サーフボードを選ぶ際、「自分の身体に合っているか」をチェックすることが重要です。

身長・体重に合わないボードを使っていると、間違ったフォームを覚えてしまい、なかなか上達できません。サーフボードには適正サイズがあるため、それを基準に選びましょう。

この記事では、身体に合ったサーフボードの適切な選び方や適正サイズを考慮する大切さについて解説します。初心者でサーフボードの選び方がわからない方、今のサーフボードが自分に合っているか知りたい方は参考にしてください。

■この記事でわかること
  • 自分に合ったサーフボードの選び方がわかる!
  • 日本人の平均身長の適正サイズがわかる!
  • 自分の身長や体重に合わせてボードを選ぶ大切さがわかる!

身長と体重に合ったサーフボードの選び方とは

身長に合ったサーフボードを選ぶ際、まずはボードサイズ表記の見方を知る必要があります。

サーフボードのサイズは”インチ”と”フィート”を用いて表記されます。1フィート=30.48cm 、1インチ=2.54cmです。また、表記される順番も覚えておかなければなりません。

例えば「7’2”x21’3/4”x2’3/4”」と書いてあった場合、左から「長さ」「幅」「厚み」を示しています。cmに換算すると長さ218.4cm、幅55.25cm、厚み6.99cmとなります。

また、体重に合ったものを選ぶ際は、浮力も参考にする必要があります。浮力はL(リッター)で表示されます。

例えば「50L」と書いてあれば、それは浮力が50Lであることを示しています。

はじめはサイズ表記に慣れていないので、理解できるまでに時間がかかるかもしれません。困ったときはショップのスタッフやベテランのサーファーに尋ねてみてください。

ボードの長さ|身長+10㎝以上長いもの

ショートボードは基本的に自分の身長より10㎝前後長いものがベストサイズです。ただし、初心者の場合は身長より20~30cm以上あるボードをおすすめします。

初心者に長めのボードが良い理由は、浮力があり安定感に優れているからです。身体の重心がフラフラしないので、立ち上がりやすく楽に漕げるというメリットがあります。また、スピードを出すのにも長いボードの方が適しています。

最初のうちは、ボードを地面に立てて自分の身長より10cm以上長いもの、もしくはミッドレングスやロングボードを選ぶようにしましょう。

幅|初心者は広めがおすすめ

初心者はまず立ち上がることに苦戦するので、幅が広くて立ちやすいボードが良いでしょう。幅の広いサーフボードのほうが、海面への設置面積が広くなるため安定感が生まれます。

また、設置面積が広いことで波の力も受けやすくなり、スピード感や推進力も得られます。

サーフボードは波のコンディションや、求めるパフォーマンスなどによって最適な幅は異なりますが、初心者は幅の広いボードを選べば間違いないでしょう。

厚み|安定性を重視しよう

厚みがあるサーフボードは、浮力が大きくなるため安定感が生まれます。薄いボードだと操作性はありますが、浮力が下がってふらつきやすいので初心者には不向きです。

また大きな浮力が得られるサーフボードは、海面からの反発を強く受けられます。バランスを崩したとしても、海面からボードへの反発で跳ね返ってくるため、転びそうになるのをカバーできます。

ただし脚力に自信のない方は、少しだけ厚みを抑えたボードが良いでしょう。浮力が少なくなると、その分操作がしやすくなります。

浮力|レベルに合わせよう

初心者、中級者、上級者のレベルによって適正浮力は変わります。

例えば、体重60kgであれば上級者は22.5L、中級者は27.0L、初心者は32.5L程度が目安となり、初心者と上級者では10Lも差が生まれます。。レベルが上がるほど適正浮力は小さくなっていきます。

初心者は適正浮力よりも、少し大きい浮力のあるボードを選ぶようにしてください。理由は、推進力が高く漕ぎやすい、立ち上がりをスムーズにできる、波に乗る感覚や楽しさを覚えて上達しやすい、といったメリットがあるからです。

初心者にとっての浮力の重要性については、以下のリンクで詳しく解説しています。気になる方はぜひ併せてチェックしてみてください。

【サーフボード選び初心者向け】体重やレベルに適した浮力とは?

