音声SNSのClubhouseの運営会社・Alpha Exploration Co.は、2020年2月に米国カリフォルニアで創業したばかりのスタートアップ企業です。
サービス開始から1年足らずで200万人が訪問するサービスに成長し、日本でも1月25日以降で爆発的に広まっています。

 

この記事では、Clubhouseの運営会社および資金調達状況・株価といった情報をお届けします。今後、Androidアプリの開発やクリエイター向けの助成プログラムなども検討しており、さまざまな展開が期待できるサービスです。

Clubhouseの運営会社

Clubhouseの運営会社は米国・サンフランシスコ州のスタートアップ企業Alpha Exploration Co.です。ここでは、事業内容や経営者の情報を紹介します。

Alpha Exploration Co.の事業内容

Alpha Exploration Co.の事業は招待制音声SNSの「Clubhouse」の開発・運営です

Clubhouseの爆発的ヒット

Clubhouseは音声版Twitterとも呼ばれていますが、プラットフォーム上へ自由にチャットルームを開設し、世界中の人々と会話ができます。

2020年4月にサービスが開始して以降、短期間で急激にユーザー数を伸ばしました。2020年12月時点で60万人以上が会員登録、2021年1月24日には200万人以上のユーザーが訪問しているようです。

なお、現時点ではiPhoneアプリしか対応していません。

参考:ITmedia|Twitterも真似するClubhouse、新ラウンドで資金調達 クリエイター支援へ

Alpha Exploration Co.のCEO

Alpha Exploration Co.のCEO/Co-Founder・Paul Davison氏の略歴を簡単に紹介します。

Paul氏はスタンフォード大学を卒業後に経営コンサルティングファームのBain&Company社で働いたあと、スタンフォード大学でMBAを取得してGoogleにインターンで参加したり、Pinterestのプロダクトマネジメントをしたりと、複数の企業で活躍していたようです。2018年頃からCoinlistのアドバイザーを務めながら、Clubhouseの前身となるTalkshowを立ち上げました。

2020年2月、Paul氏はサンフランシスコにてAlpha Exploration Co.を設立します。すでにSNSや音声チャットに関わる事業に取り組んでいたことが、会社設立後のスピード感に影響していると考えられます。

参考:Linkedin|Paul Davison

Alpha Exploration Co.の資金調達状況や評価額

急激にClubhouseのサービス利用者数を伸ばしているAlpha Exploration Co.について、現在の資金調達状況や会社の評価額を紹介します。

Alpha Exploration Co.の資金調達状況

Alpha Exploration Co.は現在シリーズBラウンドの資金調達を目指している状況です。調達総額は発表していません。

 

ちなみに、シリーズAラウンドは「顧客増加による成長ステージ」の資金調達、シリーズBは「経営が軌道に乗ったステージ」の資金調達です。もし、Alpha Exploration Co.がシリーズCラウンドの資金調達をしたら、IPO(新規株式公開)やM&Aの目前だと考えられます。

米国でClubhouseのサービス利用者が急速に拡大したのは2020年5月でした。アンドリーセン・ホロウィッツ(米国カリフォルニアのベンチャーキャピタル)がシリーズAラウンドの投資で1,200万ドルを調達したことがサービスの利用者増に影響を与えています。

さらに、Alpha Exploration Co.は2021年1月24日(現地時間)にシリーズBラウンドの資金調達をすると発表したことで話題になりました。この資金調達はAndroidアプリ開発やUI/UXの改善、サーバーの増加、またトークルームを開設するクリエイター向けの助成プログラム展開に充てることを目的としています

1月25日以降のGoogleトレンドの推移は以下の通りです。1月28日の検索数を100とすると、1月23日時点ではわずか1しかありませんでした。

Clubhouseの検索トレンドの推移

 

Googleトレンドを見る限り、おそらく、この資金調達をITmediaさんが取り上げたことを機に、トレンドに対する感度が高いIT・スタートアップ界隈中心に人気になったと考えられます。

Alpha Exploration Co.の株価

Alpha Exploration Co.は、2021年1月末現在で上場していません。そのため、一般投資家が株式を購入するのは難しく、株価についての詳細は不明です。

2020年12月時点での評価額はおよそ1億ドル、そのままの勢いで2021年1月21日には10億ドルに到達しています。

 

将来的に上場するのかあるいはGAFAMに買収されるのかなど、現時点で調査した範囲ですが今後の展望も未知数です。

Clubhouseサービス拡大時の問題点

Clubhouseのサービス拡大にあたって、さまざまな差別の温床になる点は問題になるかもしれません。現状さまざまなヘイトスピーチ(人種差別、女性差別、同性愛・トランスジェンダーへの嫌悪、反ユダヤ主義)の場に使われているからです。

Clubhouseでは「差別の場に利用しないでください」と利用規約で明文化しています。ただし、すべてを取り締まるのはなかなか難しいのが現状です。

また、Clubhouseの利用規約に18歳未満の利用を禁止する旨も記載されています。しかし、利用規約が英語のため多くの日本人が理解して登録していないのが実情です。そのため、今後18歳未満のユーザーがClubhouseで犯罪に巻き込まれ、日本国内で規制が進んでしまうのではないかという意見もあります

 

これまでのテキスト中心のSNSと違い、Clubhouseは音声SNSなのでサービス側の監視・パトロールは難しいかもしれません。当然対策手段も講じていると思いますが、サービス拡大やIPOを目指すにあたって問題になりそうなポイントだと考えられます。

まとめ

Clubhouseの運営会社Alpha Exploration Co.は創業1年足らずですが、すでに200万ユーザーが訪問するサービスに成長しました。

CEO/Co-FounderのPaul Davison氏の経歴を見る限り、SNSやWEBマーケティングに精通しているため、招待制の仕掛けで大きな拡散が起きたのだと考えられます。

 

現時点で一般投資家が株式を購入することはできないようですが、今後も急激に成長して音声SNSの領域で覇権を握る可能性が高いサービスです。なお、Clubhouseの概要や使い方は『Clubhouseとは?使い方・登録方法と人気の理由を考察しました【2021年1月版】』の記事で詳しく紹介します。