人肌恋しい1枚&名古屋シューゲイズ特集
月刊ソネレコ【#9】
静岡県にお住まいの音楽好きのみなさまへ。ここ最近一層寒くなって、いよいよ秋終盤といったところでしょうか。「月刊ソネレコ」です!
浜松市の中心街でひっそりと佇む、いまや絶滅危惧種のリアルレコードショップ「sone records(ソーンレコーズ)」。
sone records(通称:ソネレコ)
静岡県浜松市の田町で営業するリアルレコ屋。国内外のインディー全般を中心に取り扱う。please save sone!
Twitter:@sone_records
店主のクワケンさんに月ごとのテーマを提示し、そのテーマに沿って数枚ピックアップしてもらうこの連載。音楽のまちとして知られる浜松から、国内外のインディーをメインに毎月発信中です。
今月は担当の吉松編集長に代わり、ライターの森谷がお届けします!
「月刊ソネレコ」11月のテーマ
森谷 |
最近めっきり寒くなりましたね。ということで、11月のテーマは「人肌恋しい」というのはどうでしょうか? |
クワケン |
人肌恋しいのは年中だよ。 |
森谷 |
それはおっしゃる通りですが(笑)一応、世間一般ではちょうどこの季節なんですよ! |
クワケン |
まあ、そうだよね(笑)また悩ましいお題だなあ。 |
森谷 |
すみません(笑)最後のフリーテーマも少し考えつつ、そのあいだに今月の新入荷などありましたらそちらの紹介をお願いします。 |
クワケン |
そうだね。今月の新入荷は2枚ほど取り上げてもらおうかな。 |
新入荷「Pia Fraus / FIELD CEREMONY」
クワケン |
最初はエストニアのシューゲイズドリームポップ「ピアフラウス」。じつに9年ぶりの新作リリースになるかな。 |
「Pia Fraus / FIELD CEREMONY(税込3,089円)」。エストニアのPia Frausによる9年ぶりのニューアルバム。シューゲイザーの要素を強く持ちながら、きめ細かいサウンドに男女混成ボーカルも際立ちます。あまりにも耳触りのいい音楽です。2017年10月16日リリース、LP+DLコード付き。
♪Pia Fraus – That’s Not All
森谷 |
うわー出だしから引き込まれる。すごくいいですね。 |
クワケン |
まさにドリームポップって感じだよね。 |
森谷 |
音はすごいシャープだし、ジャケットの感じとかもすごい好みです! |
クワケン |
ジャケットの寂しい感じは、11 月に合ってるかもね。来年は来日の予定もあるみたいだよ。 |
森谷 |
そうなんですか! 耳より情報ありがとうございます! |
新入荷「ALEX LAHEY / I LOVE YOU LIKE A BROTHER」
クワケン |
次はオーストラリアのシンガーソングライター「アレックスレイヒー」のデビューアルバム。ポップでキャッチー、元気いっぱいって感じかな。 |
「ALEX LAHEY / I LOVE YOU LIKE A BROTHER(税込3,013円)」。オーストラリア発のシンガーソングライター、ALEX LAHEYのデビューアルバム。乾いたサウンドとキャッチーなリフが印象的なギターポップに、力強くも凛とした女性ボーカルが心地よい1枚です。このパワフルさはデビューアルバムとして申し分ありません。2017年10月6日リリース、LP+DLコード付き。
♪ALEX LAHEY – Every Day’s The Weekend
森谷 |
乾いたギターサウンドがいいですね。リフもシンプルだけどキャッチーで耳に残る。まるでバンドサウンドみたいで、シンガーソングライターっていうのが驚きです。 |
クワケン |
そうだね。アルバム通して統一感のある雰囲気で、楽しいアルバムになってるよ。 同じくオーストラリアのシンガーソングライター「コートニーバーネット」に次ぐ逸材って言われてたりする。 |
森谷 |
そうなんですか! |
クワケン |
コートニーはもっとインディーロックっぽいけど、アレックスは誰でも楽しめるポップなロック。いま注目のアーティストだね。 |
人肌恋しい「Colleen / A flame my love, a frequency」
クワケン |
季節のテーマ「人肌恋しい」はこれにしよう、コリーン! 前にも一度取り上げてもらったんだけど、彼女の新譜だよ。 |
森谷 |
ほう! |
クワケン |
1曲目のタイトルとか「November」だしさ(笑) |
「Colleen / A flame my love, a frequency(税込3,089円)」。フランスの女性アーティストCOLLEENの6作目。冒頭から漂う幻想的な雰囲気に一瞬で引き込まれる。洗練された音の粒とそれを構成する絶対的なバランス感覚は圧巻です。
彼女の音楽は女性的な色艶をしっかりと主張しながら、強く深いところに訴えるパワーがあるように思います。2017年10月20日リリース、LP+DLコード付き。
♪Colleen – Winter dawn
森谷 |
