季節の花×アート×美食が鮮やかに融合!
春を五感で感じられる「クレマチスの丘」
全国のクレマチス生産数の約6割を占めている、静岡県東部・長泉町。
富士山の麓に位置したこの町の、自然豊かな複合文化施設「クレマチスの丘」では、季節ごとに表情を変える美しい庭園と、彫刻作品に触れる美術館、地元野菜を使用した本格グルメを堪能することができます。
※本記事は、アルバイトタイムス運営「DOMO+」「いいとこ静岡」と「花めぐり」をテーマにしたコラボ記事。DOMO+では「はままつフラワーパーク(浜松市)」を、いいとこ静岡では「蓮華寺池公園(藤枝市)」をピックアップします。
花の便りで春の訪れを知る「クレマチスガーデン」
第一駐車場からすぐ、チケットセンターで受付を済ませ石畳の道の先に進むと、青い空とのびのびとした緑が開放的な「クレマチスガーデン」が目に飛び込みます!
クリマチスガーデンを含む、ヴァンジ彫刻庭園美術館は、イタリアを代表する現代具象彫刻家であるジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館です。
photo:今井秀治
ブロンズやすべすべとした大理石、御影石などの素材で造られた屋外の作品は、実際に手で触れて鑑賞することが可能。ヴァンジの彫り跡の残る作品に手をやれば、質感や温度の違いに気づきます。
photo:今井秀治
春を告げる、クレマチス・アーマンディーの開花と共に庭園を彩るのは桜です。アーマンディーの白と桜の淡いピンクとの競演に、うっとり。
花々や木々の色から感じる、この季節に限られた輝きを目に映すことの贅沢さ。ぜひその目と、空気の匂いから感じていただきたいところです。
心揺れるアートに触れる「ヴァンジ彫刻庭園美術館」
クレマチスガーデンを抜け”人間のなかの多面的な心の有り様を、多様な視点から具体的なかたちにした”、ヴァンジ彫刻庭園美術館の展示室の中へ。
常設されたヴァンジの作品にはさまざまな素材が用いられており、異なる素材がひとつの作品に使用されていたり、単純に見えるかと思えば複雑に思えたり。
ぐるりと作品の周囲を回れば、角度によって見えてくる表情がまったく違うことに気づきます。
胸の中がざわざわするような、ヴァンジの持つ表現要素の奥深いこと! 作品の持つ説得力に驚くことでしょう。
人間の内面を映す、心震える芸術を堪能したあと、美術館の外に出れば青々とした芝生が広がります。
こちらにも彫刻作品が点在しており、庭園と彫刻の見事な融合を見ることができます。
庭園内の見どころは、外周のフェンスやアーチ、自然植栽風に樹木に絡ませたクレマチスたち!
photo:今井秀治
ガーデンでは色や形、開花時期が異なる約250品種・2,000株のクレマチスが植栽され、1年を通してさまざまな表情を楽しむことができますよ。
彫刻作品「水を着る女」が佇み、初夏から秋にかけて開花する睡蓮が浮かぶ「鏡池」を越えて、「ホワイトガーデン」エリアへ。
「ホワイトガーデン」で可憐な花々にうっとり
photo:今井秀治
季節ごとの多様な白い花で造られた、ホワイトクレマチスが主役のガーデンです。
緑色と白色の上品でシンプルな組み合わせですが、花の種類が異なることで濃度や彩度は異なり、いつまでも眺めていたくなるような空間となっています。
photo:今井秀治
ベンチに腰掛けてみれば、目の前に広がる庭園の美しさについつい頬が緩みます。
ホワイトガーデンの奥、緑のアーチをくぐれば、ティーハウス「ガーデナーズハウス」に出会います。
晴れた日のみの営業で、気持ちのよい光が差した屋外でいただく、お菓子と飲み物のセット(ハーブティー&クッキー、フレッシュジュースなど)は散策のあとの休憩にぴったり。
ところどころに吊るされたバスケットから枝垂れる可憐なクレマチスや、フェンスに絡む蔓を見ていると、時間が穏やかに流れていくのを感じます。
地元静岡の食材を使った本格イタリアンを堪能
広く美しい庭園に後ろ髪を引かれながらも、お次はグルメを堪能!
同じくクレマチスガーデン・エリアにある、明るくて開放感のある「ピッツェリア&トラットリア CIAO CIAO」へ。
こだわりは、地元静岡の契約農家から仕入れる新鮮な野菜。
お店で一番人気の「マルゲリータ・クレマチス(水牛モッツァレラ・バジル・ルッコラ・トマト)」を注文して、そわそわしながらオープンキッチンを覗けば、石窯が!
400~450度の高温で1枚1枚丁寧に焼き上げられた、できたての熱々本格ナポリピッツァを、手でつかんで豪快にいただきます。
まず驚いたのは、鼻に抜けるフレッシュな野菜たちの香り! トマトは甘く、ルッコラもバジルも新鮮そのもの。シャキシャキと音の立つ歯ざわりの良い野菜と、ふわふわでもちもちっとした生地との食感の違いが楽しい!
一番人気ということも納得・・・1枚30センチほどもあるピザですが、ぺろっと平らげてしまいました。
ピザのほかにも、パスタのメニューや前菜・サラダといった、素材のよさを生かした料理が南イタリアの食卓の雰囲気を演出します。
おすすめはテラス席。木々たちの緑を眺めながら、富士の麓が育んだ食材に舌鼓、心もお腹も幸福感に満たされてください。
photo:今井秀治
季節の移り変わりを花の開花で知ることができる、自然と彫刻作品が理想的に調和した稀有な場所「クレマチスの丘」。
自然に囲まれた素晴らしいこの場所で、アートから知的な刺激を受け、庭園の花々に心潤う休日を過ごしてみてはいかがでしょうか?