2021年1月28日、突然App Storeの1位に躍り出た音声SNS『Clubhouse』(クラブハウス)。インターネット上で話題沸騰中のプラットフォームですが、なぜヒットしたのでしょうか?

Clubhouseの爆発的ヒット

たった数日の招待制プラットフォームが爆発的にダウンロード数を伸ばし、ニュース番組で取り上げられるなんて誰が想像できたでしょうか。

この記事では、

これらについて記事にしました。

 

オーディエンスの立場で数日間使ってみたので使い方の解説がてらレビューしました。メディアさんからのClubhouseに関する取材も対応しています。なお、記事は随時更新中なのでぜひブックマークなどしていただけると便利です!更新したらTwitterでお知らせします。

Clubhouseとは?

Clubhouseは米国カリフォルニアのスタートアップ企業、Alpha Exploration Co.が運営する音声SNSです。

Clubhouseでは登録したユーザーは会話用のルームを設置してラジオで誰かと会話したり、誰かが設置したルームへ会話を聞きに行ったりできます。音声は非常にクリアで音声のタイムラグもなく、その場にいるような感覚で会話できるのが魅力です。

自分のアカウント画面を表示しました。

Clubhouseのアカウント画面

いま主流のTwitterやInstagram、Facebookなどと比べると、Clubhouseは非常にシンプルなプラットフォームです。「いいね」や「シェア・リツイート」、「コメント」のような機能はありません。

たとえば、Clubhouseはこんな使い方が考えられます。

  • 友達同士で会話する
  • 有名人同士の会話を聞きに行く
  • 知らない人のルームへ飛び入り参加する
  • 音声セミナーを開催する
  • ラジオ番組を立ち上げる

音声コミュニケーションによる双方向のほか、ラジオ配信を聴くイメージで活用できます。

Clubhouseの登録方法

Clubhouseの登録方法を紹介します。もっとも、アプリをインストールしたら招待を受けるだけです。

ちなみに、ClubhouseはiOS対応のアプリなのでAndroidでは登録できません(2021年1月28日現在)。

 

Androidのユーザーに招待したとき「登録できないのに招待枠を使ってしまった」という事象が起きます。招待枠がもったいないという話になるので事前に確認しておきましょう。

1.アプリをダウンロードする

Clubhouseの招待を受けたとき、あるいは招待される前にアプリをダウンロードしておきましょう。手順は以下の通りです。

  • 1.App Storeにアクセス
  • 2.「Clubhouse」で検索
  • 3.「Clubhouse」をダウンロードする

Clubhouseの爆発的ヒット

 

Cluhouseは他のSNSと比べてもギターを抱えた人物の写真アイコンが印象的でした。iPhoneのホーム画面を開いたときに写真アイコンのアプリは少なく目に入りやすいです。このあたりもユーザーの可処分時間を奪うマーケティング視点があるのかもしれません。

2.Clubhouseの招待を受ける

Clubhouseをダウンロードし、友達や知人に招待されてからの流れは以下の通りです。

  • 1.携帯電話番号を入力
  • 2.SMS認証番号を入力
  • 3.名前とユーザー名を入力

ショートメールに以下のようなメールが届くので登録作業を進めましょう。

Clubhouseへの登録方法

なお、名前やユーザー名を1回しか変更できないという報告も見られました。ミスや個人情報の問題がないかよく考えてからClubhouseに登録しましょう。

 

Clubhouseへ友達を招待するときの方法や招待コードを使わない裏技など、『Clubhouseに友達を招待する方法は?登録が進まないときの対処法と注意点』のページにまとめました。

Clubhouseの使い方

実際に、Clubhouseを試しているうちに使い方や機能がわかってきたので紹介します。

上記をまとめました。

 

手探りでClubhouseの使い方をまとめています。「こんな機能あるよ!」とか「ここ間違ってるよ!」など、ぜひご指摘ください。

Clubhouseのアイコン・マークの役割

Clubhouseの各アイコンの役割を紹介します。

TOPページのアイコン

ClubhouseのTOPページでは以下の画面が表示されます。5つのアイコンについて説明します。

Clubhouseのアイコンの意味

アイコンの役割

検索…people(登録しているユーザー)やclub(コミュニティ)の検索機能

招待…他のユーザーを招待できる機能

配信予定…近日開催される配信イベント一覧

通知…他のユーザーからフォローされたときなどの通知

設定…プロフィールの設定

配信画面のマーク

Clubhouseの配信画面でユーザーの周りについているマーク(アイコン)の意味を説明します。

初心者アイコン

Clubhouseの初心者アイコン

登録から7日以内のユーザーはクラッカーのマークが表示されます。

モデレーターマーク

Clubhouseのモデレーターのアイコン

緑色の※マークはモデレーターマークです。モデレーター(moderator)とは、トークルームの管理者権限があるユーザーを意味します。

トークルーム内のマーク

Clubhouseのトークルームへの申請

友達をClubhouseに招待する方法

友達をClubhouseに招待する方法は以下の通りです。

1.「招待」のアイコンをタップ

Clubhouseのアイコンの意味

2.招待したい友達を選んで「Invite」をタップ

Clubhouseに友達を招待する方法

電話帳に登録されている人が表示されます。上からスワイプするのが大変な場合、検索窓から登録しているお名前で検索すると見つけやすいです。

ユーザーやClub(ユーザーが交流するコミュニティ)を探したい時は左上の「虫眼鏡」マークをクリックし、People(ユーザーアカウント)またはclubs(コミュニティ)から探します。

