静岡のDeepな心霊スポット【第5話】
旧本坂トンネル(浜松市北区)
愛知県豊橋市を目指して国道362号線を走り続けると、ふたつのトンネルがある。
ひとつは1978年に開通し、多くの人が利用する本坂トンネル。そして今日ご紹介したい心霊スポット、本坂峠にある「旧本坂トンネル」だ。
旧本坂トンネルにまつわる怖い話
旧本坂トンネルで一番有名な心霊現象は逆さ女だろう。トンネルの天井に逆さになった女が現れ、這うようにして追いかけてくるそうだ。そのほか、老婆や着物姿の女性、小さな赤ん坊を抱いた女性など、さまざまな幽霊の話が出てくる。
旧本坂トンネルの幽霊に共通するのは女性であること。
女性の幽霊が出るとされる理由は、江戸時代に多くの女旅人が本坂峠を越えようとしたことに由来するようだ。東海道に設けられていた新居の関所は女性の通行を厳しく制限していたため、女旅人は本坂峠へ迂回したという。
当時は姫街道と呼ばれていた本坂峠。その峠越えのために命を落とした女性が多かったらしい。
ほかにも、「東名高速道路・宇利トンネルで起きたバス横転事故などの幽霊が出る」「トンネルの上の無縁仏の墓の霊」など、旧本坂トンネルが心霊スポットと言われている理由は諸説ある。
国道362号線の分岐から旧本坂トンネルへ
静岡県と愛知県の県境にある本坂トンネル。国道362号線の分岐を右に、狭い山道を登っていくと椿の原生林が広がっている。
くねくねとした曲がり道は自動車道が整備された現在でも険しい。姫街道と呼ばれた江戸時代は、はるかに厳しい道だっただろうと予想できる。
なお、旧本坂トンネルは、1978年の本坂トンネルの開通と2008年の無料化によって、一般人が使うことはなくなった。しかし、椿の原生林は観光スポットとして健在だ。
古くは街道一面に椿が咲いていたという。椿の季節になると、花が石畳でできた道に落ちて華を添えたらしい。心霊スポットと恐れられる旧本坂トンネルだが、すぐそばにはこのような観光スポットもある。少なからず人々への往来もあるようだ。
赤レンガでできたトンネル内部
今回の心霊スポット、旧本坂トンネルに到着した。逆さ女をはじめ、さまざまな心霊現象が報告される場所だ。
赤レンガ造りの上から補強を施したトンネルは大正4年開通だという。補強しているものの劣化も進んでいる。いまから100年以上前、東海道の交通の便をよくするために誕生した。
トンネルの真ん中に停車してクラクションを鳴らすと、幽霊が追いかけてくるというウワサもある。旧本坂トンネルへ訪れた直後、自動車が故障したり体調を崩したりしたという声も少なくない。
静岡側からトンネルを出ると、もう使われていないであろう倉庫がある。こちらも幽霊のたまり場になっているというウワサは少なくない。
ここはかつての日本電電公社(現・NTT)が、東京から岡山まで東海道ルートで通信用ケーブルを通すために使われていたそうだ。
愛知県側にあるのは首狩神社
倉庫からさらに愛知県側へと抜けていくと、首狩神社という名前の神社があるそうだ。古ぼけた階段の特定の位置を踏むと呪われるそうだが・・・せっかく行くなら挑戦してみるのもいいだろう。
今回ご紹介したのは浜松市北区の旧本坂トンネル。
今後も静岡のDeepな心霊スポットを紹介していきたい。
※本記事は地元民のウワサをまとめました。信ぴょう性その他について保証するものではありません。