抹茶スタンド「CHA10」で出会う新感覚
静岡街中の新抹茶ドリンク&スイーツ
桜が散り牡丹もおちて、初夏はもうすぐそこです。
街中の移動は徒歩が多くなるもの。ふらっと歩いているうちにのどが渇いて、いまごろはとくに「ヒンヤリとしたなにか」が欲しくなりますよね。
自販機、コンビニ、カフェ、そしてあなたの選択肢をもうひとつ増やすご提案。
静岡市街中の”抹茶スタンド”、「CHA10(チャトウ)」はいかがでしょう。
CHA10のあらまし
新静岡駅鷹匠口から1分。100mも歩かずして、ひときわ鮮烈な青が目に入ります。
2017年秋にオープンしたCHA10は、老舗製茶問屋・カクニ茶藤が運営する抹茶スタンド。20年以上にわたる海外への輸出経験を活かし、新しい抹茶ドリンクの楽しみ方を提案すべく誕生しました。
メニューに用いている抹茶は、静岡産の有機栽培品のみ。急須で淹れる「煎茶」とは異なり、抹茶は粉末状のお茶っぱそのものを溶くため、すべてがからだの中に運ばれます。このことから、徹底的にオーガニックにこだわっているそう。
茶の湯文化をカジュアルに
写真提供:CHA10
写真提供:CHA10
店内はカウンター席のみで、椅子は全部で12ほど。ひとりでも、誰かとも立ち寄りやすいです。あたたかい日は大きな窓が開放され、風にあたりながら抹茶をいただけますよ。
メニューは店内へ入って右側上部。プロジェクターから壁へ映し出されています。
写真では見づらいですが、豆乳ベイクドケーキをのぞくその他メニューはほぼワンコインです。
本格抹茶と聞くと、お着物着て正座しておちゃわんクルクル「結構なオテマエで~」ってなイメージですが(わたしは)、CHA10のそれはグッとカジュアル。
作法も値段もひとまずとっぱらって、なんだかド〇ールコーヒーくらいの気軽さです。
「初体験」な抹茶ドリンク&スイーツ
店員さんに春夏のおすすめを聞いてみたところ、「ヒンヤリ」なふた品を出していただきました。
まずは「NITRO(ナイトロ)抹茶」。
その名のとおり、このドリンク最大の特徴は「窒素ガス(NITROGEN)」にあります。
グラスへそそぐ前、業界でも珍しい専用注入器を使って抹茶と窒素をシェイク。そうすることで生まれるクリーミーな泡が、口当たりをまろやかにします。
グラスを口へ運んだ瞬間、微細な気泡がすべり込んできて、ほんのり甘い。
甜菜糖のシロップを加えているため、抹茶の苦味が得意でない方も飲めてしまいそう。第一印象の媚びない甘さから、じわじわとビターな深みへ転じます。
冷たい抹茶でこの濃ゆさ、はじめての味わいです。舌のうえから鼻の先まで、ふくよかな香りと味の残ること残ること。完全に「自分へのごほうび」の味がしました。
というかシャンパングラスでお抹茶いただいたことあります? わたしはありません!
NITRO抹茶との衝撃の出会いのあとは、優しいスイーツを。1日数量限定、見た目にかわいい「抹茶ジャーケーキ」です。
上から豆乳アイス、抹茶ソース、豆乳カスタード、あんこ、抹茶スポンジが重なっています。スタッフさんいわく、「5層いっしょに食べて欲しい」とのこと。ふわふわ、トロトロ、つぶつぶ、ヒヤッと食感も楽しいひと品です。
卵・牛乳不使用、上品でくどさのない甘みが疲れた脳に染みわたります。スイーツが苦手なわたしでも、「ぺろりん!」と食べられました。
なにより、NITRO抹茶との相性のよさよ。「お茶の苦味をアイスでやわらげる」「ケーキがくどくなったから飲み物ですすぐ」という意味ではなく、ふたつを交互にいただくことで口内の抹茶の濃度がつねに変化し続ける印象です。
そもそもの抹茶好きにはもちろん、抹茶初心者までをも引きずり込む、ふか~い沼のようなポテンシャルを感じました。
人気ドリンクのひとつ「抹茶ラテ」 写真提供:CHA10
「スタンド」なので、もちろんテイクアウトもあります。
学校で受けた「茶道体験授業」以来の抹茶は、思いもよらない形となって、あのときよりずっと魅力的な姿でわたしのそばに。「最後はすするのが作法なんだっけ」と記憶をたどりつつ、春の生ぬるうい空気のなかで、しゃんとする味がしました。
初夏のお散歩ついでに立ち寄りたいCHA10、あなたの選択肢になれたでしょうか。
金・土曜日のみ、22時まで営業しています。 写真提供:CHA10