海街を次世代につなげる人と文化の交流拠点!
下田ブランドを満喫できる「NanZ Village」
夏本番ということで、いてもたってもいられず南国へやってまいりました。先日、miteco編集部が取材ツアーを敢行している下田、南伊豆。
この地域へ遊びにきた際に、いつも迷うのが“ちょっとひと休みできる場所”。とくに真夏は海辺のカフェがいっぱいになりやすいので、ついコンビニなどで済ませてしまいがちです。
地域の海は美しさバツグン。写真は南伊豆町のヒリゾ浜。
金目鯛や伊勢海老料理も食べたいけれど、昼間は少し気軽に済ませたい……。そんなタイミングで寄るのにオススメの場所を、下田の中心地で見つけたので紹介します。
伊豆の資産を活かした「NanZ Village」
画像提供:NanZ Village
その施設とは、2015年9月にオープンした「NanZ Village(以下、ナンズヴィレッジ)」。都会的で、このあたりではひときわ明るい雰囲気を放っている気がします。
いったいどんなコンセプトで開かれた場所なのか、施設全体を担っている梅田さんに話を伺いました。
ナンズヴィレッジを統括する梅田直樹さん。
Takashi |
事前に調べた限りなのですが、運営する「VILLAGE INC」という会社は、西伊豆や南伊豆においてキャンプ場の運営などもしていらっしゃるのだとか。 |
梅田 |
伊豆の自然を活かした1日1組限定のプライベートキャンプ場です。家族や仲間同士でのアクティビティや企業研修など多様な過ごし方ができる、非日常のフィールドですよ。会社として南伊豆町へのふるさと納税も行なっています。 |
西伊豆のプライベートキャンプ場「AQUA VILLAGE 西伊豆」。このほかナンズヴィレッジをはじめ多様な事業に取り組んでいる。 画像提供:VILLAGE INC.
Takashi |
ホームページを拝見していると、いままでの伊豆になかったような遊びや日常を提案しているというか。そんななか、ナンズヴィレッジはどんな意図でオープンしたのでしょうか。 |
梅田 |
コンセプトはホームページにあるとおりで、開国の街である下田のゲートウェイとして、人と文化の交流拠点となるような“場”を創出することです。 |
6月「月1マルシェ」では傘に絵を描くワークショップを開催。 画像提供:Nanz Village
Takashi |
人と文化の交流拠点というと、イベントやマルシェなどを通して外から人を呼ぶとか、そういったことでしょうか。 |
梅田 |
そうですね。下田という土地柄、首都圏から来る方が多いです。ただ、ぼくはココが地元ということもあって、個人的にはもっとローカルというか、地元を育てたい気持ちがあるんですよ。 |
若者が地元のことを考える環境をつくりたい
梅田 |
イベントでにぎわうのはもちろんいいのですが、よくみんなと話すのは、「まつりが終わると人いないよね」ってことなんです。 |
Takashi |
普段は静かな街ですよね。でも、下田や南伊豆には県下随一といってもいいほどのきれいな海があって、海の幸も豊富ですから、観光地としての力はあるのでは。金目鯛の水揚げ量も日本一ですし。 |
こちらは下田の外浦海岸。
梅田 |
たしかに、海はずばぬけてきれい。ところがねー……金目鯛は、だんだん獲れなくなってきているんですよ。 |
Takashi |
え! そうなんですか? |
梅田 |
もちろんいますぐどうこうってハナシではないんだけど、この先はどうなるかわからないですね。 |
Takashi |
ショックです……。毎年のきんめ祭りはどうなってしまうんだろう。 |
梅田 |
ぼくが言いたいのは……なんていうかな。たとえばそうなったときに、地域でなすべきことを、地元の若者が考える、そんな環境づくりが必要なんじゃないかと。 |
Takashi |
若者というと、流出もやはり多いのでは。 |
梅田 |
それでもいいんです。Uターンしてきたときに、地元のためになにかできる、そんな人が増えていってくれれば。ぼくにとってナンズヴィレッジは、その想いを次世代につなげるための、実験の場なんですよ。 |
オリジナルメニューを展開する「南伊豆地域の食卓」
ナンズヴィレッジには「南伊豆地域の食卓」をコンセプトにした料理を楽しめる「NanZ Kitchen」、オリジナルスイーツを提供する「NanZ CHaYa」など計5つのショップが入っています。今回は下田ブランドにも認定された「海丼」をいただいてきました。
「NanZ特製 海丼」 1,390円(税抜)
下田近郊の地魚を中心とした海鮮タタキ丼。まずは醤油をかけて、シメにはダシ汁をかけてまご茶風に味わえます。
もう1品、梅田さん絶賛売り出し中の商品がコチラ。
下田で栽培されている無農薬レモンを使った「下田レモンシャーベット」。レモンは梅田さん自ら地元農家のもとを回り、買い集めてきたのだとか。
Takashi |
下田でレモンが栽培されているとは知りませんでした。 |
梅田 |
地元で販売していたレモンシャーベットに使うレモンを、下田のレモンだけにして実験販売してみたんです。下田レモンにはもともと加工品や産品がなくて。 |
120mlの容器にレモンおよそ3/4個を使い、果肉だけでなく皮まで使用することで、豊かな食感を華やかな香りを生み出しています。現在は追加生産するほど人気なのだそう。
梅田 |
おかげさまで、こちらもSNSで火がつき始めて。地元農家さんとの相談になりますが、こちらもブランド化していきたいなと思っています。そうやって、いままで地元を支えてきた農家さんや製造者の方達に、光があたるようになれば嬉しい。 |
ナンズヴィレッジについて、伊豆に都会的な風を吹き込んだ場所というイメージしかなかった筆者。“次世代につながる仕事”とはなにか。思いがけず考えさせられた取材になりました。
この夏、南伊豆地域の海へ出掛けるのであれば、ぜひコチラへも足を運んでみてください。