若返りの温泉でつるつるスベスベ「せっその湯」
山里にたたずむ素朴な温泉地「接阻峡温泉」へ

  • posted.2017/12/04
  • Takashi
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若返りの温泉でつるつるスベスベ「せっその湯」 山里にたたずむ素朴な温泉地「接阻峡温泉」へ

筆者、とびっきりの秘湯があるとウワサの南アルプス麓、日帰り温泉施設へやってきました。

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秘境という言葉がぴったりとあてはまる静かな山中にあり、ここを知る人はそう多くないかもしれません。周辺は長島ダムを控えて、22世帯の限界集落にある奥大井の温泉地・接岨峡温泉。そのなかに「接岨峡温泉会館(町営の日帰り温泉施設)」があります。

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大井川鐵道井川線接岨峡温泉駅に入ってくるトロッコ列車。

mitecoにおいて大井川鐵道沿線の情報をお伝えしている私ですが、「若返りの湯」と呼ばれるこの温泉を川根本町役場の方から大プッシュされたため、どんなものかと足を運びました。

大井川鐵道井川線を接岨峡温泉駅で降りて徒歩9分。わずか22世帯の集落と日帰り温泉、資料館のほかに民宿が3軒あります。

接阻峡温泉会館はぬめりの強い重炭酸ナトリウム泉の秘湯

町営接岨峡温泉会館(せっその湯)の現場(受付、食堂など)は、おもに地域に住む方たちによって運営されています。なお、実際の運営は(株)ビルネットによって営まれているそう。

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接岨峡温泉会館の従業員。

sesso_face_02村松 このあたりまで来ると、本当に静かですね。館内の設えもレトロでまさに秘湯という風情ですが、普段はやはり地元客が中心ですか?
sesso_face_01接阻峡温泉会館 当館では浴室がお客さまでいっぱいになるということは、滅多にありません。奥大井は紅葉が有名なので、秋にはたまに定員オーバーになることもありますが……。

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館内には食堂もあり、地元で採れる山の幸を使った手作り料理を楽しめる。

男風呂も女風呂も10名を超えると、入湯するには狭く厳しい状況になる内湯。私が知っている温泉施設のなかでも極めてこじんまりとしています。うーむ、まさしくレトロ湯

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接岨峡温泉の泉質は重炭酸ナトリウム泉。館内の資料によれば、胃腸疾患や神経痛に効能があるといわれているそうです。

sesso_face_01接阻峡温泉会館 まあ、まずはぜひ浸かってみてください。実際に湯に浸からないことには、この湯のことはわかりませんので。

……というわけで、貸切状態でひとり入浴となりました。

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こんな山奥の秘湯で静寂を楽しみながらの入浴……。市街地周辺にある大規模な温泉施設に慣れている人からすれば、新鮮な感覚だと思います。

sesso_face_02村松 (こりゃ気持ちいーや……。運よく空いているときにくれば貸し切り状態だし、しかも入浴料たったの400円なんて。街中には絶対ないな。おかげさまで長風呂になってしまった。)

湯に浸かってみて驚いたのは“ぬめり”の強さ。なんでも温泉でぬめりを感じるのは、皮膚の角質が溶けていることで起きるといわれています。つまり肌がきれいになるということ。

世の中には「美肌の湯」とか美人湯などと銘打つ温泉地がいくつもありますが、泉質は違えど、おそらく同様の理由でそう呼ばれているのだと思います。静岡県でいえば同じく奥大井、寸又峡温泉がまさにそれ。

若返りの湯の由来は、そのことだったのですね。湯からあがったあともしばらく体ぽかぽか。大変いい湯でした。

散策後の訪問がオススメ!

先述したように、大井川上流に位置するこの界隈は奥大井と呼ばれ、雄大な山々と深い渓谷に囲まれています。接岨峡温泉への訪問はぜひあたりを散策して、ココにしかない景色や雰囲気を満喫してからにしましょう。

たとえば、mitecoでも再三取り上げている「奥大井湖上駅」。

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接岨峡温泉駅の隣駅になります。ココで井川線を降りて、徒歩で接岨峡温泉会館へ向かうのもいいですね。

sesso_face_01接阻峡温泉会館 この近くには「八橋小道」といって、八つの吊り橋がある散策路もあります。紅葉シーズンなどはとくにオススメですね。

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sesso_face_01接阻峡温泉会館 また、この八橋を見守るように鎮座している若宮神社、こだま石神社という社があって、それぞれ男の神、女の神とされています。そのことから、八橋小道がいつしか「ラブロマンスロード」と呼ばれるようになりました。両方の社をお参りすると、願いが叶うといわれています。

この取材の日は残念なことに突然の大雨に襲われ、泣く泣く散策を断念しましたが、これはmiteco登山連載でも紹介できそうな耳寄り情報……。

長さ日本一の階段式吊橋もあるとのことで、とても行ってみたくなりました(宝クジ高額当選くらいの願いしか思い浮かばないのですが)。

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接岨峡温泉会館で腹ごしらえも忘れずに。ランチセット900円。

接岨峡温泉会館内には、営業時間内であれば好きなだけ寛げる座敷スペースもあります。

温泉の隣にある食堂では、地元の山菜を利用した天ぷらそば・天ぷらうどんなどの麺類や味付けご飯とのランチセットまで用意しているとのことです。

奥大井の大自然をたっぷり満喫し、心身ともにリフレッシュできる接岨峡。街では味わえない秘境の空気にふれてみてください。

※入浴客のみ利用可。

接阻峡温泉へ浸かる前に寄りたいスポット

接阻峡温泉会館(せっその湯)

住所:〒428-0401 静岡県榛原郡川根本町梅地175-1
電話番号:0547-59-3764
営業時間:10:00〜20:00(食堂は11:00〜14:30)
定休日:木曜日
アクセス:大井川鐵道井川線接岨峡温泉駅より徒歩9分(公共交通機関)