仕事や働き方に悩み疲れていませんか
悩める若者が集う「静岡若者研究会」って?

  • posted.2018/09/07
  • 空芯菜
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仕事や働き方に悩み疲れていませんか 悩める若者が集う「静岡若者研究会」って?

こんにちは! ライターの空芯菜です。

皆さんは働き方や仕事の悩みについて誰に相談しますか? 家族や友人に相談する方もいるでしょう。でも身近な人には話しづらいこともありますよね・・・。

じつは静岡には、仕事や働き方などで悩める若者を支援する方がいます! それが「SnowTree」代表、キャリアコンサルタントの下大澤 志保さんです。

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下大澤 志保

SnowTree代表。キャリアコンサルティングとコーチングを使って35歳以下の若者や若手社員の支援をしている。29歳だとは思えないほどしっかりしていてパワフル!

下大澤さんは月に1回、働きたい若者を応援するイベント「静岡若者研究会」を開催。自分の方向性や心の整理になると、参加者から好評を博しています。

私自身、就活には苦労した思い出があるのでどんなイベントなのか気になる・・・。

そこで下大澤さんに静岡若者研究会のこと、キャリアコンサルタントになったきっかけや現在の若者についてお話を聞きました!

※キャリアコンサルタント:キャリアコンサルティングを行う専門家のこと。主に企業、ハローワーク、教育機関、若者自立支援機関などで活躍している。

※キャリアコンサルティング:労働者の職業の選択、職業能力の開発や向上などの相談に応じて助言や指導をすること。

※コーチング:コーチングで必要なトレーニングを受けたコーチと個人またはチームが目標を設定し、成果を達成するためのパートナーシップのこと。

きっかけは25・26歳に悩んでいた自分の経験から

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 空芯菜

静岡若者研究会とはどんなところなんですか?
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下大澤

35歳以下の「働く」または「働きたい」若者が、仕事で迷ったときや、もっと前向きにもっと頑張りたいけど何か足りないと思っているときに駆け込める、エネルギーチャージができる場所だね。

wakaken_1静岡若者研究会の様子

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 空芯菜

そういう場所があるのはいいですね! 作ったきっかけってなんですか?
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下大澤

自分がそういう場所を欲しかったの(笑)あと25,26歳のときに悩んでいた自分みたいな存在を救いたいって思ってて。
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 空芯菜

そのときはどんなことで悩んでいたんですか?
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下大澤

大学を卒業するときにやりたいことがなかったの。ゼミの先生に「やりたいことがないなら金融に行きなさい」って言われて証券会社に入社した。だけど、3年目の壁に当たったの。「あれ、待って! 私、なにしているんだろう」って我に返った。

 

プライベートでもいろいろあって自分に向き合ったんだよね。2~3年は悩んでいたかな。

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 空芯菜

2~3年!? ずっと悩んでいたんですね・・・。
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下大澤

みんなに相談はするけど、誰も教えてくれない。でも私のことなんだからわかるわけないじゃん。さらにインターネットで「適職」「転職」「自己分析」とか検索したけど答えは載っていないわけよ。
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 空芯菜

確かに。インターネットに答えが載っていたら悩みませんよね。
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下大澤

仕事は大好きだったけど、悩んだあげくなにも変わらないから証券会社は辞めたの。
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 空芯菜

現在の仕事にはどうやって出会ったのですか?

