静岡のDeepな心霊スポット【第9話】
旧天城トンネル(伊豆市・河津町)
静岡のみならず、全国の心霊マニアがこぞって最恐候補としてその名を挙げる「旧天城トンネル」。1904年(明治37年)に竣工されたこのトンネルは、国の重要文化財にも指定された伊豆の観光名所だ。多くの怪奇現象が報告されるこのスポットをご紹介したい。
旧天城トンネルにまつわる怖い話
有名な心霊芸人も旧天城トンネルの怪談を話していたことから、ここにまつわる怖い話をご存じの方もいるだろう。事実、ここに出るとされる幽霊の話は枚挙にいとまがない。
たとえば、「トンネルを抜けると自動車のボディに無数の手形が付いていた」「女の幽霊がトンネルの真ん中に立っていた」などがある。
さらに、「トンネル内で突然自動車がエンストした」「ステレオが急に止まった」「写真を撮ろうとするとピントが合わない」など、機械に悪影響を与える話も多数あるという。
幽霊のウワサはトンネル内部だけではない。「甲冑を身にまとった武士の幽霊が山の上を夜な夜な行進している」という話もあった。このように、旧天城トンネルには多くの怖い話が寄せられている。
旧天城トンネルの歴史
かつて、現在の伊豆市と河津町を往来する手段は厳しい天城峠を越えるか、海側を迂回するしかなかった。そこで、伊豆南北の交通網を整備するために着工されたのが旧天城トンネルだ。
旧天城トンネルの全長は約445m。現存する石造道路のトンネルでは日本最長である(2017年7月現在)。自動車の片側通行がやっとな道幅だが、大正時代にはバスが運行し人や物の往来も多かったらしい。
1970年、新天城トンネルが完成するとひっそりとその役目を終えた。しかし、今度は観光スポットとして脚光を浴びることになる。古くから川端康成『伊豆の踊子』や松本清張『天城越え』の作中に登場したほか、1998年に国の重要文化財に指定されたからだ。
国の重要文化財であるため、旧天城トンネルは観光用に整備されている。周辺は休憩所もあり、昼に訪れる分にはよいだろう。
旧天城トンネルに心霊現象の話が多い理由
日本最恐候補に名が挙がる旧天城トンネルの心霊現象について検証してみたい。
交通事故説
大正時代、トンネル付近で姉妹が交通事故に遭ったというウワサがある。ただし、「自動車自体が珍しい時代にクルマに轢かれることがあるか」との指摘も少なくはない。
武士の祟り説
旧天城トンネルを作るとき、傍にあった墓を壊してしまったとされる。これが武士の幽霊の怒りを買ったのではないかという説だ。
殺された女性説
暴漢に乱暴されたのち、トンネルで殺害されたという女性がいるという説だ。こちらも信ぴょう性は定かではない。ただし、男性2名、女性1名で肝試しに行くと心霊現象が起こるケースが多く、この説を支持する意見もあるという。
昼間・夜間で違う表情を持つ国の重要指定文化財
古くから交通の要衝であった静岡県内には、明治時代から開通したトンネルも多い。これらは、すべからく怖い話がセットになっている。
過去に当心霊スポットシリーズでご紹介した浜松市の「旧本坂トンネル」、別企画でご紹介した静岡市の「明治トンネル」など、歴史ある建造物は趣がある。その趣や時代の重さに対する畏怖の感情から、心霊現象のウワサがついて回ると考えるのが自然だろうか。
旧天城トンネルでの怖い話は夜のシーンがほとんどだ。昼間に訪れるのであれば問題ないが、ナイトハイクのときは自己責任でお願いしたい。
今回ご紹介したのは伊豆市の「旧天城トンネル」。
今後も静岡のDeepな心霊スポットを紹介していきたい。
※本記事は地元民のウワサをまとめました。信ぴょう性その他について保証するものではありません。