大迫力の富士山へドローンが羽ばたく!
「あさぎりフードパーク」の飛行場で空中散歩
雄大な富士山を眼前に望む朝霧高原。ここに食と自然が融合した複合施設「あさぎりフードパーク」があります。
富士宮市に拠点をおく、食に携わる6社が集まった、いわゆる「食の工房団地」。富士山麓の自然に癒されながら各工房をめぐり、お菓子作りなど各種体験やショッピングを楽しめる場所です。
この広大な自然を活かし2016年、県内初のドローン公認飛行場「富士山スカイグランド」がオープンしました。
写真提供:あさぎりフードパーク
ドローン(小型無人航空機)には、航空法や自治体の条例によって飛行が禁止されている区域があります。飛行可能場所が限られているなか、公認飛行場は日本ドローン協会によって各地に敷設されてきました。
筆者所有の「DJI Phantom3 Professional」。
あさぎりフードパークと富士山スカイグランドの概要をお知らせすると同時に、ドローンのイロハを少しだけお伝えします。購入を考えている方、興味のある方にとって参考になれば幸いです。
楽しい体験が目白押し! 食の工房団地で遊ぼう
富士山スカイグランドは、フードパーク開設時から出店している「朝霧乳業」の簑俊行さんが中心となって管理しています。
村松 |
まず2012年にオープンしたこのフードパーク、その経緯や活動内容を教えていただけますか? |
簑 |
フードパークのお店はもともと、それぞれがひとつの会社として営んできた会社同士。みな地元に根付いた企業で、ローカルな商品やサービスを提供してきた共通点があります。それぞれが持つ魅力が、ある種の工業団地のように一同に介すことで、もっと魅力的な場所になる。開設はそういった展望からでした。 |
朝霧で搾られた朝霧乳業の乳製品。 写真提供:あさぎりフードパーク
簑 |
コンセプトは「食と自然が融合した林の中の食品工房」。朝霧乳業ではバター作り、富士正酒造さんでは工場見学ができるなど、各店で楽しい体験を用意しているのが特徴です。バイキングレストランでは地元食材を中心とした料理を楽しめます。 |
富士正酒造蔵内。 写真提供:あさぎりフードパーク
「地産地消レストラン ふじさん」の料理。 写真提供:あさぎりフードパーク
村松 |
まさに富士宮の豊かな自然が育んだ“ローカル”の集合体、ですね! |
ロケーション抜群! 富士山を仰ぐ草原の飛行場
村松 |
富士山スカイグランドは、ドローンをすでに所有している方が健全に飛行を楽しむ場所、という認識でよろしいでしょうか。 |
簑 |
はい。昨年の飛行場オープン以来、知名度も上がってきておかげさまでリピーターの方も増えてきております。さらに新たな取り組みとして「いまは持っていないけれどやってみたい」という人向けの講義も試験的に開講していまして、この先そういった機会を増やしていきたいと考えています。すなわち「ドローンよろず相談会※」。天候に問題がなければ毎月第1日曜に開講していく予定です。 |
村松 |
(!)パイロットを目指す方の講習はたくさんありますが、購入を迷っている方のための講義ってなかなかないですよね。 |
簑 |
なにせ日本製の製品がほとんどなく、どこのメーカーのどの機材が適しているのかもわからない人が多い、という現状。だからこそ、まだ所有していない方が困っている点、かゆいトコロに手が届くような企画を実施していきたいですね。 |
村松 |
たしかに。機材選びは私もかなり迷いました。講習で少し触れたり見たりできれば、最初のステップを踏みやすいですね! |
簑さんによれば、ドローン協会が公認飛行場として選ぶ条件には広大な土地のほか、ロケーションのよさも含まれるそう。
加えてアクセスがいいことや、周辺に施設が充実していることも考慮されています。そういった意味で、このフードパークは申し分のない環境なのです。
※ドローン体験会(よろず相談会):毎月第1日11:00〜12:00、14:00〜15:00。体験料金1000円(飛行場利用料不要)ドローンを所持していない方でもOK、1機を順番で使用します(定員1〜4名)。天候等によりスケジュールが変更になる場合があります。
入門前に知りたいこと
筆者はドローンを購入して1年になります。興味のある方たちのために、実際にドローンを扱う者からの指針(?)を、述べたいと思います。
落下や衝突の危険
ラジコン経験のない方はとくに、考えておいた方がベター。ですので、最初から高価・高性能な機材を購入するのは避けましょう。
どれを買ったらいい?
目的によりますが、最初は国内シェアが高いメーカーをお薦めします。理由は、説明書を見てもわからないトラブルが起きたとき、ネットで検索すれば解決法が見つかる可能性が高いから。DJIやParrotなどが有名です。
飛行場以外はどこで飛ばせるの?
道路や線路などのインフラ上や空港周辺の空域、人口密集地などが航空法で制限されています。土地所有者の許可を受けた私有地においても、航空法で制限されたエリア内はNG。さらに各自治体で定められた区域……たとえば静岡では県営の公園が禁止区域に指定されています。それ以外は可能です。
しかし「法に触れなければ大丈夫」という考えもよくありません。ドローンは十分に危険物となりうる可能性があります。だからこそ、パイロットになによりも求められるのは「良識」。自己満足のために他の誰かを不快にさせていないか、困らせていないか。そういった「気遣いの心」が大切ではないでしょうか。
なにも、ドローンに限って言えることではないかもしれませんね。