about「Freakyshow(フリーキーショウ)」
静岡ライブハウス委員会vo.2
ライブハウスを遊びの選択肢に。
ふらっと足を運ぶにはハードルの高いライブハウス、その中身を誰でもわかるように大解剖する「静岡ライブハウス委員会」。
第2弾は静岡市のカルチャーをジャンルレスに支える、静岡市葵区両替町の「FreakyShow(フリーキーショウ)」です。
フリーキーショウの入口。
フリーキーショウを直訳すると「見世物小屋」。
見世物小屋の歴史を紐解くとそれはもう、日常では出会えないアヴァンギャルドでエクサイティングな興行があったわけですが、静岡の見世物小屋はもう少しソフトでロックです。
about 「FreakyShow(フリーキーショウ)」
フリーキーショウの入口その2。
静岡市街中の商業ビル「Fiesta両替町(フィエスタ)」。フリーキーショウはエレベーターで昇ったその5階、2006年にオープンしました。2018年で11年目を迎えます。
音楽の設備はライブセットとDJブース。天井にはプロジェクターも吊るされています。
箱の中は、柱や壁に描かれたスタイリッシュなペイントが目に飛び込む、アンダーグラウンドな空間。
柱の絵を描いたのは静岡を拠点に活躍するクリエイティブチーム「hint lab」のhisaさん、DJブースの壁に描かれた大きな絵はhint labと、超現場主義ライブペイント集団「OT29」の合作です。
キャパシティはスタンディングでMAX150人。でもパンパンのイベントで240人くらい入ったそうなので、MAXの人数はあくまで目安ですね。
またロッカーはありません。お客さんはいつもフロアの隅っこに置いたり、静岡駅のコインロッカーに入れたりしているのでご参考に。
フリーキーショウで鳴る音楽
フリーキーショウで流れる音楽は、ロック、ハードコア、アコースティック、ジャズ、ヒップホップなどジャンルレス。
ライブのみのイベントは少なく、「バンド+DJ(バンド転換中にDJ)」の形式がほとんどです。バンド×クラブのイメージです。
また「ジャズ」「ダンスショーケース&ハウス」などのレギュラーイベントを毎月4,5個開催中。
面白いのは最近、市内各地でサイファー※をしている若者がたまに集まっているそうです。時代を感じる。
※サイファー:複数人のラッパーが特定の場所に集まり、即興でラップをすること。
イベント全体の話をすると、じつはとにかくバラバラ、オールジャンル。
バンドやDJだけでなく、トークライブ、映画上映会(版代を支払うガチなやつ)、お笑いライブ、それこそダンスもそうですね。
「見世物小屋」を由来にするフリーキーショウならではのラインナップ。チケット代の目安は1,500円~3,000円+1ドリンクです。
ライブバーだからお酒もおいしい
こちらフリーキーショウのバーカウンター。イベントのない日はフロアにテーブルと椅子を並べて、バー営業をしています。
箱の個性が出るドリンクメニュー、とりあえず生ビールはカールスバーグです。もうこれだけで「おや?」と思いますね。僕は思いました。
イベント時は「ジントニック」「モスコミュール」「ラムトニック」「ショットガン」「バーボンコーク」など、ベーシックなメニュー。本領を発揮するのはバー営業のメニューでした。
なんと「スコッチウィスキー」「チンザノドライ」から、「マティーニ」「カミカゼ」「XYZ」などのショートカクテルまで提供してしまいます。
ちなみにバー顔負けのメニューが揃うなか、もっとも出るのは「お茶割り(静岡割り)」らしいです。拍手。
お茶の産地、川根本町で農家をしているDJから仕入れる、超うまい抹茶(オーナー談)を使用。
僕も1杯いただいたところ、超うまかったです。なんだか甘いですし、爽やかなお茶の香りが鼻からふっと抜ける絶品。
オーナーいわく「ライブバーだからお酒まずいはゆるされない」。
そして以前、コーヒー屋を営んでいたオーナーが淹れるコーヒーにもスポットを当てます。
注文を受けてからコーヒー豆を挽き、ハンドドリップで淹れる本格コーヒー。
酸味が勝つすっきりした味わいで、えぐみはゼロ。「ここコーヒー屋だっけ」と錯覚しました。コーヒーだけを飲みにくる常連さんもいるらしいです。
これらドリンクの値段は500円~700円。いかがでしょうか。
フリーキーショウで生を感じる
2017年秋に開催された「FEVER OF SHIZUOKA SUPER FREE」の一幕。バンドはTrack’s。
ちょこちょこと名前を出してきたオーナーの名は小坂さん。
静岡市の街中でカルチャーを支えるフリーキーショウは、音楽に逆風が吹いているとも言われている時代を、むしろポジティブに捉えていました。
小坂 |
いまはバンドの音源とかタダで聴けて、CDは売れない時代ですよね。
でもやっぱり音源とライブは別だし、家で全身に浴びるような爆音を流すのは無理で。
どんだけデジタルになっても生のよさはなくならない。だからライブハウスやクラブにとっては、いい時代になってきたとも思います。
音楽に気軽に触れられるいまだからこそ、ライブにどんどん来てほしいです。 |
フリーキーショウでは、毎月「サースデイハートブレイクス」というチケットフリーのイベントを開催中。入場時にワンドリンク500円を払うだけで、超1流のDJが回す音楽に触れられます。
ほかに投げ銭スタイルのフリーイベントも定期的に開催しているので、まずはハードルの低いイベントから遊びに行ってみてください。
お茶割りとコーヒーを飲みに行くだけでもOK。フリーキーショウはめちゃくちゃ気軽に行ける場所です。