【世界初!?】リンクアイドルってなんだ?
3776#4ライブレポート・公開実験編
「結局、『3776#4(シーズンフォー)=リンクアイドル』はどうして誕生したの? そもそも、リンクアイドルってなに?」というハイカー(3776ファンの総称)のみなさん。プロデューサー石田さんの意図や想いを知りたいですよね?
知りたいですよね??
こんにちは、編集部の安藤です。
5月某日、5月6日におこなわれた富士川楽座での公開実験ライブの写真(ハイカーのみなさんによる提供)を見ながら、富士山ご当地アイドルの新たな姿を石田さんに伺いました。
富士川楽座の公開実験について
「公開実験」と題された3776のライブは、10時、12時の2回に分けておこなわれました。私が見たのは12時からのライブです。
簡単にいえば、リンクアイドルはこんなことをしています。
3776#4のメンバー構成
井出ちよの(静岡担当。以下、ちよの)
写真提供:ともやさん
広瀬愛菜(山梨担当。以下、あいな)
写真提供:aniotaさん
リンクアイドルの内容
・ちよのさんとあいなさんは別々のステージで、異なるアレンジ、メロディ、歌詞の曲を同時に歌う
・異なるアレンジ、メロディ、歌詞の曲は、同じタイトルの曲である
・2つのステージの中間で2人が歌っている曲を同時に聴くと、1つの曲に聴こえる
セットリスト
1.私のものです!
MC
2.もうちょっとおやすみ
MC
3.桃としらすの歌
MC
4.見えない
ところで、静岡担当のちよのさんが3曲目の『桃としらすの歌』を歌ったあと、「歌詞は生しらすだけど、私は生じらすと呼んでいる」と話していました。ちよのさんが言うまで意識していなかったのですが、静岡では「生じらす」と、「し」に濁点がつくのは自然です。
気になったのでTwitterアカウントでアンケートを取ってみたところ、意外な結果が明らかになりました。
5/10~5/11に公式Twitterアカウントにて調査。投票にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
miteco読者のあいだでさえ、「生じらす」は少数派のようです。とくに同じ静岡県内でも、西部地方では「生しらす」というケースもあると言います。これは驚き。
・・・そんなご当地情報はさておき、ここからはふたりのライブ写真とともに石田さんに#4のアレコレを答えてもらいましょう。
#4が始まった経緯
写真提供:五つ葉のクローバーさん ※編集部にて明るさ加工。
安藤 |
どうして、3776は#4の道を選んだのでしょうか? |
石田 |
全国を対象にオーディションしたところ、静岡県内はもちろん、他県からも応募はあったんです。なかには、磨けば光ると感じる子もいたかな。ただ、5月3日にお披露目が決まっていたのもあって、そこに間に合わせられる力を持った子を選びました。 |
安藤 |
適任者がいたから#4ということですね。たしかに、あいなさんは元々ボーカルスクール出身で歌もうまいし、アイドル経験がある点も強いと思います。
#4のリンクは3つ、4つ・・・最終的には47都道府県になるまで増える可能性はあると考えてよいでしょうか? |
石田 |
考えたことはあるけど、現状は静岡と山梨ですよね。まずはリンク自体も2つでやっていくつもりです。曲作りは楽しいだろうけど、ステージの数も増やさなきゃいけないから難しくなっちゃいますよね。
東京、神奈川くらいだったら富士山も見えるし、リンクさせる意味はあるかもしれない。ただ、3つ以上リンクさせるなら、一気に47都道府県に誕生させたほうが面白いし、各地域に担当がいる状況にならないと厳しいです(笑) |
富士山対決のアイディアは2013年からあった!?
