静岡のDeepな心霊スポット【第3話】
富士講の聖地、人穴浅間神社(富士宮市)

  • posted.2016/12/04
  • 安藤悟
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静岡のDeepな心霊スポット【第3話】 富士講の聖地、人穴浅間神社(富士宮市)

霊験あらたかなパワースポットであり、県内屈指の心霊スポット「人穴浅間神社(静岡県富士宮市)

世界遺産の一部「人穴富士講遺跡」に認定されるこの地は、古くから数多くの伝説を残している。

人穴浅間神社にまつわる怖い話

人穴浅間神社

人穴浅間神社は、さまざまな心霊現象が報告される心霊スポットだ。

たとえば、「鳥居を自動車でくぐると事故に遭う」「人穴洞窟は霊の巣窟だ」「行くだけで嫌な雰囲気がする」「真夜中なのに、人間くらいの大きさの光が見えた」など、人穴浅間神社にまつわる心霊現象は枚挙にいとまがない。

また境内の溶岩洞窟、「人穴洞窟」の怪奇現象は鎌倉時代から話題になっている。当時の歴史書である『吾妻鏡』によると、洞窟探検をした人間のうち、4人が不可解な死を遂げたという。

人穴浅間神社は、ただの心霊スポットではない。富士山のふもとに位置し、古くから浅間大菩薩の御在所と考えられている。富士山を信仰する富士講の講員(信者)にとっては聖地であり、パワースポットなのだ。

※浅間大菩薩:富士の根源の神様のこと。神道では「木花之佐久夜毘賣命(このはなのさくやひめのみこと)」と言う。

※富士講:江戸時代、関東を中心に流行した富士山を信仰する民衆信仰。

人穴浅間神社と人穴洞窟の歴史

社殿

人穴浅間神社の歴史は少し複雑だ。

かつては光きゅう寺(こうきゅうじ)大日堂があったが、1868年に神仏分離令が出され、寺が神社に変わった。移転を経たのち、社殿は2001年に建立されていまに至る。

人穴洞窟

人穴洞窟の歴史を見てみよう。

先述した『吾妻鏡』は鎌倉時代の歴史書なので、800年以上前になる。当時の記録によると、源頼家と仁田四郎が人穴洞窟を探検したらしい。

今日、人穴洞窟が今日パワースポットと呼ばれ、富士講講員から聖地とされる理由は16世紀にさかのぼる。

富士講の開祖である長谷川角行は、人穴洞窟で1,000日間におよぶ修行をしたらしい。数々の荒行の末、浅間大菩薩から呪符や曼荼羅を授かったそうだ。

とくに「フセギ」という呪符は、病気の治療に効力を発揮した。江戸で疫病が流行したとき、角行は呪符を使って多くの民衆を救ったという。

このような伝説もあって、角行が修行した人穴浅間神社および人穴洞窟は、富士講講員から聖地と呼ばれているのだ。

※長谷川角行(藤原角行):1541年生1646年没。富士講の開祖である修験者。

人穴浅間神社の階段と碑塔群

人穴浅間神社

人穴浅間神社への道のりは、山道の階段を登る必要がある。人によっては、階段を見ただけで違和感を覚えることもあるそうだ。

それだけ強力なパワースポットなのだろうか。

境内

境内に近づくと、墓石のようなものが見える。

碑塔

これは、富士講講員が建立した碑塔だ。その数は232基に上るらしい。

現在は、世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉-」の構成資産である。そのため、文化財保護のためにロープをくぐって近づくことは禁止されている。

碑塔の周りにも、「僧侶の頭のような不可解なモヤが写り込んでいた」など心霊現象のウワサがある。

立入禁止の人穴洞窟

人穴洞窟

2016年現在、安全面への配慮から立入禁止になっている人穴洞窟。かつては洞窟探検ができた。

実際に洞窟へ入った人によると、木製の歩道ができているらしい。また、浅間大神の石像を祀る祠(ほこら)もあるそうだ。

21世紀に入ってから久しいが、近年でも富士講講員は人穴洞窟で修行をすることがあったという。長谷川角行のように法力を得るのか、あるいは――。

 

今回ご紹介したのは富士宮市の人穴浅間神社。

今後も静岡のDeepな心霊スポット探訪を続けていきたい。

※本記事は地元民のウワサをまとめました。信ぴょう性その他について保証するものではありません。

まだまだある!静岡県内のDeepな心霊スポット

人穴浅間神社

住所:〒418-0102 静岡県富士宮市人穴206
電話番号:0544-22-1111(富士宮市役所/平日) 0544-52-1620(人穴富士講遺跡案内所/休日)
参拝時間:年中無休
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Writer安藤悟

1987年生まれ。静岡県静岡市出身、在住。株式会社エストリンクス代表取締役社長。中学時代の趣味は読書(筒井康隆、ビジネス新書)だった。10年以上ロックバンドでギターボーカルをしながら作詞作曲をする、“こじらせ系アラサー男子”。最近の趣味はダーツ。Twitter:@ando3106 Facebook:satoru.ando.986

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