庭園の紅葉樹が鮮やかに色づく道の駅
大自然と渓谷美を堪能する天城越え
天城といえば演歌の楽曲で知られ、静岡県のみならず県外のハイカーにも人気の山登りスポット。
湯ヶ島の温泉街や轟音を響かせる名瀑、清冽な水流が育むワサビ田も見どころですが、この時期、ぜひ立ち寄ってほしい休憩処があります。
道の駅で紅葉を堪能
浄蓮の滝から車で5分ほど上った場所にある道の駅「天城越え」。
昭和天皇在位50年を記念して、昭和55年に「昭和の森会館」としてオープンしました。平成10年、道の駅として登録されています。さて、ここになにがあるのかというと……。
「森の情報館」や「伊豆近代文学博物館」などがある昭和の森会館内の、とても美しい庭園です。
いま紅葉が見ごろを迎えていますが、シーズン終盤は紅く染まったカエデの絨毯に出逢えます。
入館料は大人250円。あまりに美しく、筆者はここで2時間も撮りつづけてしまいました。移築された井上靖の旧邸もここにあります。
文学博物館内には直筆の原稿や愛用品、さらには川端康成「伊豆の踊子」の生原稿なども展示されています。天城の大自然に導かれて生まれた、伊豆ゆかりの文学にも親しめる場所です。
昭和の森会館併設のショップでは、伊豆みやげの販売はもちろんワサビの収穫体験も提供しており、楽しみどころ満載。
11月末まで「紅葉まつり」開催中で、各店舗が特典を用意しています。
見どころ満載“天城越え”
天城湯ヶ島から河津町への道中にある、ほかの見どころもご紹介しちゃいます。まず、石川さゆりさんの「天城越え」にも登場する浄蓮の滝。
凄まじい水量は驚異的で、水辺ではアユ釣りもできます。マイナスイオンたっぷりで気持ちいい。
道の駅から少し登ったところにあるのは滑沢渓谷と、その奥にそびえ立つ「太郎杉」。狩野川の支流である滑沢川の流れと、鬱蒼とした樹林が織りなす風景を楽しめます。
散策路は昭和の森会館庭園からもつながっているので、道の駅から徒歩でのんびりしてもいいかも。
太郎杉は天城山中最大の木で、静岡県の天然記念物に指定されています。正面から眺めていると、顔が浮かび上がり、手足が生えてきて、いまにも歩き出しそうな……。そんな雰囲気です。
いかがでしょうか。天城は伊豆のなかでは寒い地域ですので、紅葉の見ごろも早く終わってしまいます。みなさまぜひこの時期に「天城越え」を!(車でもよいので!)