日本最長のつり橋「三島スカイウォーク」
スタッフが教える3つのお楽しみポイント
こんにちは、編集部の山口です。みなさん、静岡県東部地区のレジャースポットといえばなにが思い浮かびますか?
静岡県内でも東部は温泉、海水浴場、世界遺産、さらには動物園や水族館もたくさんあるところ。全国を見渡しても屈指の観光エリアと呼べるかもしれません。
この時期は紅葉の見ごろを迎えている天城山などもあるので、もしかしたら、近いうちに伊豆半島や熱海を訪れようと計画を立てている方もいるのではないでしょうか。
そんななかでも今回ご紹介するのは、三島市にある「三島スカイウォーク」です。歴史を感じるレジャースポットがたくさんあるなかでは、2015年に開業したばかりの新しいスポット! まだ行ったことがないという方はこの記事を読んでぜひ、足を運んでみてください。
開業から1年足らずで100万人の入場者数を達成した注目の観光スポット
三島スカイウォークは、2015年の12月に開業した三島市と箱根を結ぶ国道1号線沿いの新たな観光スポット。県境ということもあり、静岡県内外から観光客が多く訪れ、とくに首都圏からは大人気なんです。
さらに、今年(2016年)の9月には入場者数100万人を突破! 開業から1年足らずでの達成は注目度の高さをうかがわせます。
昼間は、天気がよければ富士山を眺められ、施設内に設けられたお店や露店では、地元の特産品やB級グルメを堪能することも可能。三島観光には欠かせない場所となりつつあります。
miteco編集部でもいま注目の観光スポットとして、吉松編集長とふたりで訪れることに。ふたりとも三島スカイウォークに訪れるのははじめてです。その眺望がすごいという話はかねがねだっただけに、行く前から楽しみにしていました。
三島スカイウォークへの道のりと広がる景観
10月の某日、オフィスのある静岡市から三島市へと車を走らせます。
この日は快晴。じつはこの前後は「いつ晴れるんだ・・・」というくらい、台風やら前線やらでなかなか晴れ間がのぞきませんでした。快晴日数が自慢の静岡ではなかなか珍しいことですが、天気のことですから仕方ありません。でも、この日は奇跡的に晴れたということで、意気揚々です。
東名高速で沼津まで向かい、そこからは伊豆縦貫自動車道に入り、1号線とぶつかったところで左折。箱根方面へと走っていけば、到着までおよそ1時間ちょっとでした。
山口 | あ、ついた。 |
吉松 | 思ったよりも近かったですね。 |
駐車場は広々とした空間で、これならば混雑時にも余裕がありそう。カメラを持ち出し、いざ絶景スポットへ!
ちなみに駐車場の目の前には、お土産物屋さんやカフェ、飲食店が入っていて食事も休憩もOKです! ここだけでしか食べられなようなグルメも満載で、橋を渡る前や後にはぜひ立ち寄っておきたいところ。
スカイウォークの前には撮影用のブースも。記念に僕も富士山をバックに撮影しました。
スカイウォークのスタッフさんが語る見どころとお楽しみポイント
さて、ここからは三島スカイウォークの運営に携わっている株式会社フジコーの宮下さんに、見どころや楽しみ方について伺ってみます。
取材は実際に三島スカイウォークを歩きながら!