clubhouseのユーザー検索

ちなみに、「Clubs」の利用者は日本だとまだまだ多くないようでした。

音声配信に参加する方法

Clubhouseのアプリを使ってトークルームでの音声配信を聴く方法と参加する方法を紹介します。

トークルームの配信を聴く

clubhouseを聴く方法
白く囲まれているところにルームのタイトルや参加者が書かれているので、そちらをタップするだけです(モザイクを掛けているので少しわかりづらいかもしれません)。

配信しているユーザーの会話を聴けるようになりました。

clubhouseで配信を聴く方法

左下「Leave quietly」を押せばそのルームから離脱できます。

 

なお、トークルームの参加人数は2月1日現在で5,000人が上限という報告もありました。大人数を集客してイベントを開催するときなど、利用者数の上限は意識しておくとよいかもしれません。

トークルームの会話に参加する方法

「+」を押すと仲間を招待でき、右側の挙手マークを押すとルームへの参加申請ができます。

また、モデレーターからトークルームで会話するように促される例もありました。モデレーターからトークルームへ招待されると、以下のように表示されます。

Clubhouseでモデレーターからルームへ参加要請されたとき

「Maybe later?」は参加しない、「Join as speaker」は参加するという意味です。

音声配信をする方法

Clubhouseでトークルームを立ち上げて音声配信する方法は以下の通りです。

clubhouseの配信方法

真ん中にある「+Start a room」をタップします。

clubhouseの配信方法

Openは全世界に発信、Closedは仲間内に発信できます。Socialは自分のフォロワーなら全員がスピーカー・オーディエンス対象になる機能のようです(未確認)。

限定配信の場合、ルームの会話に参加を希望するユーザーが現れたら、以下のような画面が表示されます。

clubhouseのリスナー招待方法

左側の「Dismiss」は非承認、右側の「Invite as speaker」は参加ボタンです。

 

なお、スピーカーであっても移動中や食事中など音声をミュートにすることもできます。Clubhouseのミュートについて詳しくは別の記事でまとめる予定です。おそらく招待枠を増やす狙いがあると思いますが、無言の作業枠なども存在しています。

 

2021年1月6日時点で、Clubhouseの無言部屋はガイドラインへの違反に当たるリリースもありました。相互フォローをするだけの無音部屋はガイドライン違反に該当するようです。現状は問題ないですが、ガイドライン違反にあたるためアカウントBANの可能性もあります。ミュートにしないけれど無音で、時折パソコンのタイピング音が聞こえるような使い方なら問題ないと考えられます。

参考:notion co|Release note(海外サイト)

Clubhouseがヒットしている理由

Clubhouseが爆発的にヒットした理由について、世間の評判や見解、社内レビューからマーケティング視点や利用者視点で考察してみました。

招待制のプラットフォーム

Clubhouseは原則一人につき二人までにしか招待できない仕組みです。ただし、Clubhouseの利用時間その他なんらかの条件を満たすと招待枠が増えることが確認されています。

すでにClubhouseに登録しているユーザーから招待されないとユーザー登録ができません。

招待制によるプレミア感から招待枠を求める人も出ています。某フリマアプリに行くと10,000円前後の価格でClubhouseの招待が売られているというツイートも見かけました。

 

招待制によるプレミア感がClubhouse拡散の秘密のようです。ちなみに、アラサー世代の人の間では、「黎明期のmixiみたいで懐かしい」という意見もありました。

FOMOなコンテンツ

FOMO(Fear of missing out)であることが、Clubhouseへの招待を過熱させる要因になっているという意見もありました。FOMOとは、自分以外の人が有益な体験をしていることに不安を感じる状態で、「SNS病」とも言われています。

Clubhouseは会話がインターネット上にアーカイブされません。他のSNSの投稿は記録に残りますが、Clubhouseでは「いま」利用しないと情報が手に入らない性質のSNSです。

ClubhouseというSNSそのものまたそこで配信される音声コンテンツが「いま聞かないといけない」という状態なので、爆発的に広まったと考えられます。

 

ちなみに、クラウドサインさんがClubhouseの禁止事項を翻訳していました。録音や手元へのメモなど記録することを禁止しているようです。徹底的にFOMOなコンテンツを目指していると言えます。

