大道芸の楽しみ方はオールフリー!?
参加者はどんな楽しみ方をしていたか大調査
2016年は11月3日から6日までの4日間、静岡市の街中を中心にさまざまな場所で開催された「大道芸ワールドカップ in 静岡2016」。昨年は181万人という非常に多くの人で賑わいましたが、今年はなんといっても25周年のアニバーサリーイヤー!
mitecoとしても取り上げないわけにはいかない!
ということで、今年はじめて大道芸へ行くという吉松が、事前にインタビューをしたのがこちら。大道芸初心者がお祭りを楽しむ方法を聞いてきました。
参加者はどんな楽しみ方をする?
さて、そんな大道芸ですが、基本の楽しみ方は上の記事にもあるように公式ガイドブックを持って、気になるアーティストの演技ポイントへ足を運んでいくというもの。
しかし、なかには自分流の楽しみ方をしている人もいるのではないかと思っていました。たとえば、毎年参加するような、猛者もいるでしょう。逆に初参加だけどなんとなく楽しんじゃってる、みたいな方がいてもおかしくありません。
そこで、僕は「みんなはどんな楽しみ方をしているの?」という疑問を突撃インタビューで伺ってみることに。
僕らが大道芸の取材に訪れたのは、イベント初日となる11月3日(文化の日)。祝日ではありますが、初日ということもあって常連さんが多いのではないか、そんなことを考えています。
取材の受付のために、ボランティアが運営する本部へ足を運び、メディア取材者が首から下げる許可証を受け取ったら、いよいよ取材開始。吉松編集長とはここで分かれます。大道芸初参加ということもあり、彼はすでにウキウキ気分。
吉松 | いやぁ、なに見ようかなぁ。ガイドブックは結構読み込みましたよ! |
山口 | (取材、大丈夫かな・・・) |
そうして分かれましたが、僕は広い会場内でも駿府城公園が取材場所。
ここを取材ポイントにした理由は、プレミアムステージがあって、本部もあって、キッズガーデンもあるということ。つまり、いろいろな意図で参加する人が訪れるんじゃないかなぁ、という予想をしていたためです。
ということで、さっそく道行く人に声掛け開始です。
家族で参加する常連さんの通な楽しみ方
はじめに声をかけたのは、駿府城公園の中心に近いベンチのそばで座りながらガイドブックを開く女性。そして、その後ろにはご父母と思わしき方々。
会場内では装備が少ない来場者もちらほら見かけますが、このグループはいかにも手慣れた感じといった装いです。
話しかけてみると、この女性はナガシマさんという方。ご家族で参加なさっているとのことです。
山口 | 今年で何回目の参加ですか? |
ナガシマ | そうですねぇ・・・。私は静岡市の出身で、小学校とかも近かったので本当に昔からで、何回とかは覚えてないですけど・・・。 |
おお! 思った通り常連さんでした。
山口 | 大道芸のお気に入りの楽しみ方ってありますか? |
ナガシマ | やっぱり人が多くなってきたし、これだけいろいろな演技ポイントを回るのはなかなか大変だなぁって思って。それで、最近はプレミアムステージ※に足を運ぶようになったんです。 |
山口 | なるほど。有料ですけど、その分席があって座って見れるのはいい ですよね! |
ナガシマ | はい。数年前からその楽しみ方をするようになったんですけど、父と母もちょうどそのころから誘うようになりました。
やっぱりいろいろな演技ポイントを回るとなると疲れてしまうし、人混みで見れないこともあるので、それが避けられるのはプレミアムステージの最大のメリットですね。 |
※プレミアムステージ:駿府城公園内にある特設ステージで、全ステージ内で唯一の有料スペース。選りすぐりのアーティストが出演するほか、特別企画「That’s 笑 Time」もこちらで行われました。
山口 | 確かにそうですね! ちなみに、今年のイチオシのアーティストは誰ですか? |
ナガシマ | んー。 |
事前調べに余念がない常連さん。お気に入りのアーティストももちろんいるみたいです。
ナガシマ | いました! この人です。 |
ナガシマ | 「トリグヴェ ウェキンショウ」さんですね。この人はめちゃめちゃ面白いですよ! 全然しゃべらないで本当にパントマイムのみで。
最初はわからないんだけどだんだん、なにをしているのかがわかってきてもう、笑えてきちゃうんですよね。 |
山口 | へぇ! 俄然気になりますね。いろいろありがとうございます! いまからプレミアムステージですかね? |
ナガシマ | そうですね。ご飯食べたら向かう感じです! |
山口 | まだまだ初日ですが楽しんでください! |
ナガシマ | もちろん! |
と、取材をしているとお姉さんとそのお子さんも登場。まさかの三世代グループでびっくり! さすがに三世代で来ました、という方はなかなかいないのではないでしょうか?