写真提供:koganezawaさん
安藤 |
今回、富士山ダービーというか、静岡と山梨で富士山を取り合うような構図にしたのは、やはり狙ってのことでしょうか。 |
石田 |
あいなが山梨だったこともあって、開き直って富士山対決にしました(笑)
ただ、前に3776と山梨のご当地アイドルで富士山対決の企画をしたこともあるし、3776を結成した2013年ごろ、山梨県に「静岡に富士山ご当地アイドルが誕生するけど、山梨はやらなくていいんですか?」とメールしたこともあるんですよ。だから、結成当初からあったアイディアと言っても・・・。 |
安藤 |
差し支えないと思います(笑) |
石田 |
ですよね(笑)ちなみに、『私のものです!』って曲はLINKモード※なら「静岡と山梨で取り合ってるんだな」ってわかるけど、MONOモード※だと全体像が見えないんです。あとは、それぞれの地元で煽らないと意味がないでしょ。 |
安藤 |
静岡または山梨県以外でMONOモードをやるときは大変そうですね。 |
石田 |
名古屋くらいだったら、ちよのが「富士山は東海地方のものですよね!」って煽る意味があるんだけど。逆に、あいなが東京で「富士山は関東甲信越地方のものですよね!」って煽る意味もありますよね。 |
安藤 |
ご当地的な盛り上がりも大切かもしれません。 |
石田 |
LINKモードは静岡派・山梨派・俯瞰派※と、自分に合う方法で楽しんでほしいですよね。個人的には、静岡派と山梨派はもっとバンバン、コールとかMIX打ってもらいたくて。お客さんが盛り上がってるほうが面白いと思うんですよ(笑)静岡派・山梨派のどちらもどんどん増えるといいですよね。
バンバン盛り上がるのが苦手な人は自然と俯瞰派に行くだろうけど、俯瞰的な立ち位置から見ても楽しめると思うんです。 |
※LINKモード:静岡担当のちよのさん・山梨担当のあいなさんが別のステージで同時に歌う状態。
※MONOモード:ちよのさんまたはあいなさんがソロで歌う状態。
※俯瞰派:両方の中間で両方の音や雰囲気だけを楽しむ中立派のこと(3776の静岡ステージと山梨ステージは離れているため)。
リンクアイドルという言葉が生まれた理由は?
写真提供:キムラKスケさん
安藤 |
音楽的には、リンク(連結)というよりシンクロ(同期)が近いのではないか、という意見もありました。 |
石田 |
シンクロも候補にあったんですよ。ただ、英語で書くと「Synchronicity」になって見栄えもよくないですよね。「Link」なら4文字ですし。
それに、ちよのが「リンク! リンクがいいですよ!」と言っていたので。記事では「ちよのが決めた」って書いてくれれば(笑) |
安藤 |
(笑)シンクロというよりリンクというか、歌詞のストーリーがリンクしている部分も多いですね。 |
石田 |
この部分は、自分がそこまで細かくこだわってなかったんでしょう。どっちでも当てはまるかなというとき、ちよのが「いい!」って言ったほうを選ぶのがいいかなと思うんですよ。 |
#3以前の曲はやるの?
写真提供:キムラKスケさん
安藤 |
今後、#3以前の曲はやるんでしょうか? |
石田 |
あいなも3776ですし、#3以前の曲をやっていくつもりです。実際、#4のなかには、『私のものです!』のようにLINKモードでないと、聴いてて意味が成り立ちづらい曲もありますよね(笑) |
安藤 |
・・・たとえば、ちよのさんとあいなさんが同じステージに立って、2人で『心配のタネ』などをやることはありますか? |
石田 |
それはないです。ちよのがリンクアイドルのMCを説明した意味がなくなっちゃうので。 |
安藤 |
安心しました。 |
富士川楽座での公開実験に対する手応えは?
写真提供:五つ葉のクローバーさん ※編集部にてトリミング、明るさ加工。
安藤 |
富士川楽座でのLINKモードはぶっつけ本番だったと思います。実験の手応えはどうでしたか? |
石田 |
もう、大、大、大成功ですよ! お互いのステージで相手のステージの音が混ざらなかったし、ちゃんと両方の音が聴こえる場所もあったので。
予想していた聴こえ方とだいたい思った通りで。同じ楽器でリズムだけ違うとか、曲の一部でコード進行が変わってるとか。そういうのも確認できたのがよかったですよね。 |
安藤 |
音楽的にも刺激的でした。でも、5月3日にLINKモードを披露するのはやはり難しかったですか? |
石田 |
本当は、5月3日に富士宮市民文化会館でやろうと思ったんです。当然、あの日にやったほうがインパクトもあるし。
でも、本番の1か月くらい前にリハーサルしたんですが、ホール内のどこに居ても音が混ざっちゃうんですよ。
音を小さくして無理にでもやってもよかったんですが、うまくいく可能性が高い場所で聴いて欲しかったんですよね。 |
安藤 |
5月6日まで、一度も屋外でリハできなかったんですよね? それでも曲は作れるんですか? |
石田 |
ネタバレしちゃったらおしまいですからね。公開実験するしかないというか。
作曲中はスピーカーを左右に離して設置して聴いてるんだけど、思った以上に差がなくてよかったです。うちだけじゃなくて、もっとみんなやればいいのに・・・ってくらい面白いですよ(笑) |
安藤 |
それはさすがに難しいと思います(笑) |
LINKモードの面白さは?
