静岡のDeepな心霊スポット【第2話】
二岡神社と廃墟(御殿場市)
黒澤明監督の映画「七人の侍」や、北野武監督の映画「座頭市」のロケに使われた二岡神社(静岡県御殿場市)。
少なくとも600年近い歴史のある由緒正しい神社だが、一部の人のあいだでは心霊スポットとして有名だ。
二岡神社にまつわる怖い話
二岡神社は昭和の怪僧として知られる、織田無道氏も除霊に訪れた地。
この地の怖い話としては、外国人の幽霊の話が取り上げられることが多い。
ウワサによると、かつて神社の前にアメリカ人の集落があったとか、B-29が墜落したときに社殿の下へ隠れたアメリカ兵のパイロットが迫害されたとか・・・。
また、戦前には二岡神社のすぐそばにアメリカ人の住宅街があったらしく、戦争の影響で次々に廃墟になったそうだ。
じつは私も過去には、二岡神社で不可解な体験をしている。
当時の出来事を少し話そう。
――2012年2月某日の深夜、私は友人とふたりで二岡神社に行った。
そこでは何も起きなかったが、帰りに神社の近くにある廃墟へと立ち寄った。
懐中電灯を持って建物を調べていると、「あぁぁ」という男性の低い声が聞こえたのだ。
「誰かが来たみたいだから懐中電灯を消して」と、私は友人に伝えようとした。
心霊現象かと思ったが、すでに友人は「誰かが来た」と思ったらしく、懐中電灯を消している。
他の人にも聞こえたなら人間の声だろう。
警察か地元の人かわからない声の主に怒られないよう、すぐにその場を立ち去った。
しかし。
帰り道に同行した友人に尋ねると、「楽しそうに話す男女の会話だった」という。
さて、私はmitecoの編集者として、およそ4年半ぶりに心霊スポット・二岡神社へ向かった。
鳥居周辺に怪奇現象の報告が多い二岡神社
二岡神社の心霊話の多くは、鳥居の近くで起こったと言われている。
鳥居の周りを見ると、草木が鬱そうと生い茂っていて昼間でも暗い。
私は鳥居をくぐって社殿へ向かうことにした。
神社の周りを囲う林を社叢(しゃそう)というが、二岡神社のそれは荘厳さを感じさせる。
二岡神社の社叢は、御殿場市指定文化財とされている。
樹齢数百年のスギの大木などが生える社叢は、「見事」の一言だ。
しかし、歴史の重みと静けさはかえって不気味で、心霊スポットと恐れられる理由も納得できる。
境内に足を運んでみよう。
社殿の周りは木々がなく、まぶしい。光が降り注ぐ社殿の姿は神々しさすら感じさせる。
社殿のすぐそばには灯籠があった。
灯籠の言い伝えが書かれた立札が傍にあるので見てみよう。
どうやらこの灯籠は1422年、大森道光という人物が二岡神社に寄付したものらしい。駿東地域では最古のものと書かれている。
また、立札によると、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)との縁もあるそうだ。
かつて心霊体験をした廃墟
ひとまず、二岡神社の散策が終わった。
次は、過去に私が心霊体験をした廃墟へと足を運んでみた。
地元民の方からは「どうやら別荘らしい」と言われたが、ここではあえて廃墟と呼びたい。
あらためて見ると、いかにも昭和期に作られた日本家屋といった感じで、特段の怖さはなかった。
ただし、長い間手入れをされていないようだ。
カーテンもかかっておらず、誰かが生活しているような雰囲気もない。
ただの空き家になっているのだろうか。
昔と比べてみると、かつては置かれていた白い自転車が撤去されている。
また、洗濯ばさみがついているロープもあったはずだが、これも捨てられてしまったようだ。
一体、いつ、誰が、なぜ、撤去したのだろうか・・・?
今回ご紹介したのは御殿場市の二岡神社。
今後も静岡のDeepな心霊スポット探訪を続けていきたい。
※本記事は地元民のウワサをまとめました。信ぴょう性その他について保証するものではありません。