大学新3年生、エンドウゲンポウが送る!
しずおか必勝デート法 ~KAGIYAビル編~
こんにちは、マサトです。
先日、ゲンポウからいきなり呼び出しのラインが届きました。
すでになんか嫌な感じしかしませんが、とりあえず指定された場所、浜松市中区の「KAGIYAビル」に来ています。しかし指定してきた時間になっても、ゲンポウの姿が見えません・・・。イライラ。
KAGIYAビル
浜松市中区田町にあるクリエイタービル。築50年以上の建築をリノベーションして誕生。地下1階から地上4階までのスペースに、クリエイティブなお店が多数入居している。いわば、浜松カルチャーの発信地。
――指定時間から5分後。
ゲンポウ |
おう、お待たせー! |
マサト |
遅いよ。というか、今日はなんの用なの? |
ゲンポウ |
マサトくんって、いっつも僕と遊んでくれるでしょ? ってことは友達少ないよね? 彼女もいないでしょ? |
マサト |
なにその、横暴な推測。そんなこと・・・ないし・・・。 |
ゲンポウ |
僕は!! 真人くんの今後を真剣に!! 心配している!!! |
マサト |
急にビックリさせないで、外だから大きな声を出すのやめて? |
ゲンポウ |
このままくすんでいくマサトを見ているだけなんて、僕には耐えられない! |
マサト |
やめてよ・・・。 |
ゲンポウ |
そこでマサトくんが今後もし、気になる乙女ができて、デートをするってなったときに備えて。乙女のタイプ別に必勝のデートスポットを、ここKAGIYAビルから授けたいと思います!! |
マサト |
余計なお世話がすぎるんだけど。あと、ゲンポウもたいして僕と経験値変わらないでしょ? |
ゲンポウ |
フッ・・・。甘く見てもらっては困ります。僕は常日頃から「脳内シュミレーション」という特別訓練を積んでるので。 |
マサト |
なにそれ?? |
ゲンポウ |
頭の中で、女性像やシチュエーションをイメージして、実際に付き合っているような感覚を引き出すことです。 |
マサト |
ヤバイ、ヤバすぎるよそれ。ただの妄想じゃん。 |
ゲンポウ |
つべこべ言わない! とりあえず行くよ!! |
パターン1:常にオリジナリティを求める系女子(小松〇菜似)とデートする場合
――KAGIYAビル1階 103「SHHH」
ゲンポウ |
こんにちは~。 |
??? |
いらっしゃいませ~。 |
出迎えてくれたのは店長の富田嗣人さん。
マサト |
ここは・・・セレクトショップですか? |
富田 |
普通のセレクトショップとはちょっと違うんですよ、国内のブランドだけじゃなく、古着やリメイクしたものなども置いてます。あと、お店の雰囲気もこだわっていますね。 |
ゲンポウ |
たとえば、どんなところにこだわっているんですか? |
富田 |
外から見てもらうと分かるんですが、お店の看板を出してないんです。 |
マサト |
あ、言われてみれば・・・。でも、どうしてそんなことを? |
富田 |
うちのお店って看板もないし、ドアも締まってるので少し入りづらいんですよ(笑) |
マサト |
確かに入るとき、少し勇気いりました(笑) |
富田 |
そう、そこを越えてきてくれる人を大事にしたいなと思ってるんです。 |
ゲンポウ |
というと? |
富田 |
入りづらさを越えてきてくれる人って少なからずどこかおかしいと思うんです。そういう人って一人ひとりこだわりや、「自分」を持ってる人が多いんです。そんな人が集まるような空間にしたいなってのはありますね。 |
マサト |
なるほど~。 |
富田 |
このビルも、面白い人が多いんですよ。ぜひ回ってみてください。 |
ゲンポウひと言:自分だけのスタイルを見つけられるSHHH。だからこそ常にオリジナリティを求める系女子にはピッタリです。マサトくんもShe(あのコ)との恋をコーディネートできるはず・・・!
