魅力的なあの人 vol.4
ひと目惚れした魅惑の映像クリエイター
日常生活のなかで魅力的な人に出会うときがありますよね。ひと目惚れのときもあれば、だんだんと惹かれていくこともあります。
そんなときに「知りたい。話したい。でも、そんなにいろいろと聞いたら気持ち悪いかな・・・」と考えてしまいませんか? 私はもじもじしてしまいます。
そんなシャイな気持ちから生まれたのが、「魅力的なあの人」というシリーズ企画です。
第4回目のあの人は・・・
魅力的なあの人とは、私が魅力を感じた人に「いまなにをしているの?」「なにを考えているの?」などとグイグイお話しを聞き、その人の奥にひそむ魅力の元を探していくというものです。
第4回目のあの人は、静岡県富士市出身在住の映像クリエイター、柗下仁美さん。
柗下仁美
静岡県富士市出身在住。1990年生まれの27歳。日本映画学校(現日本映画大学)へ進学のため上京、俳優・モデルとしての活動もスタート。半年前に富士市に戻り、現在「Récolte & Co.」という映像制作ユニットで活動中。Twitter:@Recolte_cinema
先日、とあるイベント会場で目を惹く女性がいました。私は彼女を見たとたん「話しかけたい」と思い、1時間ほど脳内シミュレーションをし、声をかけたのが柗下仁美さん(以下、仁美さん)との出会いです。※簡単にいうとナンパ。
お話しをきくと、「映像制作のお仕事をしている」とのこと・・・。うーん、気になります。もっと知りたい! 聞かせてください!
今回はひと目惚れなので彼女のことをよく知りません。現在なにをしているのか、映像制作ってどんなことをしているのかなどのお話しを聞きながら彼女を知り、魅力の元を探っていこうと思います。
映像制作ユニットってどんな活動をしているの?
花 |
映像制作のお仕事をしているとは聞きましたが、現在どんな活動をしているのですか? |
仁美 |
若手ミュージシャンのMVや結婚式の余興ムービーなどをつくっています。あとは、自主制作映画も!
「Récolte & Co.」というユニットで活動していて、もうひとり壷井濯さんという方がいて、主にそちらが監督、脚本、編集。私が撮影、出演かな。共同監督で作品をつくったこともあります。
最近完成した作品は、パスワードの人というバンドのMVです。物語がある映画のようなMVをつくっているので面白いはずです(笑) |
2017年3月に公開したミュージックビデオ『sari / パスワードの人』。
花 |
あっ、赤い服の人で走っているのは仁美さんですよね。足が速いですね。 |
仁美 |
小中学校のころ、陸上部だったので(笑)MVの撮影は過酷なんです。暑い、寒い、走る・・・。 |
花 |
わぁ、体力が必要ですね。このMVは富士市の海ですか? |
仁美 |
そうです。富士市か下北沢で撮ることが多いです。 |
花 |
なぜそのふたつの土地なのですか? |
仁美 |
下北沢は下北沢系バンドのMVをつくることが多かったからで、富士市は「Well done Sabotage」というバンドのMVをつくることになったときに、メンバーの方が富士市出身だったので、「ふるさとで撮ろう!」ってことになって、東京から富士市へ撮影をしに訪れたんです。
そのとき、制作ユニットの壷井さん(東京育ち)が富士市を見て、「人が少なくて、海があって、工場がある、ここで撮るぞ!」って言いだして・・・。それから富士市での撮影するようになりました。 |
花 |
なるほど、工場地帯ですもんね。富士市を気に入ってくださる方がいて嬉しいです。 |
仁美 |
富士市いいですよね。でも映画館がない・・・。 |
花 |
映画がお好きなのですね、このお仕事を始めたのも映画がきっかけですか? |
仁美 |
そうです! 高校生のときに映画を観ていて、ほんとにやたら観ていて(笑)進路を決めるときに「映画撮りたいな~」って思って、「学校 映画」で検索してヒットしたところに進学しました。そして、そのまま映像制作を仕事に・・・。 |
花 |
なるほど、ちなみに当時はどんな映画を観ていたのですか? |
仁美 |
高校生のころは邦画ばかり観ていました。よくサールナートに映画を観に行っていました。 |
