
「~円になります」「あちらになります」「以上になります」など、語尾の「~になります」が敬語として正しくないことはご存じでしょうか?時折、「~になります」はおかしい文法だと指摘する方も見かけます。
今回は、なぜ「~になります」が間違った敬語と言われてしまうのか、正しい意味や使い方を例文付きで解説します。
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時々、「『~円になります』という敬語の使い方はおかしい」という指摘が見受けられます。そこで、「~円になります」という敬語をおかしいと感じる人がいるかアンケートを取ってみました。
当社の調査結果によると、「100円になります」のような敬語表現をおかしいと感じる人は約43%いるようです。
言い換えると、店員さんから商品の価格を伝えられるとき、「~円になります」と言われても違和感がない方のほうが多いという結果が出ました。
半数以上が違和感ないため、正しい敬語という認識が広まっているのかもしれません。
「100円になります」などの表現に対し、「です」の丁寧語と考えている人もいます。場所やモノを丁寧に言いたいときに使うようです。
「~になります」が間違った敬語であると感じる方の割合、使いがちな誤用を文例つきで紹介します。
「~になります」という言葉は状態の変化や結果を表すときを意味します。正しい使い方の例文を見てみましょう。
常体 |
敬体 |
もうすぐ春になる |
もうすぐ春になります |
さなぎが蝶になる |
さなぎが蝶になります |
雨で中止になる |
雨で中止になります |
AとBを合わせて1,000円になる |
AとBを合わせて1,000円になります |
ややこしいですが、「~になります」と、合計金額を伝えるのはあながち間違いではないという意見も見受けられました。
「合計で〇円になりました」というニュアンスを伝える意味があると解釈できるからのようです。
「~円になります」という表現はいわゆるバイト敬語と言われています。誤用と正しい敬語表現を例文つきで紹介します。
間違った敬語 |
正しい敬語 |
100円になります |
100円です、100円でございます |
こちらがお品物になります |
こちらがお品物でございます |
こちらが資料になります |
こちらが資料でございます |
以上になります |
以上でございます |
「~になります」が多用されている理由について、インターネット上では複数の意見が見られました。
丁寧に伝えようとした結果、間違った用法の敬語を使っているのかもしれません。
「~になります」と同じ意味を持つ敬語表現が「~となります」です。
「~になります」「~となります」はどちらも変化や変更があったときに使うため、同じ意味の言葉といえます。したがって、使い分けをする必要はありません。
ただし、「~となります」は堅苦しい印象を与えます。
会話中で使うと重たくなってしまうこともあるので、話し言葉では「~になります」、書き言葉では「~となります」として使い分けるとよいでしょう。
たとえば、お店を予約いただいたお客様に到着時刻を尋ねるとき、「ご到着は何時になりますでしょうか?」と伺うのは間違いです。
「~になりますでしょうか?」は「ます」と「です」の二重敬語だからです。
「ご到着は何時のご予定ですか?」「ご到着は何時でしょうか?」と尋ねるようにしてください。
「~になります」という敬語用法に対して違和感がない人も多いです。
敬語として認知されつつありますが、本来「~になります」は状態の変化を表す言葉です。
よりスマートな話し方や記事の書き方を目指すならより正しい使い方を心掛けましょう。
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