パターン2:読書好きで落ち着いた雰囲気のあの子(橋〇愛似)の場合
――KAGIYAビル1階 101「さくらんぼ」
(カランカラン)
??? |
あら、いらっしゃい。 |
ゲンポウ |
こんにちは~。ふたりいいですか? |
??? |
好きなとこ座って~。 |
さくらんぼの店主さん。通称「おばあ」がお出迎え。
とりあえずブレンドコーヒーを注文。さくらんぼのコーヒーはサイフォン式、カウンターに座ると目の前でコーヒーを淹れる様子を見ることができます。
これがさくらんぼブレンドコーヒー。酸味のある風味で、すっきりして飲みやすいです。
マサト |
(ゴクッ)おいしい! |
ゲンポウ |
よかった~。マサトくんお腹はすいてる? |
マサト |
うん、そろそろお昼ご飯食べたいかな。 |
ゲンポウ |
なら、ここのオムライスをぜひ食べてほしい! |
マサト |
じゃあそれください! |
おばあ |
オムライスね~。ちょっと待ってて~。 |
オムライスを待ってるあいだ、店内を見渡すとレトロ感が溢れるインテリアが。
味のあるメニュー表。「オレンヂジュース」や「ソーダー水」に時代を感じます。
カウンターの奥の棚も趣深いです。
いまでは珍しいピンク電話やライトで空間を演出してくれてます。
そうこうしてると、待望のオムライスが。
おばあ |
お待たせ~。 |
マサト |
おいしそう! |
ゲンポウ |
食べてみて! |
マサト |
いただきます。 |
マサト |
うま~~~~~! |
マサトくんもこの表情です。僕の中の橋〇愛もこのオムライスを食べたとき、すごく幸せな表情を見せてくれました。
マサト |
ご馳走さまでした~! おいしかったです! |
おばあ |
ならよかった。お家で作ったのみたいだったでしょう? |
マサト |
確かにどこか懐かしい味がしました! お店の雰囲気も落ち着いていて、まるで家にいるみたいです。 |
ゲンポウ |
こうやって会話できるのもいいよね。 |
おばあ |
そうね。いま、カウンターがある喫茶店って少なくなったでしょう。40年前はもっとあったんだけどねえ。 |
マサト |
このお店って40年も続いてるんですか!? |
おばあ |
そうよ。いろんな人が来てくれて、気付いたらこんなに経ってたわね(笑) |
ゲンポウ |
僕の倍の年齢ださくらんぼ(笑) |
マサト |
みんなに愛され続けているんですね~。 |
ゲンポウひと言:喫茶店さくらんぼなら、落ち着いたあの子とも時間を忘れてゆったり過ごせそう。話に困ったら店主のおばあと一緒に語らうのも◎。この愛にあふれるお店に来れば、マサトくんの意中のあの人(?)との愛も芽生えるかも・・・?
パターン3:雑貨やアンティーク小物好きのサブカル系女子(二階堂〇み似)
――KAGIYAビル3階 303「Antico(アンティコ)」
KAGIYAビルの3階、少し奥まったところから異国の雰囲気が漂っています。
??? |
いらっしゃいませー。 |
迎えてくれたのは、Antico店主のダニエレ・べビビノ(Daniele Bevivino)さん。店内を見渡すと時計や食器、カメラなどさまざまな雑貨が並んでいます。
マサト |
うお~、すっごい洒落てるなあ。 |
ゲンポウ |
ここにある商品って基本ヨーロッパのものなんですよね? |
ベビビノ |
そうですね、半年に1回くらい実際にイタリアに行って買い付けてきます。 |
ゲンポウ |
イタリアで買い付けしていたんですか。すごいなあ。 |
マサト |
なかにはすごく古そうなものもあるんですけど、だいたい何年前ぐらいの物なんですか? |
ベビビノ |
物によってバラバラですね。1960年代のヨーロッパのキーホルダーから100年前の蓄音機、約200年前の指輪なども置いてます。 |
ゲンポウ |
200年前!? そんなに古い物もあるんですね・・・。 |
マサト |
その、100年前の蓄音機とかってまだ使えるんですか? |
ベビビノ |
使えますよ。ここをこうやってこうして・・・。 |
100年前の本物の蓄音機、実際に使い方を教えてくれました。
ベビビノ |
ほかにも、昔のフィルムカメラとかもありますよ。 |
マサト |
え! ぜひ見せてほしいです! |
実際使用できるフィルムカメラを前に、カメラ好きのマサトくんは興味津々。
マサト |
いやー、すごく面白いな。こんなにいいお店があるなんて知らなかった。 |
ベビビノ |
ビルの三階にあるから、気付かない人が多いですね。 |
ゲンポウ |
なぜここでやろうと思ったんですか? |
ベビビノ |
浜松って、車社会じゃないですか。だけど、街中にあるこのKAGIYAビルは面白い場所なので、それがもっと広まって浜松の駅周辺でも買い物してもらえたら嬉しいなって。あとやっぱりこのビルはデザイナーの事務所に、「BOOKS&PRINTS」や「Newshop」さんなど、面白い人が集まってるんですよね。そこが魅力です。 |
マサト |
面白い人が多い・・・。確かに、どこも個性的でビル全体の雰囲気が楽しかったなあ。 |
ゲンポウ |
壁の案内表示とかも個性的だよね。ありがとうございました! |
ゲンポウひと言:Anticoで雑貨に囲まれると、気分はまるで100年前のヨーロッパに小旅行。サブカル女子とのデートでは「こんなところ知っていたの!?」とマサトくんの株が上がること間違いなし。
ウォールアートも個性的です。
ゲンポウ |
いかがでしょうか? |
マサト |
デートとか妄想の下りとかは別として、KAGIYAビルがすごい好きになったね。 |
ゲンポウ |
まだほんの一部しか紹介出来てないので、来週また行きますよ? |
マサト |
あ、ごめん。来週は映画デートの予定あるから無理。 |
…
……
………
ゲンポウ |
・・・ではまた。 |