浜松でパフェといえば「ざぼん」でしょ!
みんなの駆け込み寺の秘密に迫る
こんにちは、ライターの馬場です。
「おなかいっぱい食べたいけれど、お財布がさみしい」
「どのお店も閉まっているような時間帯なのに、おなかがすいてしまった」
「もう、いや! というほど甘いものを食べたい」
そんなとき真っ先に頭に浮かぶような、困ったときの駆け込み寺的存在のお店。みなさんにはあるでしょうか。
わたしのいちばんの駆け込み寺は、カフェレストラン「ざぼん」さんです。
ざぼんって?
浜松市中区森田町にあるざぼんは、昭和56年にオープンした、当時では珍しかった24時間営業の喫茶店。
冷凍食品などを使わない手作りにこだわったメニューと、昔から変わらないレトロな外観、内装でたくさんの市民に愛されています。
そんなざぼんさんのHPを開いてみると、とある言葉が目に飛びこんできました。
「ざぼんは浜松一番のお店を目指しています」
わたしにとってはぶっちぎりのナンバーワンである、ざぼんさんが目指し続ける「一番」ってなんなのだろう・・・。
ざぼんが掲げる4つの「浜松一番」
そんな疑問を店長の中村さんに伺ってみると、4つの一番を目指していることがわかりました。
①メニューの豊富さ
ざぼん店長の中村恵子さん。
馬場 |
こんにちは、本日はよろしくお願いいたします。さっそくなのですが、ざぼんさんのHPにある「浜松一番のお店を目指しています」って、いったいなんの一番ですか? |
中村 |
まずは、メニューの豊富さですかね。 |
馬場 |
確か250種類以上あるんですよね・・・。毎回メニューを決めるのに迷います。 |
中村 |
そうそう。お客さんの望むものや、わたしの食べたいものを作っていたらどんどん増えていって、この数になっちゃいました。一時はオーナーに「多すぎるんじゃないか」って止められたこともあります(笑) |
馬場 |
それで、メニューは減ったんですか? |
中村 |
そうですね、何点かは。でも「これを好きなお客さんもいるしなあ」って考えると、できないものも多くて。 |
②手作りにこだわる
馬場 |
でもそれだけのメニューがあって、作るのは大変じゃないですか。 |
中村 |
うーん。ふたつめの「一番」を目指しているものに、手作りにこだわる、というのがあって。わたしもランチなんかを作ったりするんですけど、そういうものには季節のものを入れてみたり。
ほとんどのメニューがソースから手作りなので、それだけは自信・・・自信でもないですけど。
ほかには負けないかなあと思っています。なので、メニューはたくさんあっても、大変だからと冷凍食品なんかは使わずに。こう見えて、意外とまじめに作っているんです(笑) |
馬場 |
すごいです、愛されるお店にはちゃんとワケがありますねえ。 |
③ダイナミックなパフェ
中村 |
あとは、やっぱりパフェですね。 |
馬場 |
あーーパフェ。有名ですよね、ざぼんさんのパフェ。中村さんの思う、ほかのお店とはここが違うぞ!ってポイントとかありますか。 |
壁に貼られたポスターには、色とりどりのパフェがたくさん。
中村 |
ダイナミック!(笑) |
馬場 |
!(笑) |
中村 |
見た目のインパクトは、見てもらえればわかると思います(笑)あとはいま、ざぼんのパフェはぜんぶで33種類あるんですけど。そのどれもがオリジナルで、それぞれ中に入っているものも違っているんです。
たとえば、ゼリーだったりソースだったり、ガトーショコラなんかもうちで焼いていて。あくまで手作りっていうのも、こだわりですね。一番を目指しているのはこの3点ですかね、料理でいえば。 |
④安心できる空間作り
馬場 |
料理でいえば・・・ということは、まだあるんですね。 |
中村 |
はい。お客さまの安心できる場所づくりっていうのが最後のひとつ。うちは個々それぞれのスタッフが、みんなここに務めて長いんです。短い人で5~6年。コックもみんな10年以上。
だからこそ、いつ来ていただいても安定したサービスを提供できるという点で、お客さんに安心してもらえる環境っていうのに近づけられているんじゃないかなと思っています。ころころ変わるよりも、そのほうがいいでしょう。 |
馬場 |
確かに、来るたびに「いつもの店員さんだ!」って思います。そう考えると、通えば通うほど安心できる場所になっていくというか。 |
中村 |
そうですねえ、朝にいらっしゃるお客さんなんて、8割は常に来てくださる方ですし、親子何代でいらっしゃってる方もいます。オープン当初、高校生のころからよく来てくださるような方も。もう35年も経てばおじさんになっちゃってるんですけど(笑) |
馬場 |
世代を超えて愛されているんですね。 |
中村 |
ほかにもお客さんにとってわからない味がないように、というのも考えていますよ。メニューの名前ばっかりおしゃれでも、どきどきしちゃうでしょう。
それはそれで楽しいけれど、うちでは冒険こそできないけど安心できる、どこか慣れたような気持ちになれるメニュー作りを心がけています。
そういうことも含めての安心感ですね。たとえば真夜中でもここに来れば明かりがついてる。いつでも行けて、ごはんが食べられて、ほっとできるような場所であれたらと思います。 |
インタビューのあと、ダイナミックなパフェ食べてみた
ざぼんさんの目指す「一番」についてよくわかったところで、中村さんおすすめだという「ストロベリーショコラパフェ」を食べてみました。
でっっっっっかい。
わたしの顔を比べるとこうです。顔がぱんぱんすぎて、比較対象としては最悪なことは見逃してください。
器からこぼれそうなほどのたっぷりのクリームと、ひんやりと甘いチョコといちごの2種類のアイスクリーム。甘酸っぱいいちごと一緒にすくって食べると、最高です。
途中からコーンやバナナ、ごろごろと果肉の入ったいちごソースが出てくるので、普段はあまり甘いものを食べないわたしでも、最後まで飽きずにいただくことができました。
この顔よりも大きなパフェに、ホットコーヒーをつけても1,200円程度。通常のごはんメニューも、ボリュームたっぷりなのに1,000円でおつりがくるものが多いので、お財布に優しくてとってもすてきです。
が、中村さんのおっしゃった通り、パフェはかなりダイナミックなボリュームですので、ふたり以上で食べることをおすすめします!
「こんなときに行けたらな」を叶えてくれるお店
お店の外には季節に合わせたお花が咲いていて、購入も可能だそうです。
インタビューを終えてみてあらためて感じたのは、やっぱりざぼんさんはわたしにとってナンバーワンのお店だということ。
なにもしたくない休日の朝ごはんも、友だちとのランチも、学校の課題やお仕事に疲れて夕飯を作る気になれないときも、ここさえあれば!という安心感のある、頼もしいお店。
それには、オープンから35年経ったいまでも「一番です」とは言い切らず、ずっと「目指し続けている」というざぼんさんの変わらぬ向上心があってこそだと、今回の取材で知ることができました。
きっとみなさんの「こんなときにいいごはん屋さんがあったら」という想いも、叶えてくれる存在になるはずです。