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下大澤

「聞くスキル」を活かせる場はないか調べていたときに、キャリアコンサルタントとコーチングっていうものに出会って。それでコーチングを習いに行ったんだよね。
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 空芯菜

なんと! そのワードで検索していなかったらコーチングにも出会っていなかったかもしれませんね!
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下大澤

習いに行っているときに「話を聞くスキルを活かしたい」「働いていて悩んでいる子のサポートをしたい」「頭の整理を後押しすれば前に進めると思う」とか、自分の思いの丈を当時コーチングを教えてくれた人に話したの。

 

そしたら「それってキャリアコンサルタントっていう仕事で、もうあるよ」って言われて。数年間悩んでいたことが一気にソワーってなくなったね。

多くの若者に当てはまる「悩みの周期」

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 空芯菜

それが今の仕事に繋がっているんですね。なぜ静岡若者研究会はあえて若者をターゲットにしているのですか?
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下大澤

若者雇用促進法で定義している若者って35歳未満なの。だからひとくくりに若者といっても、35歳の年齢で制限しているんだよね。

※若者雇用促進法に基づき施行されている「ユースエール認定制度」をはじめ、若者(青少年)の定義は「35歳未満」とされています。ただし施策や事業に応じて「おおむね45歳未満」の方も対象とされるケースもあります。参考:平成28年1月14日厚生労働省告示「青少年雇用対策基本方針

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 空芯菜

なるほど!
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下大澤

それに私がずっと悩んでいた25,26歳のときにキャリアコンサルタントやコーチングのコーチは私のもとに現れなかった。もし、世の中にキャリアコンサルタントが溢れていれば、あれほど悩まなかったのかもしれない。

 

だから過去の自分のような子たちが困ったときに、すぐに手に届くところにいられるようにしたいの。

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 空芯菜

なるほど。そういう経験しないと若者を支援したいとかにつながらないですよね。実際、静岡若者研究会を利用している人って大体どれぐらいの年齢層が多いですか?
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下大澤

20代前半と30歳~35歳が多い。たぶん、悩みの周期があるんだと思うよ。

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 空芯菜

悩みの周期とはどういうことですか?
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下大澤

入社して5年目未満って1回悩むんだよね。20代後半(28~30歳)は落ち着くんだよ。だけど35歳に近づくほど悩みが増えるんだと思う。
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 空芯菜

言われてみれば、20代後半になって、20代前半のときより悩みは減った気がします。悩みの周期は多くの人が当てはまるのかもしれませんね。

面談するときはあえて聞くことに徹する

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 空芯菜

面談の際はどんなことをするんですか?
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下大澤

キャリア面談だと一人ひとりと面談するの。最近だと大学からの依頼で2年生の面談をしていたんだけどね、混乱して見えなくなっている、その子の価値観の部分に触れるような話をする。そこからその子なりの前進ができるようなものをふたりで発見して、背中を押すことをやっているね。
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 空芯菜

なるほど!
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下大澤

音楽をかけながらゆるい感じで、同じ目線まで落とすの。たとえば小さいときの話や高校の話などをあえて聞くに徹してる。やりたいことが見つからないっていう子は多いけど、その子自身が答えを持ってるって信じきる。だから教えない。

 

解決法を私があれこれアドバイスしても、その子がそれをできるとは限らないじゃん。

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 空芯菜

もし学生が「どうやったらいいんですかね?」って聞いてきたらどうするんですか?

wakaken_6グループワークで使用するカード「Point of You」。自分のやりたいことに近い1枚を選び、そのイメージを説明してもらって使うそう。

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下大澤

逆に「どうやったらいいと思う?」って聞く。そうすると答えるから! そして帰る前に必ず自分のためになることを1個だけ決めてくの。そうすると、就活の話をしているのに「筋トレをします」って言って帰る子もいる。
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 空芯菜

え!? 筋トレ!?
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下大澤

結局一番初めにやりたいことが見つからないから、筋トレに話が繋がっているんだよ。でもその子にとっての一歩が筋トレなの。私はそれでいいと思う。案外じつはやりたいことにつながっているんだよ。
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 空芯菜

わかります!
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下大澤

次に、その子が本当に実行しているのをイメージできるぐらい一緒に落とし込む。決めたことを達成できるように「いつやるの?」「どこで?」「誰か協力してくれる人はいる?」などをこと細かに話すの。それで1か月後に会うと劇的に変わるんだよね。

