about「KIRCHHERR(キルヒヘア)」
静岡ライブハウス委員会vo.1
さて「ライブハウスを遊びの選択肢に」を合言葉に発足します、静岡ライブハウス委員会。
ふらっと足を運ぶにはハードルの高いライブハウス、そのハードルを下げるべくいちから解剖します。
第1弾は昨年末、「箱主導のイベントは全てチケット1,000円する」※という、県内ではセンセーショナルなチャレンジを発表した浜松市中区田町の「KIRCHHERR(キルヒヘア)」。※箱=ライブハウス
キルヒヘアに続く階段。
いきなり入りづらさ度「☆☆☆」なライブハウスですね。でもオーナーのSoushiくんは、「普通の人が普通に遊びに行くところ=ライブハウスになったらいいな」と話していました。第1弾にはピッタリ。
about 「KIRCHHERR(キルヒヘア)」
浜松街中のカルチャー発信地「KAGIYAビル」。キルヒヘアはその地下1階に2014年秋、浜松市中区成子町のライブバー「ZOOT HORN ROLLO(ズートホーンロロ)」の2号店としてオープンしました。
奥はライブセット、右側にあるのはDJセット。
箱の中は、天井からぶら下がる無数の電球&人口芝生でかなりカジュアル。補修をしていないコンクリ打ちっぱなしの壁も、DIYで白塗りを施した味のある様子です。
キャパシティはスタンディングでMAX50人くらい。余裕を持つなら30人くらいのほどよい広さですね。
イベントのある日はフロア壁に椅子が並べられ、ゆっくり座りながら音楽を楽しむことも可。ちなみにロッカーはないので軽装で来たほうがいいかも。上着なら写真左のハンガーにかけられます。
キルヒヘアで鳴る音楽
キルヒヘアで流れる音楽の大半はインディーロック。ほかロックンロール、ロカビリー、ノイズ、パンク、シューゲイザーなどなど(ロックンロール&ロカビリーは中高年層メインらしい)。ざっくりニッチミュージックな箱です。
アーティストは浜松だけでなく、静岡県内全域から集まります。なかでも静岡市あたりは多いらしい。
ローカルな話をすると、公立「静岡文化芸術大学」周辺バンドはよく出ますし、オーナーSoushiくんがギターを務めるダークサイケデリックバンド「qujaku」もちょくちょく出演中です。
とはいっても、月の半分は持ち込み企画なので、流れる音楽は持ち込む人次第なところはあります。たとえばつい先日、アカペラのイベントが開催されたそうで。
それから地元の話題から一転して、アングラな海外アーティストがMAX月3で来ているのはポイントでしょうか。
※Soushiくんの好きな音楽は、バンドにとらわれていない音楽とのこと。ダブやアンビエント周辺とか。スタッフの鈴木さんはヒップホップやエレクトロニカなどが好みです。
謎のこだわり充実のドリンクメニュー
ライブセットの後ろには、こちらもカジュアルなバーカウンター。ライブやDJイベントのない日は、ここに椅子をずらっと並べてバー営業しています。
じつはライブハウスのドリンクメニューは箱の個性が出ると言われているんです。Soushiくんから聞いたんですけども。
キルヒヘアはといえば、お酒好きな前オーナーの影響もあって充実のラインナップ。しかもベーシックなものではなく個性的なブランド多めです。
こちらほぼビールの冷蔵ショーケース。
アメリカ白ビール「Blue Moon(ブルームーン)」、イギリスビール「Bass Pale ale(バスペールエール)」、ベルギーフルーツビール「Liefmans(リーフマン)」など「なんでこれあるの?」って感じですね。
リキュール系もバラエティに富んでいて、リキュールの女王「Chartreuse(シャルトリューズ))」や店主おすすめのフルーツリキュール「Southern Comfort(サザンカンフォート)」をはじめ謎のこだわり具合。
それと「クワケンの涙(ウォッカ+トニック+ブルーキュラソー)」を代表とするオリジナルカクテルもありまして。
うちで音楽紹介連載を担当していただいている、浜松街中のレコ屋「sone records(通称:ソネレコ)」の店主クワケンさんモデルのドリンクです。かなり人気らしい。
これらドリンクの値段は500円~700円。柿ピーやチョコなどのおつまみ系は500円でオーダーできます(2,3人分)。
「キルヒヘアが生活の延長線上に」
冒頭で触れたように、いまキルヒヘアプレゼンツのイベントはすべてチケット代1,000円で実施中(月3回)。ほか一般イベントは1,000~2,000円、有名アーティストのイベントでは2,500円です。
驚くのはこれドリンク込みの料金なんですよね。それもこれもオーナーSoushiくんが「日常的に遊びに行く選択肢にライブハウスを」という想いをもっているから。
キルヒヘアのオーナーSoushiくん。
Soushi |
僕は音楽で救われてきた身。だから音楽に恩返しできればと思うし、音楽でみんなに恩返ししていきたいんです。
新しいシステムによって、キルヒヘアに関わる人は少なくとも、お金や精神でブラックにならないようにと。
ライブハウスが生活の延長線上にあるように、ふらっとお酒を飲みに来て、流れてる音を純粋に楽しむ場を提供してきたいです。 |
月3回のキルヒヘアプレゼンツは、ドリンク込みで1,000円の格安イベント。料金だけ考えると、お通しのある居酒屋と変わらない価格感です。日程はTwitterをチェック。
さてビルの地下という入りづらい立地ですが、ここは怖くありません。オーナーも25歳で若いですし、同世代のみなさんはふらっと行ってみてください。僕も静岡からちょくちょく行きますね。