花 |
サールナート? あ、シネ・ギャラリー! 私も高校生のときにかよっていました(笑)ポップコーンないですよね。 |
仁美 |
ないのがいいんですよね~。 |
学校以外の世界のはなし
花 |
あ、首から下げているのはフィルムカメラですよね? 映像だけでなく写真を撮るのも好きなのですか? |
仁美 |
そうです! 高校生のときに画素数の高いガラケーを買ってもらって、その携帯でたくさん写真を撮っていました。 |
花 |
いいですね~! |
仁美 |
私、不登校生徒だったんです。そのときに学校行くふりをして、海に行って携帯で写真を撮っているうちに、「写真って面白い!」と思いました。 |
花 |
アクティブな不登校生(笑) |
仁美 |
そう、学校には行かないけど外には出るっていうね(笑)あと、同時期に高校で知り合った女の子と駅前で路上ライブをしたり、アニマルネスト※に行ったり・・・。そこでやさしいおとなたちに出会ったんです。
*アニマルネスト:富士駅近くのライブハウス。 |
花 |
やさしいおとな? |
仁美 |
アニマルネストで「私、写真を撮るのが好きです」って話していたら、誕生日にみんなでフィルム式トイカメラをプレゼントしてくれて、高校生の私には衝撃的で。 |
花 |
いいなぁぁぁ~。すてきだぁ。すてきな人たちだ。 |
仁美 |
そう! とってもすてき! こんな人たちがいるんだなぁって驚いたの。当時、暗黒期&映画の影響でツンケンしてたんだけど、すてきなやさしいおとなを見てやめたよ(笑) |
花 |
暗黒期ってなんですか(笑)ツンケン? うーん、映画の蒼井優ちゃんみたいな感じですか? |
仁美 |
そうそう(笑)『花とアリス』っていう映画に出てくる、蒼井優ちゃんみたいな感じが可愛いのかと思っていたんだけど。でもすてきな人たちに会って、これは違うなって気付けたよ。
ツンケンするよりニコニコしてるほうがすてきだし、私が無理しなくて済むしね(笑)それでそのときに、フィルムカメラに出会って、「なにこれ、すごい!」って思ってそれからずっとフィルムカメラを使っています。
カメラを持って知らない町に行くとか、そんなことばかりしていました。撮って回って、ただただ現像してた。 |
花 |
おぉ! 私もそういうことしていました(笑) |
仁美 |
楽しいですよね。もちろん勉強も大切だけど、学校に行けない子たちには行かなくてもほかにも楽しいことはあるよって知ってもらえたらいいんだけどね~。 |
お話しを聞いているうちに、私と彼女の共通の趣味や考えに気づきました。なんだかずっと前から知り合いだったような不思議な気持ちです。
自主制作映画でもっと地元を盛り上げたい
花 |
いろいろなお話しを聞かせていただきましたが、最後に今後やりたいことを教えてください! |
仁美 |
もっともっと映画を撮りたいです! ドキュメンタリーも好きなので撮りたいです。 |
花 |
たとえばどんなものですか? |
仁美 |
企業さんのドキュメンタリーを撮ってみたい。CMものになると思うから、そういうお仕事ができたらいいなぁって思います。 |
花 |
なるほど。この企業はこういうことをして、こんなふうに動いているってことがドキュメンタリー動画になっていたら、分かりやすくて広告になりますね(就活生の参考にもなりそうだなぁ)。 |
仁美 |
そうそう。そういう活動で地元(富士市)が盛り上がったらいいなぁって。すてきな場所だからいまのままじゃもったいないって、もっともっとたくさん富士や静岡を撮っていきたいですね。 |
お話ししていくなかで、学生時代の話や自主制作映画のことを聞き、彼女の魅力の元は「型にはまらない考え方」ではないかと私は思います。
自分がいいと思ったほうへ進んでいく仁美さんをみて、私自身、見習っていきたいと感じました。
はじめの印象と取材が終わってからの彼女への印象はだいぶ変わりましたが、さらに魅力的に感じています。これからの彼女の活動にも注目していきたいです。
ちなみに過去作品はこちらから見ることができるそうなので、ぜひぜひ~。
私も魅力的な人センサーをはりめぐらして県内をうろつきます! ではまた!