関連記事:クラウドサイン|Clubhouse利用規約がユーザーに課した禁止事項

インフルエンサーの出現や直接会話

自分が聴いているClubhouseのルームへ突然有名人やインフルエンサーが現れ、10分程度話して帰るという事象も見られました

海外でも同じようなことが起きているそうですが、インフルエンサーがClubhouseのいろいろな場に顔を出す現象は自然なことだと言います。インフルエンサーがルームに現れた途端に話題がガラリと変わるため長時間聴いていても飽きません。

また、会話に参加希望をしてルームのオーナーから承認を得られたら、直接会話することもできます。有名人同士が話しているルームで会話に参加できるなら、プレミア感のある体験になるはずです。

 

自分が聴いているチャンネルに超大物が出てきたときは、街中で有名人を見かけたときのような興奮に似ていると感じました。FOMOなコンテンツの視点に近いですが、「いま自分が有益な場にいる」という気持ちにさせられるのもClubhouseの魅力と言えます。

聴覚だけに訴求するUI/UX

Clubhouseは聴覚だけに訴求するSNSで、動画コンテンツへのカウンターにより拡散したのではないかと考えられます。

Clubhouseは余計な機能を排除し、ユーザーの聴覚のみのコンテンツであろうとすることを徹底しています。たとえば、自分のClubhouseアカウントと紐づけられる他のSNSアカウントは、TwitterとInstagramだけです。YouTubeへ遷移することはできません。

TwitterやInstagramは、ユーザーからすると視覚だけを使うSNSです。一方、YouTubeは視覚と聴覚の両方を使います。ClubhouseのUI/UXを見る限り、「視覚を使うSNSは自由に使って拡散していいけどYouTubeは離脱されるからダメ」というスタンスが見えるように感じます。

 

社員に話を聞いてみると、「画面を見るのに疲れていたから音声コンテンツはラク」という声もありました。オンラインミーティングで画面を見る時間が増加しているユーザーにとって、聴覚だけのコンテンツが注目を集めているのかもしれません。

コメント機能がない

UI/UXの視点に近いですが、コメント機能がないこともClubhouseがヒットしている理由だと考えられます

TwitterやInstagramではユーザーへのコメントは当たり前です。また、ニコニコ動画のように動画そのものにコメントが表示されたり、YouTube動画への感想でコメントを書き込んだりと、動画投稿サイトでもコメント文化が当たり前でした。

しかし、Clubhouseはコメント機能がありません。コメントを追いかける必要がないので、「ながら作業」が非常にしやすいです。仕事中や移動中、あるいは入浴中や就寝前など、さまざまな時間帯に利用できます。

 

「YouTubeやミルダムの生配信はコメントを読み上げるから、内輪ノリに感じてしまう。でも、Clubhouseはコメント機能がないから初見でもラクだなと思った。」といった意見もありました。

Clubhouseの企業アカウントの活用事例

企業アカウントがClubhouseを活用する事例についてはあまり見られません。アイディアベースがほとんどですが、

  • ビジネス交流会
  • ファンコミュニティ
  • 採用イベント
  • インフルエンサーの交流会
  • 音声ウェビナー

こういった使い方が増えていくのではないでしょうか。

 

Clubhouseを企業アカウントが活用している事例は『【事例】Clubhouseの企業アカウント活用アイディア!採用イベントやインフルエンサーとの交流』にまとめました。音声SNSへの参入を検討している企業さんはぜひご覧ください。

Clubhouse利用時の注意点

Clubhouseを利用するときは、自分の発言が誰かを攻撃していないか気をつけて慎重に発言しましょう。

Clubhouseは音声がアーカイブされないようにユーザーから見えるため、つい行き過ぎた発言をしてしまう可能性があります。しかし、運営者側では一時的に音声データを記録していることがガイドラインに明記されています。つい攻撃的な発言をしてしまったとき、もしかしたら誰かから名誉棄損罪で訴えられるかもしれません。

マナーや良識の問題もありますが、差別や侮辱などの攻撃的な発言は控えるように心がけましょう。

 

FOMOな消費者心理に訴求することで成長したプラットフォームですが、本当に音声データがアーカイブされていないわけではありません。『Clubhouse内での誹謗中傷が名誉棄損罪に問われる可能性』の記事で詳細をお伝えします。

まとめ

Clubhouseのダウンロード数が爆増してからわずか数日。今の時点では「お祭り」といった状況ではないでしょうか?
短期的なトレンドに終わるのか、このまま爆発的にヒットするかは現状不明です。

ただ、Clubhouseはこれまで主流だったテキストと動画とは異なる音声プラットフォームです。ユーザー増加に伴い新たな利用方法や広告メニューなどが登場する可能性はあるので、WEBマーケティング視点でも注視しておく必要はあると思います。

 

SNSマーケティングのプラットフォームになる可能性があり、エストリンクスでも注目しています。個人的な感想を言えば、スタートアップ企業やD2C企業の人たちの会話はリアルな話も多く、どんどんコンテンツが出てくるので無限に聴き続けられる印象です。招待される機会があったらとりあえず使ってみるだけで面白いと思いますよ!