いいですね! ちょっと寂しげで、まさにNovember! 人肌恋しくなります! |
クワケン |
この人の曲って幻想的でドリーミーで、寂しいんだけど暖かみがあるみたいな、本当いいよね。エレクトリックっていうよりは、アンビエントな感じもするし、アンビエントポップと言えるかもね。 |
森谷 |
アンビエントポップ、響きが好みです。ひとりで歩いてるときのBGMになりそうですね。浸れます。 |
クワケン |
そうだね。浸り系ですね(笑) |
森谷 |
浸り系(笑)おひとりで寂しく歩くときはぜひどうぞっていう1枚ですね! |
クワケン |
ちょっと無理やり感あるけど、うまくテーマに沿った1枚になったかな?(笑) |
フリーテーマ:名古屋シューゲイズ特集
森谷 |
月刊ソネレコのラストはいつもフリーテーマですよね。今回はクワケンさんにお任せしちゃってもいいですか? |
クワケン |
いまちょうどね、名古屋のシューゲイズバンドの新入荷がいくつかあるから、名古屋シューゲイズ特集とかどう? |
森谷 |
それすごくいいですね! ぜひお願いします! |
名古屋シューゲイズ特集「softsurf / Into the Dream」
クワケン |
まずは、「ソフトサーフ」かな。 |
「softsurf / Into the Dream(税込1,080円)」。名古屋発5人組シューゲイザーバンド「softsurf」 の1st EP。なめらかで厚みのあるサウンド、安定感のある男女ツインボーカルはまさにシューゲイザーのそれ。
でもどこか爽やかな風を感じ、聴く者を夢の風景へ誘う1枚です。2017年8月1日リリース、同年11月8日全国流通開始。
♪softsurf – Blue Swirl
森谷 |
厚みのあるサウンドがいいですね! まさにInto the Dream! |
クワケン |
このCDは当初、うち(ソネレコ)みたいなインディーショップで扱ってたんだけど、最近は全国流通になってどこでも買えるんだよ。日本のシューゲ好きのあいだではいま話題のバンドかな。 |
名古屋シューゲイズ特集「溶けない名前 / 制服甘露倶楽部」
クワケン |
次はね、「溶けない名前」。本人たちは自分たちのことを歌謡シューゲイザーって銘打ってるんだ。 |
「溶けない名前 / 制服甘露倶楽部(税込1,620円)」。名古屋発4人組のシューゲイザーバンド「溶けない名前」による2ndアルバム。シューゲイザー、ポップ、エレクトリック、さまざまな要素が交わりあった楽曲でありながら、歌謡シューゲイザーの名のとおり、メロディーラインと歌詞がしっかりと曲の軸になっている完成度の高さ。2017年10月4日リリース、全8曲入りCDです。
♪溶けない名前 – 幽霊少女異聞
森谷 |
たしかにシューゲイズでも歌もの感がすごいですね! 「制服甘露倶楽部」っていうタイトルもちょっとエロティックでインパクトあります(笑) |
クワケン |
そうだね(笑)コンセプトがしっかりしてるバンドだから。全体的に完成度も高いよね。 |
森谷 |
女性ボーカルの声もいいですね。 |
名古屋シューゲイズ特集「Cookie Romance Nonsugar / Shell e.p.」
クワケン |
最後は「クッキーロマンスノンシュガー」。いまの2バンドよりも音がはっきりしていて、ジャンルでいうとオルタナに近いね。スーパーカーとかを彷彿とさせるものがあるよ。 |
「Cookie Romance Nonsugar / Shell e.p.(税込1,080円)」。名古屋発、男女混成オルタナティヴロックバンド「Cookie Romance Nonsugar」 の2ndEP。はっきりとしたコードラインが爽やかなギターロックです。
青森のオルタナティヴロックバンド「SUPERCAR」を彷彿とさせる楽曲もあって、彼らのバックグラウンドが見えるよう。野太いファズに男女ツインボーカルが光る、エモーショナルサウンドをぜひ味わっていただきたいです。2017年9月20日リリース、全4曲入り7インチ。
♪Cookie Romance Nonsugar – かざみどり
森谷 |
うわかっこいい! エモいですね! |
クワケン |
ギターロックのテイストもあっていいよね。いま紹介したふたつとはまた違う雰囲気だしね。 |
森谷 |
三者三様ですごくよかったです! この3つのバンドがいる名古屋は熱いですね! |
クワケン |
名古屋はこういったシューゲバンドがわりと多くて、面白いね。 |
森谷 |
名古屋シューゲイズ特集最高でした! |
クワケン |
今月もうまくまとまってよかった(笑) |
月刊ソネレコ【#9】は以上です! 今月はありませんでしたが、「クワケンさんにこんな1枚を教えてほしい・・・」というみなさんからのリクエストは引き続き募集中です。
「ペンネーム(本名でも可)」「リクエストの理由(シチュエーションなど)」を書き添えたうえ、編集長吉松のTwitter(誰でもDMが送れるようになってます)か、ページ下部「miteco編集部へのメッセージ」にてお待ちしています。ふるってご応募ください!