「ロッジモンド」で西伊豆の深部に触れる
自らの手で伐採した木を利用したホステル

  • posted.2019/07/11
  • kajo
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「ロッジモンド」で西伊豆の深部に触れる 自らの手で伐採した木を利用したホステル

伊豆半島の西海岸に位置する西伊豆町。2018年7月、美しい夕陽で有名なこの地に、「LODGE MONDO –聞土-(ロッジモンド)」はオープンしました。

廃業したペンションをセルフリノベーションした宿泊施設、その内装に用いられる木材は、森林整備の際に自分たちの手で伐採から加工までを行っています。

伊豆半島で育まれた独自の文化と生活を発信し、木の個性や特徴を活かした宿づくりを行う彼らを通して、新しい“西伊豆”の魅力に出会いましょう。

色鮮やかな個性ある個室の数々

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部屋ごとに質感の異なる木材を使用しているロッジモンド。1階部分にはフロント・ダイニング、4人部屋のドミトリーが2部屋、2階には和室を含む個室が5部屋あります。まずは1階、フロントとダイニングは同じスペースにありますが、フロントがなぜかバーカウンター?!

夜にはここがBARスペースに早変わりです。SNSを覗けば、ギターのLIVE配信が行われたり、スタッフ主催の各種イベントの様子を垣間見ることができ、画面前でうずうず。

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ダイニングの壁に用いられた木の板は、西伊豆の山で伐採した8種類もの木々を使用しています。ソファに座りひと息つくと、切り出された木々の爽やかな香りが嗅覚に訴えかけ、個性が活かされたうねりのある木目がイメージを与えるのか、なぜか山の中にいるような穏やかな気持ちになりました。

ダイニングを抜け、さらに中へ。

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「うわぁ!」と思わず声が漏れてしまった、色鮮やかな廊下部分。溢れる色の洪水に度肝を抜かれました。

この春にスタッフ総出で全館のリノベーションを終えたそうですが、目が醒めるような蒼色の壁面に、山から切り出されたという木の板を装飾した階段〜廊下部分は、異世界に迷い込んだかのよう。階段の手すり部分には立派な一枚板が、波打つような力強い形そのままに活かされています。

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続いて、2階の個室の室内を覗いてみます。

黄色と橙色の中間色、「アンバー」と名付けられたこの部屋は、本拠地である西伊豆の夕陽をイメージしたそう。最初に室内の色を決め、そのあとに木を選んでイメージを形にしていく順で作業は進められてきました。

一室一室、カラフルな色使いがとても印象的で、扉を開けて部屋を覗くたびに、そこにどんな色で表現された世界が広がっているのか、ワクワクします。

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燃えるような赤の色で塗装され、木々が自由に壁を伝うこちらの部屋は「フエゴ(fuego)」。スペイン語で「火」という意味です。

個人的にとても好みの色と木の力強さに、うっとりと見とれてしまいましたが、この部屋のイメージはどこから来たのでしょう? 気になる~~~!

旅のインスピレーションが投影された宿

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約30カ国もの海外経験を持つオーナーの松本さんに伺ってみたところ、「フエゴ」を仕上げる際には、パタゴニアにある“el fin del mundo(世界の果て)”と呼ばれる実際にある島「フエゴ島」からインスピレーションを得たそう。

地図でご説明を受けましたが、私の今までの人生で、まったく認知していなかった場所です。お話を聞いたあとに再度お部屋を覗くと、先ほどとはまた違った印象を受けます。行ったことのない場所を想像させる力が、旅の非日常性を助長する魅力のひとつだと知りました。

にしても・・・松本さんの旅話、めちゃくちゃ面白かった&かなり尖っているので、みなさんぜひ実際に会って話してみて欲しい。とてもここでは書き切れないネタ、持ってらっしゃいます。

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2階の個室のほかの色やイメージは、みなさんが実際に行ったときのお楽しみにとっておきましょう!

1階部分に降りると、4人部屋のドミトリーが。私も海外バックパックの際にはドミトリーを利用していましたが、伊豆だと珍しいスタイルでは?

ちなみにロッジモンドのお客様は、3割の方が外国からいらっしゃるそうです。西伊豆の国際交流のプラットフォームとしてのポテンシャルにも期待です。

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同1階の大浴場には、捻ると温泉が出てくる蛇口がついているので、アクティビティを楽しんだあとの1日の疲れも吹き飛びます。

もちろん近隣にも温泉は点在しており、伊豆の温泉巡りも楽しめちゃう。私のいつものコースです、たまりませんね。

観光資源の魅力を兼ね揃える「伊豆」という土地

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宿のオーナーである松本さんは、西伊豆・マウンテンバイクのツアー「YAMABUSHI TRAIL TOUR」の運営もされています。宿の運営含め、使われなくなった1200年以上も前の、歴史ある古道を再生させるために森林整備をするところから生まれた、西伊豆の山(=経済)を「まわす」仕事。

海、山、川といった伊豆の観光資源が、すべて手の届く範囲にある西伊豆では、アクティビティも盛りだくさん!

バージョン 2

「切り揃えられたものや個性を排除されたものに我慢がならなかったから、合板の幅木をひっぺがして、頭の中のイメージにある、個性ある木の板を迷いなくはめ込んだ。」

社会におけるさまざまな概念を軽々と取っ払ってしまうようなマインド。松本さんの持つイメージや、ご自身の人柄が反映された自由な宿「ロッジモンド」で過ごす一夜が、もしかしたら誰かの人生に、大きなきっかけを与えてしまうのではないかとすら思いました。

LODGE MONDO -聞土-

住所:〒410-3514 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科1081-1
電話番号:0558-36-3663
メール:info@lodge-mondo.com