写真提供:aniotaさん
安藤 |
石田さんが思うLINKモードの面白さってなんでしょうか? |
石田 |
静岡と山梨の両方を往来することもできるし、片方だけで応援し続けることもできるし、中間で楽しむこともできるから、テーマパーク的な楽しみ方ができるところですよね。 |
安藤 |
たしかにライブ中に移動するのは、いつもと違うドキドキ感がありました。音楽フェスのようだ・・・とでも言いましょうか。
ただ今回は、まだちよのさんとあいなさんのもともとのファンが片方のステージを見るという感じでしたね。ハイカーのみなさんは、「どう動けばいいんだろう?」と様子見している感じかもしれません。 |
石田 |
片方に居るだけだと、絶対にほかの楽しみ方ができないですからね! ちよのか、あいなを応援したいというファン心理と、「あっち側はどうなんだろう? 気になる!」って人間的な好奇心との戦いになる・・・そういうのも楽しんでもらえるといいですよね。コアなファンは大変かもしれませんが。 |
安藤 |
新参ハイカーなのでまだ悩みが浅くてよかったです・・・(笑)ところで、LINKモードで片方のステージにいると、相手のステージが見えません。静岡側からは山梨側の富士山が見えない、山梨側からは静岡側の富士山は見えない・・・というメタファーなんじゃないか、という意見もありました。 |
石田 |
まぁ、後付けの部分もあるんだけど、似たようなことは考えてますよね。どんなことも、片方の立場からは、もう片方の立場はわからないじゃないですか。 |
Flipper’s GuitarもLINKモードのメタファーなのか?
写真提供:ともやさん
安藤 |
メタファー的な話でいくと、ちよのさんがFlipper’s Guitar『カメラ!カメラ!カメラ!』をカバーした理由は、「Cornelius※のリスペクトではないか?」というウワサがハイカーのあいだで広まりました。 |
石田 |
それは考えすぎですね(笑) |
安藤 |
あ~、そうでしたか。ところで、Flipper’s Guitarなんて、ちよのさんは年齢的にも知らないですよね? |
石田 |
知らないですね。事前にカバーする曲のアンケートをいくつか候補を出したとき、あいなはできそうと答えた曲が割と多かったんだけど、ちよのは全部自信ないって感じで。じゃあ、それならこちらで決めようと思い『カメラ!カメラ!カメラ!』を選びました。 |
安藤 |
まぁ、ちよのさんが『フレンズ』を歌うイメージは湧かないですね・・・(笑)青春時代、私は渋谷系※にどっぷりだったので、Flipper’s Guitarを歌っているちよのさんを見て感動しました。男性が歌うのとも印象が変わりますね。 |
石田 |
男性がFlipper’s Guitarをカバーするのは、なんとなく想像できるじゃないですか。でも、ちよのが歌ったおかげで、聴く人をよい意味で裏切る感じになったんじゃないかと思います。 |
※Cornelius:Flipper’s Guitar解散後、小山田圭吾が始めたソロユニット。1997年、『STAR FRUITS』『SURF RIDER』という2枚のレコードを別の再生機器で同時再生すると、『STAR FRUITS SURF RIDER』という別の曲が生まれることから。
※渋谷系:1990年代前半にブームになった曲。Flipper’s Guitarやカジヒデキ、SPIRAL LIFEなどが代表的なアーティスト。筆者はSPIRAL LIFEにどっぷりでした。
#4で3776が目指す姿は?
安藤 |
3776#4は、どこを目指しているのでしょうか? 石田さんに具体的な目標はありますか? |
石田 |
それはありますけど、まだ言えないです(笑) |
安藤 |
ですよね(笑) |
結局、3776#4はどこに向かうのか? それは石田さんしか・・・いや、もしかしたら、石田さんすらまだ構想中かもしれません。ただひとつハッキリしていることは、まだまだ3776にはたくさんのサプライズが待っているということ。mitecoはご当地媒体として、新体制の3776も引き続き応援していきたいと思います!
冒頭写真提供:キムラKスケさん※編集部にてトリミング加工
追伸
今回の記事、図らずも結果的にハイカーのみなさんの写真とリンクさせていただく形となりました。いろいろとお手数おかけしてしまいましたが、多数の方からのご協力、この場を借りて深くお礼申し上げます。
また写真提供をいただくとき、「いつも見てます」「よい記事をお待ちしてます」というお言葉をいただけたのもうれしかったです。果たして満足のいく記事になったでしょうか?
今後もmitecoともども応援よろしくお願いします。