッカケはなんだったんでしょうか? |
クロキ | テレビでグッチ裕三がビートルズのモノマネをしていたのをたまたま見たことです。そのときビートルズのことは知らなかったんですけど、そのモノマネが面白くて。そのあと、なんとなくビートルズを聴いてみたら一気にはまっちゃいました。 |
♪クロキユウタ- FOR NO ONE(THE BEATLESカヴァー)
ロッキー | グッチ裕三がクロキくんの音楽のキッカケって想像できませんでした。面白いですね。ギターはいつから弾いているんですか? |
クロキ | アコースティックギターは13歳から始めました。親がエレキギターは「うるさいからダメ」と弾かせてもらえなかったんです。高校生のときにはさすがにエレキギターを弾きまくっていましたけど。家の中で(笑) |
ロッキー | わははは! 素晴らしい! |
ギターの上にも6年な修行時代
ロッキー | 僕は14歳のとき中学の文化祭に出演したのが音楽の始まりでした。いつからライブ活動を始めていたんですか? |
クロキ | ライブハウスに出演したのは19歳からです。 |
ロッキー | 13歳からギターを始めたとのことですから、6年間修行期間があったんですか!? 石の上にも3年と言いますが6年間ライブをしないでひたすら練習していたってことですよね? |
クロキ | そうなんです。世間知らずすぎたんですよ。ライブハウスは上手くなければ「出演したい」と言っても断られるものだと勝手に思い込んでいて・・・。
「こんなんじゃダメだ・・・断られてしまう!」
と思っていました。高校卒業したときに「そろそろ出られるかなあ?」と思ってライブに出演しました。 |
ロッキー | すごい面白い!! でもあの当時からネットはもちろんありましたけど、そういう情報って意外と入ってこなかったかも・・・。
もしかしたらこれを見ている静岡の隠れロックキッズもいるかも! |
トンガリ情報①
大丈夫です! 初心者でもライブハウスに出られます! ライブハウスに出てみよう!
クロキ | でも、初ライブから2年間は「大変でしょうがない」って感じでした。「こんなはずじゃないんだけどな〜もっとやれるんだけど」ってずっと思いながらやってたのでとにかく大変でした。 |
ロッキー | ストイックですね〜!! でもその音楽に対する真剣さや妥協をしない信念が、クロキくんの音楽の真髄な気がします。 |
10年間クロキユウタを見続けてきた男が語る「ELECTRIC BLUES」とは
UHUのBOSSシンヤさんにクロキユウタについてお話しを伺ってみることに。
ロッキー | クロキユウタさんのライブをはじめて見たのはいつごろか覚えてますか? |
シンヤ | ん〜あんまり覚えてないな〜。ある日、突然きたんじゃないっけ? |
クロキ | 2007年7月です。UHUがオープンして1年後くらいでしたね。「水曜フォーク村」というイベントに出演させていただきました。 |
シンヤ | あ〜そうだっけね〜〜! |
ロッキー | シンヤさんは10年間にわたってクロキくんの音楽活動を見てらっしゃるんですね。はじめてライブを見たときの感想ってどうでしたか? |
シンヤ | はじめてライブを見たときは全曲カバー曲で、「うまい子が出てきたな〜」っていう感じだったね〜。
でも最初にクロキユウタが自分で作った曲を歌った時の衝撃って言ったらもう・・・。「マジで!? これお前作ったの!?」「ホントかよっっっ! すげえ」ってなったよね。
そんな感情になったのはいままでこの店で見てきたなかでもそんないない。 |
ロッキー | そんな長い期間、クロキくんを見てきたシンヤさんだからこその「ELECTRIC BLUES」の感想を教えてほしいです。 |
シンヤ | クロキユウタは歳は違うけど彼の才能に憧れながらずっと見てきた。「ELECTRIC BLUES」はすごくポップでクロキユウタの新しい一面。素晴らしい曲なんだけど、偉そうで申し訳ないけど、当然たどり着いた場所。
「すげ〜! ELECTRIC BLUESで殻破ったんじゃん」と言う感じではなくて、当然ここまでくると思ってた。
ただ、まだまだ素晴らしい曲が作れるし、クロキユウタにはもっと先がある。 |
親子のような友達のような兄弟のような。ふたりの間には年齢を越えた素晴らしい関係性がありました。
「僕は浦島太郎にはなりたくない」クロキユウタのトンガリ
ロッキー | これからの展望をお聞かせください。 |
クロキ | 世に出たいってずっと思っています。いまの時代に生きる人たちの生活に寄り添える音楽を作りたい。いや、「作れる」って信じています。少しずつでも前に進んでいきたいです。 |
ロッキー | 最高ですね。絶対作れると僕も信じています。「いまの時代に生きる人」っていう言葉、とても重要ですよね。 |
クロキ | 自分は、昔の音楽「ブルース」「フォーク」「ロック」が好きなんですけど、自分の好きな部分を前面に出しすぎると“浦島太郎状態”になってしまうんです。
昔の音楽は昔の人が生きているなかでポピュラーだったもので、それを追いかけることはできない。いまを生きている人の前で音楽をやっている。その人たちの心に響かせないと意味がないと思うんです。 |
ロッキー | その通りだと思います。昔の音楽ももちろん素晴らしいけど、いまを生きている自分が前を向いて作っていかないと「アート」にならない気がします。最後にクロキさんの思う音楽の魅力ってなんだと思いますか? |
クロキ | ん〜・・・(2分間沈黙)。 |
ロッキー | ゴクリ・・・。 |
クロキ | 1日の中で3分間だけでも幸せにさせてくれる。それってやっぱり素敵なことだなあと思います。 |
ロッキー | ありがとうございました!!! |
浦島太郎:気づいたらおじいさんになっていた人の話。
今回、紹介させていただいたクロキユウタさんは、静岡を拠点にたくさんライブをやっています。
話を聞いていて、彼は本当に音楽が大好きで、音楽に礼儀を持って接しているなと思いまいした。パッと聞くと、ブルースや古いロックのサウンドに聞こえるんですが、それに自身の経験やあれやこれがミックスされて・・・。いい意味で日本人の音楽をやっているなあと思いました。
ここに載せたのは彼の本当に一部分。やはり音楽に、彼の意思や言葉では語れないこと全てが詰まっています。一度生で、クロキユウタのライブを見に行って欲しいです。
トンガリ音楽推進委員会はこれからも、静岡で音楽を愛する人たちをみなさんに紹介していきます。
静かな岡がいつまでも騒がしくいられるように。
クロキユウタ ライブ情報
- 4/8(土)静岡 騒弦
- 4/12(水)静岡ワンマンライブ マキタさんとミっちゃんトコ
- 4/17(月)下北沢CCO
- 4/22(土)浜松 ON THE ROAD
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