頑張れる子ほどひとりで抱え込みがち

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下大澤

私が感じているのは頑張れる子ほど孤独になりやすいし、ほっといてもできるって思われがち。
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 空芯菜

確かに! それありますよね!
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下大澤

そういう子って社会で活躍する子たちだと思うんだよ。でもその子たちをサポートしてくれるところがないから振り切れるんだよね。折れちゃうの。優秀だからこそ、ひとりで多くを抱えて頑張ろうって思っちゃう。

 

私は頑張ってくれる人たちほど支援が必要だと思うし、逆に見過ごされてる感じもするんだよね。

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 空芯菜

確かにそうですね。社会人になると「助けて!」ってなかなか言えないですよね。

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下大澤

悩んでいるときって、本人は頑張る気力もあって前に進みたいけど、ちょっと頭が混乱しているだけなの。キャリアコンサルタントをやっていて思うんだけど、自分事になっているとなかなかわからないんだよね。
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 空芯菜

気持ち的に余裕がないですしね。
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下大澤

だから、頭の整理や本人を信じてあげるようにサポートするだけで、びっくりするぐらい前に進むんだよ。私はそういう子がダメにならないで社会で活躍して欲しいんだ。その手伝いを私はしたいと思っているの。

キャリアコンサルタントの存在を知ってもらいたい

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 空芯菜

最後に静岡若者研究会としてもでも、コーチングのことでもいいのですが、これからしていきたいことを教えて欲しいです!
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下大澤

大きな目標は、25,26歳の私を救う作業をしたいね。同じように悩んでいる子たちがあまり長く悩みすぎずに、どんどん前に出て活躍する手伝いをしたいの。

 

小さい目標で言えば、これからは大学生とかの個人面談を増やしたい。大学生のうちにキャリアコンサルタントを知っていたら、社会人になって悩んだときも「ああ! キャリアコンサルタントって人がいた」っていう知識さえ残っていれば検索で辿り着けるじゃんね。

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 空芯菜

確かに! 救われる人は増えますね。
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下大澤

なにかあったときにお守りになればと思うんだよ。

 

あとは静岡若者研究会の開催が月1回、COTERRACE(コテラス)七間町だけなのは範囲が狭い気がするの。中部だけじゃなくて東部、西部でも静岡若者研究会を誰かに任せて開催したいね。

 

そもそもキャリアコンサルタント自体がまだマイナーで、国家資格になったのが2年前。

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 空芯菜

意外と最近なんですね!
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下大澤

みんなの手の届くところにキャリアコンサルタントが行きわたるような仕組みづくりをしたい。キャリアコンサルタントの人たちが活躍できる場所が増えれば増えるほど、手に届く人も増えると思うしね。

※COTERRACE(コテラス)七間町:葵区七間町にあるクリエイターシェアオフィス&コアワーキングスペース。

wakaken_10静岡若者研究会のマストアイテム

同世代で若者の働き方の支援をしている方がいるのは驚きましたが、同世代だからこそ若者の悩みを理解できるんですね。下大澤さんの相手を信じる姿勢に、若者も信頼して前に進めるのではないでしょうか。

会社のことや働き方で悩んでいたら「静岡若者研究会」に参加するのもいいですし、面談してもらうなどで一度頭の整理をしてみてはどうでしょうか。悩める若者の相談できる場所がもっと増えて欲しいです。

下大澤さんありがとうございました!

静岡の若者を研究する若者たち

COTERRACE(コテラス)七間町

住所:静岡県静岡市葵区七間町7-8 セブンセンタービル2F
Facebook:https://www.facebook.com/shizuokawakamono/?ref=br_rs(静岡若者研究会)
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Writer空芯菜

1992年生まれ。静岡県静岡市出身、在住。ライター、ブロガー、デザイナーなどをしています。趣味は美術館巡り、映画、音楽、散歩、人間観察。就活や働き方に興味があり就職に苦労した人や面白い働き方をした人に話を聞くのが好きです。自分を実験台にしながら働き方・生き方を模索中~!

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