たった1kmで川とコロッケと大社を満喫!
水の都「三島」を男ふたりでぶらりしてきた
よろしくお願いします。miteco編集長の吉松です。いま居るのは伊豆半島の北側、三島市の三島広小路駅前(伊豆箱根鉄道)。
ここをスタート地点にして、一切の目的を持たずに、三島の街を散歩します。いわゆるぶらり旅ですね。
ちなみにひとりではなく、駅前で仁王立ちをしている編集部の山口とふたりです。はじめに言っておくと、要所で話してくれる山口の雑学がかなり勉強になります。
三島は水の都?
三島広小路駅からは、気の向くままに東方面へぶらり。駅周辺はなんだか懐かしい雰囲気の商店街です。
少し先を進めば、底まで見える、透き通った川が流れていました。ここまで透明感のある川はひさびさに見た気がする。
川のすぐ近くにあった看板にて。
吉松 |
街中がせせらぎ。・・・せせらぎルート? |
山口 |
この一帯のことをそう呼ぶのかな。三島は水の都とも呼ばれる街だから、きれいな川がいたるところに流れてるって聞いたことありますよ。 |
吉松 |
へー。そうなんですか。ぶらりするにはちょうどいい街ですね。 |
どうやらいま歩いているのは、いくつもの川が流れる「せせらぎルート」というエリアらしい。
歩き進めると、たしかに川だらけ。たとえば、この「四ノ宮川(しのみやがわ)」や
「御殿川(ごでんがわ)」など、数十m間隔で川があります。街中がせせらいでるなあ。
ノスタルジーな町並みと山口の雑学
いつのまにか周りの景色が少し変わってきました。商店街と変わらず、飲食店や雑貨屋、アパレルなどのお店は多数ありますが、より現代と古臭さが混在してきたような。
山口 |
あのさ、こういうノスタルジーな街、すごい好きなんですよ。 |
吉松 |
ノスタルジーな街ですか。 |
山口 |
雰囲気もそうだけど、まず建物が低いんですね。 |
吉松 |
建物の低さか。たしかに低い建物には懐かしさがありますね。 |
山口 |
それでね、なんかの本でみたんですけど、いまの若者はどこにノスタルジーを感じるのかって。 |
吉松 |
・・・ほう。 |
山口 |
僕らの世代は、生まれたときからマンションとかビルに囲まれてますよね。 |
吉松 |
言われてみれば。僕なんか静岡より地方の出身(島根県松江市)ですけど、それでもビルとかマンションは多かったですね。 |
山口 |
なのにこういう町並みを見たとき、なぜノスタルジーを感じてしまうのかっていう。 |
吉松 |
あーたしかになんでだろう。 |
山口 |
これは、ドラマとか映画に反応する親世代の影響なんですって。ちょっと古っぽいのを見たときに、親世代が「懐かしいなー」っていうのを聞いて、僕らは「あ、これが懐かしさなんだ」って思うらしくて(※諸説あります)。 |
吉松 |
はーなるほど。面白い。納得しまし――って、ちょっと待ってください。あの掲示板に「みしまコロッケ」って書いてありますよ。 |
山口 |
あ、はい。 |
こういう街中の掲示板にもノスタルジーを感じてしまうわけですが、とにかく気になるのは「みしまコロッケ」。三島のご当地グルメとして知られる食べ物で、このエリアだけでも数十店舗が提供しているそう。
吉松 |
みしまコロッケって食べたことないんで、売ってるお店があったら寄っていいですか。 |
山口 |
どうぞどうぞ。 |
これが三島のご当地グルメ「みしまコロッケ」だ!
随分と歩いて日も落ちてきたころ。
吉松 |
あ、そこのお店、みしまコロッケを売ってるみたいですよ。 |
こちらは、三島のお土産を中心に販売する「箱根八里」さん。
さっそくみしまコロッケを注文すると、店員の田中さんからコロッケについていろいろとお話していただけました。以下、「みしまコロッケと僕」を挟みながらお送りします。
田中さん |
みしまコロッケは食べたことないんだってね。 |
吉松 |
そうなんですよ。そもそも、みしまコロッケってなんですか? |
田中さん |
三島産のじゃがいもを使っているコロッケのことなの。じゃがいもは箱根西麓野菜っていう、静岡と神奈川にまたがる箱根連山で採っていてね。 |
吉松 |
箱根西麓野菜って、首都圏で流通している野菜のブランドですよね。 |
田中さん |
そうそう。知ってるじゃない。えーとね、みしまコロッケができた話をすると、三島って昔は宿場町でなんでも簡単に手に入る環境だったんだけど、肝心の三島名物がなかったわけ。なんにもなかったのよ(笑) |
吉松 |
そういえば、三島の名産品はあまり知らないですね。 |
田中さん |
でしょ。それでね、三島の箱連連山は噴火によって火山灰の土壌ができているし、赤土もあるしでとっても栄養があるの。だからおいしい野菜が育つってことで、じゃがいもを使ったご当地グルメを考えたのよ。 |
みしまコロッケは、THE素材の味で、じゃがいもの甘さが口いっぱいに広がります。中はホクホクなので、これからのシーズンは食べ歩きにピッタリかも。
食べ終わったあと、田中さんから「すぐ目の前に、神社のなかでも格の高い”三嶋大社“があるのよ」と、こそっと教えていただきました。古くは、伊豆諸島の噴火を怖がった地域の人々が信仰していた神社だそうで。
これも何かの縁ですし、随分と暗くなってきたこともあるので、今日のゴールは三嶋大社にしようと思います。
ぶらり旅のゴール「三嶋大社」へ
いざ三嶋大社へ。箱根八里さんから歩いて数十秒でした。
ちょうど木々も色づき始めたころで、参道を歩くだけでも風情があります。
吉松 |
田中さんは、三嶋大社が「格の高い神社」って言ってましたよね。 |
山口 |
そうそう。神社にはいくつかの種類があって・・・。たとえば、「神宮」「大社」「神社」なんかが知られていますよね。
このうち大社って名前がつく神社は、地域でも飛び切り大きくて、信仰も歴史も深いということで、数がかなり少ないんです。実際に、神社に対して「大社」という格は、なかなか与えらえていないみたいで。 |
吉松 |
へー! 詳しいですね。素晴らしい。 |
山口の雑学でひとつ賢くなったところで、本殿に到着。さすが大社というべきか、本殿付近は空気が澄み切っていて、なにかに身体を包まれたような感覚になります。
そのまま最後に参拝をしまして、今日のぶらり旅は完結。
長々と歩いてきた気がしますが、なんとスタート地点の三嶋広小路駅からゴールの三嶋大社まで、たった900mくらいしかありませんでした。
それなのに、ここまで楽しめる三島のポテンシャルたるや。あなどれません。
まだまだお宝が眠っていそうな三島の街。次はどこをスタート地点にしようかな。