山口 | 本日はどうぞよろしくお願いします! |
宮下さん | いえいえ、こちらこそ。 |
お楽しみポイント① 日本一長い「つり橋」
展望台からは端から端までバッチリ見えます! もちろん富士山もこのとおり。
山口 | さっそくですが、三島スカイウォークにはたくさんの見どころがあるなかで、一番のポイントはどこでしょうか? |
宮下さん | まずはこの橋が日本一の長さがある「つり橋」だということ。そして、観光用として作られたつり橋というのも大きなポイントですね。 |
山口 | 日本一の長さというのは本当にすごいですよね。 |
宮下さん | そうですね。スカイウォークができるまでは、日本一の長さが390mだったのでそれを10mですが更新しました。 |
山口 | しかも眺望もすごい。観光用に作られたとのことですが、展望台が随所に設置されていることもあって撮影にもうってつけですね。 |
宮下さん | そうですね。もちろん、橋を渡りながらも絶景が楽しめるように作っていますが、展望台からは橋を含めて景色が見られるのもポイントです。
今日みたいに天気がよければ富士山も南側の駿河湾の景色も楽しめるんですよ。 |
山口 | まさに。これだけでも訪れる価値は十分です。 |
ただ橋をわたるだけでは味気ないと感じるかもしれませんが、富士山を眺めながらまるで空中散歩のように山の上を歩いている、という体験はなかなかできませんよね。スカイウォークを歩くだけでもじつはすっごく楽しいんです。
お楽しみポイント② 巨大なアンカレイジ
橋を渡り終えた正面には巨大な構造物が。橋から伸びたワイヤーを受け止めている装置のようですが、あまり見かけたことがありません。
山口 | あれは・・・。 |
宮下さん | あちらはアンカレイジですね。スカイウォークのワイヤーをあそこにつなげてつり橋を支える構造物です。橋の両端に設けられていますが、こちらは展望台も兼ねているため正面に配置しています。 |
山口 | これだけ巨大なつり橋だと支える重量も大変なことになりそうですね。 |
宮下さん | そうですね。日本一長いということはそれだけ重い、ということなので。じつはこのアンカレイジの下には直径1.8mの穴を12個空けまして、そこに深さ約20mの鉄筋コンクリートを流し込んで固めています。
マンションで何棟か入ってしまうようなコンクリートの量なんですよ。 |
吉松 | え!? マンション・・・!? じゃないと支えられない、ということですね。 |
宮下さん | そうですね。ただ、そんな巨大な穴を何個も掘るというのもじつは大変な作業で、見たこともない巨大な掘削機を使いました(笑) で、その上にコンクリートでさらに覆ってアンカレイジにしているんです。 |
山口 | そりゃ・・・。なんというか文字通りスケールが違いますね。 |
宮下さん | そうですね(笑) ちなみに、つり橋であればどんなものでもこのアンカーが付くものなんですけれども、こうやって見える形にしていることもすごく珍しいものなんですね。 |
山口 | たしかに。ほかのところだと見えない場所にあったり、柵で囲って入れないようにしていたりしますよね。 |
宮下さん | つり橋を支えるものですから、なにかいたずらでもされてしまったら大変ですからね。でも、ここでは展望台として登ることができるのも見どころのひとつですね。 |
アンカーからはスカイウォークを正面から眺められます
お楽しみポイント③ 橋から投げて環境保全をサポートする「flower drop」
橋を渡った先、右手にある展望台のひとつでは木製のチャームを販売しています。じつはこのチャーム、木製の記念品というわけではないんです。
宮下さん | おふたりともこちらをひとつずつ持ってください。 |
山口 | 記念品・・・ですかね? |
宮下さん | いえ、こちらは橋から戻るときに橋から投げてもらうものなんです。このチャームのなかには植物の種が入ってまして。それで地面に落ちると花が咲くかも・・・という試みをしているんです。
観光スポットを作るとやっぱり開発にはなってしまうんですが、地域や地元の自然を大切にしたいという思いと、ただ橋を渡るだけでなくて何かしらのアクションができればということで始めました。 |
吉松 | なるほど! 面白いですね。 |
せっかくなので展望台で富士山をバックに宮下さんに撮影していただきました。
ちなみにこの展望台に上るとき、左手には作業をする人たちが何かの準備を進めていました。宮下さんによると、これはアジサイを植える準備をしているのだとか。
なんでも、アジサイは伊豆発祥の植物でこの地域の土壌には育ちやすいのではないか、ということで始めたもので、ここスカイウォークだけの新種を作る試みをしているみたいですよ。
さて、こうして宮下さんに聞けば聞くほど、いろいろなストーリーや裏話が出てくるスカイウォーク。新しい三島、静岡の観光スポットを作るための構想や情熱はすさまじいものがありました。そして、それはアジサイのように、これからもどんどん進化していく予定です。
でも、いち民間企業さんがどうしてそこまでして、地域の観光や自然を考えた事業を展開しているのでしょう。再度、三島スカイウォークを渡りながらこの日本一長く、そしてユニークな試みが満載のつり橋ができたきっかけや背景をお伺いすることに。
じつは、三島スカイウォークは多くの人や企業の想いが詰まったつり橋だったんです。
後編に続く。