
「Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法」という本をご存じですか?
この本は、ジャーナリストであるウォーレン・バーガー氏の著書で、IDEOの創業者ティム・ブラウン氏が絶賛したことでも有名な本です。
「Q思考」は、企業や人がイノヴェーションを起こすためのヒントがたくさん詰まっている良書ですが、今回は、本書からイノヴェーションに関わる3つの言葉たちをピックアップしてみました。
ある意味で、イノベーションとは、時間をかければ答えられそうな新しい疑問を見つけ、つくりだそうという行為のことだ。
こうした問いは、いったんそれが確認されると、新しいベンチャー企業をスタートする基礎になることが多い。
Googleを創業したラリー・ペイジ氏とサーゲイ・ブリン氏は、「Googleの検索エンジン」を発明しましたが、「検索エンジン自体」は発明していません。
Googleがこの世に産声をあげる前に、検索エンジンは多種多様なものがありました。
では、なぜラリー・ペイジ氏とサーゲイ・ブリン氏は検索エンジンを作ろうとしたのでしょうか?
おそらく純粋でシンプルな疑問が、頭の中に浮かんだのではないでしょうか?
(世界中の情報を整理して、世界中の人々がアクセスできるようにするには、もっと良い方法があるのではないか?)想像ですが、きっとこんな疑問が頭に浮かんだのかもしれません。
ウォーレン・バーガー氏は本書で、こうも言っています。
美しい質問だけが美しい思考を生む。
アイディアは常に疑問から生まれる。
イノベーションの起点になるのは美しい質問であり、美しい質問から、アイディアが生まれてくるのです。
人々はさまざまなアイディアを考えつく限りの方法で結合し、再結合してきたが、インターネット時代には「マッシュアップ(異種要素の混合)」の機会や組み合わせは無限にあるように思える。
ワイアード誌によると、「創造的な行為は、もはやゼロから何かを構築することではなく、むしろすでに存在している文化的製品から何かをつくりだすこと」だ。
Techbookでは、過去に「イノヴェーションを生み出すには混沌(カオス)が必要か?」と問いかけたことがあります。
そこでもご紹介しましたが、「アイディアのつくり方」という本には、「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」とはっきりと書いてあります。
インターネットによって、今や「マッシュアップ」の可能性は無限大に広がりました。
「新しい疑問」の答えを出すために、マッシュアップを積極的に行うことができる環境が必要ではないでしょうか?(それは例えば、混沌(カオス)と呼ばれるものかもしれません。)
企業が理念を貫こうとする際、マーケターがぶつかる一つの課題は、「自分たちは何かのために存在する」と言うことには慣れていても、逆に「自分たちは何に反対しているのか」を自問することはまずない、ということだ。
この言葉には、ハッとさせられました。
「自分たちは何かのために存在する」ではなく、「自分たちは何に反対しているのか」と問うことは、普通はしないように思います。
しかし、よく考えると、企業がイノヴェーションを起こそうとすることは、すでにある何かの代わりになろう(より良くしよう)とする行為に違いありません。
・・・そうであれば、「自分たちは何に反対しているのか」と問うことで、より深く自分たちのことを知ることができます。
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「Q思考」は、読むたびに新たな発見がある良書です。
まだ読んでいない方で、「イノヴェーション」や、「新しいアイディア」が生まれる過程に興味のある方は、今回の3つの言葉を探しつつ、ぜひ読んでみることをオススメします。
文/テックブック編集部
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