記念にみなさんでパシャリ。毎年この時期になると、みんなでガイドブックを見ながらいつ行くかを決めるそうですよ。
わきあいあいの大学生3人組
次は、フードコートへと向かいますが、じつはこれ、かなりの規模。あとでボランティアの方に聞いたところ、その出店数は100を超えるんだとか・・・!
地方のイベントでグルメフェスでもないのにこの規模は、大道芸ワールドカップの盛況ぶりを物語っていますね。
さて、そんなフードコートのサイズに圧倒されながら話しかけたのは、こちらのお若い3人組。
写真左側から、サトウさん、スギモトさん、ホシさんです。静岡大学の浜松キャンパスに通っていた3人で、サトウさんとホシさんはいま大学院生とのこと。
山口 | では、出身について教えてくれますか? |
サトウ | 僕、青森です。 |
ホシ | 僕は新潟ですね。 |
スギモト | 静岡! |
山口 | おお。ということは、スギモトさん以外は大道芸は・・・? |
サトウ | 初ですね! |
山口 | どうして今回来ようと思ったんですか? |
ホシ | 僕が今年で院の2年生ということで卒業してしまうんですが、そういえば大道芸に一度もいっていなかったなぁ、って思って。
そうしたらスギモトが毎年通う強者だったこともあって、それじゃあ行ってみようよって。 |
山口 | スギモトさんは毎年ですか! |
スギモト | もう物心ついたころから毎年通ってますね。 |
山口 | それじゃあ今回も、初参加のふたりをガイドするような感じ? |
スギモト | いえ、駅からここまで歩きながらちょこちょこ見て、これからも食べて飲みながら、また少しずつ見ながらみたいな感じですね。 |
山口 | えええ。おふたりはそれでいいの? |
ホシ | いや、でも本当に楽しいんですよ。 |
サトウ | もちろんいくつかはパフォーマンスも見ましたけど、こうして友達と昼間から飲みながらイベントを楽しむってすごくいいですよね。 |
仲のいい3人組は、ガイドブックも持たずにひたすら歩きながら、その都度パフォーマンスを楽しむという予定だそう。もともと浜松に暮らしているということもあり、静岡市の街中を歩いているだけでも観光気分で楽しいのだとか。
常連のホシさんも「やっぱり雰囲気がいい」というお話しで、友達と来るのであればこういった参加の方法もアリかもしれませんね!
カップルでほのぼの楽しむのもOK!
ロケーションを変えて、駿府城公園の中心方面へ。桜が植えられていてステージも設置されていないので、ちょっとした木陰で休憩できるスペースになっています。
そんななか、ベンチで座っている若いカップルを発見! おふたりはどのような楽しみ方をしているのでしょうか?
山口 | こんにちは! |
女性 | こんにちは! |
山口 | いま取材をしているんですが、少しお話しをお伺いしてもよいですか? |
男性 | 大丈夫です! |
山口 | では、まずお名前を。 |
女性 | りーかと |
男性 | たけです! |
おお。なんだかすっごく仲いいな。・・・まぶしい・・・。
山口 | 大道芸は初ですか? |
りーか | 私は初で、彼はボランティアを一度やって、2回目・・・? |
たけ | そうですね。なので遊びに来た人という意味では初です。 |
山口 | あー、そうなんだ。どんな楽しみ方をしているんですか? |
たけ | 公園内でフードコート回りつつ、スポットをぐるぐるする感じですね。よさげなところがあればそこで待ってる、みたいな(笑) |
山口 | じゃあ、ガイドブックは使わないんですね。 |
りーか | どっちかというと、自由な感じで見られるのがいいですよね! こう、雰囲気を満喫しながら少しずつパフォーマンスを眺めるのが楽しいです! |
たしかにそういう楽しみ方のほうが、デートには合っているかもしれない。あんまりふたりの時間を邪魔しては、空気の読めないおじさんになってしまう気がして、この辺でおいとま。次へ向かいます。
もはやパフォーマンスなんて関係なし! とにかく食い倒れる系女子
そろそろ日も傾いてきたので切り上げようかな、と考えていたときに視界に入ったおふたり。なにやらサブカル感がすごい・・・!
ちょっと大道芸っぽくないかなぁと思って話しかけてみると、なんと彼女たちは一切アーティストを見ていない、とのことです。
※写真左がナオさん、写真右がイツミさんです。
山口 | え!? じゃあどんな感じで楽しんでるんですか? |
ナオ | もう、フードコートですよね! こんなに充実してるのってすごくないですか? |
イツミ | それでもうずっと食べて話してのんびりして、の繰り返しです(笑) |
山口 | たしかに、フードコートはすごいですね。もうないもの探すのが難しいくらい(笑) ちなみに、毎年のように大道芸にはくるんですか? |
ナオ | そうですね。ふたりでというのは珍しいんですけど、別々でも参加していると思います。もう、小さいころから来てるよね。 |
イツミ | そうだねぇ。ほぼ、毎年来てると思いますね。 |
山口 | やっぱりフードがメイン? |
イツミ | まぁ、それもありますけど、どちらかというと「ふらっと遊びに来た」みたいな感じで。今日も、たまたま遊ぼうよって話になって、そしたら大道芸がやっているというのがわかって、そのままノリで・・・。 |
山口 | きちゃった? |
ナオ | そうですね(笑)遊びに来たついでに、という感じでもうほんとにピクニック気分。
大道芸はもちろん楽しいんですけどちょっと友達とリフレッシュしたり、イベントに遊び行ったりするのが手軽にできるのがいいなって思いますね。 |
大道芸ワールドカップという名前のイベントなのに、ふたりにとっては完全にグルメフェスであり、駿府城公園は憩いの場所というのは変わらない、というのにすごく驚きました。
毎年のように参加しているからこそ、こうしてのんびり過ごすだけでも楽しめてしまうのかもしれませんね。長く続いてきたから来年もあるだろう、みたいな安心感もあるんじゃないかと感じました。
大道芸の楽しみ方は十人十色
さて、こんな感じで何組かにお話しをお伺いしていたらすっかり夕暮れ時。大道芸のメインの時間は日中となる午後6時前後までです。
その後は、プレミアムステージを中心にパフォーマンスが行われるようになりますが、全体の演技ポイントは減っていきます。
でも、ご覧の通りまだまだたくさんの人が。もちろん、フードコートも大いに盛り上がっていました。
今回の取材を通してわかったのは、「大道芸の楽しみ方は自分流を見つければなんだってOK」ということ! ガイドブック片手に街中を歩き回るのもよし、プレミアムステージに入り浸るのもよし、静岡観光を兼ねていろいろなお店に入るのもいいでしょう。
それだけでなく、フードコートで食い倒れしても、公園内でのんびりと過ごしてもなんでも許されちゃうし、なんでも楽しめちゃうのが大道芸ワールドカップのいいところかもしれません。
みなさん、今年はどのような楽しみ方をされたでしょうか? 来年も、ぜひ自分流のスタイルで大道芸を楽しんでみてください!