【身長・体重別】サーフボードの適正サイズ

日本人の平均身長である156~170㎝前後の方に適したサーフボードの長さは、初心者の場合だと180~200cm程度、中級者では170~180cm程度となります。

つまり、初心者は自分の身長プラス20~30㎝以上、中級者は初心者のサイズまたは基本のプラス10㎝以上を参考にすると良いでしょう。

また、日本人の平均体重である50~60kg前後の適正浮力は、初心者で約25~45L、中級者で約24~27Lです。ただし、初心者のなかでもテイクオフ練習中と習得済みでは適正が変わってくるので注意してください。

上記で説明したサーフボードの適正サイズと適正浮力は以下の表のとおりです。自分の身長とレベルが交差する部分をチェックしてみてください。

■サーフボードの適正サイズ(長さ)

初心者20㎝~ 初心者30㎝~ 中級者10㎝~
Feet(㎝)
150㎝ 5’7″(170.2cm) 5’11″(180.3cm) 5’3″(160cm)
155㎝ 5’9″(175.3cm) 6’1″(185.4cm) 5’5″(165.1cm)
160㎝ 5’11″(180.3cm) 6’3″(190.5cm) 5’7″(170.2cm)
165㎝ 6’1″(185.4cm) 6’5″(195.6cm) 5’9″(175.3cm)
170㎝ 6’3″(190.5cm) 6’7″(200.7cm) 5’11″(180.3cm)
175㎝ 6’5″(195.6cm) 6’8″(203.2cm) 6’1″(185.4cm)
180㎝ 6’7″(200.7cm) 6’9″(208.3cm) 6’3″(190.5cm)

■サーフボードの適正浮力

初心者
(テイクオフ練習中)
初心者
(テイクオフ習得済)
中級者 上級者
45kg 36.5L 27.5L 23L 19L
50kg 39L 29L 24.5L 20.5L
55kg 41.5L 31L 26L 21.5L
60kg 43.5L 32.5L 27L 22.5L
65kg 46L 34.5L 28.5L 24L

【サーフボード選び初心者向け】体重やレベルに適した浮力とは?

自分の身長・体重に合ったサーフボードを選ぶ大切さ

自分の体格に合わせたサーフボード選びは、初心者にとって非常に大切です。

適切に選ぶことで、ドルフィンスルーや立ち上がりがしやすくなり上達の早さに直結します。ここからは3つのメリットについて詳しく解説していきます。

ドルフィンスルーがしやすくなる

ドルフィンスルーがきつい

ドルフィンスルーとは、押し寄せる波の下を潜り抜けることを意味します。向かってきた波に流されるのを防いだり、沖に出るために必要不可欠なテクニックです。

適正浮力を大幅に超えたボードを使った場合、ドルフィンスルーをするのにかなりの体力を要し、すぐに疲れてしまいます。

その理由はビート版と浮き輪を比べてみるとわかりやすいでしょう。ビート版の方が沈みやすく、浮き輪で沈むことができても、かなり力がいることは容易に想像できます。

また、ドルフィンスルーをする直前には、漕いでスピードを出さなければなりません。自分の身長や体重に合ったボードを使用することで漕ぎやすくなります。

立ち上がりやすくなる

サーフィンを楽しむには、まず立つことを覚える必要があります。適正浮力よりも少なすぎれば、安定感がなく立ちにくくなってしまいます。

ただし、適正浮力より大きすぎるのも問題です。立とうとしたときにバランスを崩し、ボードから身体が落ちてしまう可能性があります。また、波に押されたときのスピードが速すぎて焦ってしまうケースも考えられます。

特にサーフィン初心者の場合、自分に合っていない浮力のサーフボードだと、誤ったフォームを覚えてしまうこともあります。適正浮力よりも5L以上大きいものは選ばないようにしましょう。

このように、サーフボードの浮力は少なすぎても大きすぎてもいけません。適正浮力に合ったボードを使用することで、これらの失敗を防ぎやすくなるでしょう。

上達するまでが早い

サーフィンを上達させるには、何よりも続けることが大切です。そのためには「楽しさ」や「達成感」を感じることが1番の近道であることを覚えておきましょう。

自分に合ったサーフボードを選ぶことで、立ち上がる、波に乗れる、技を決める、といった技術を習得しやすくなります。それが楽しさや達成感につながり、「もっとうまくなりたい」と思うことでさらに練習を重ね、どんどんスキルが上がっていきます。

自分に適したボードを使っていないと、このような良いサイクルは生まれません。早く上達したい方にとって、適切なボードを選ぶことは最優先事項といえるでしょう。

自分の身長・体重に合ったサーフボードを使うことが上達の近道

自分に合ったボードを選ぶためには、ボードの長さ・幅・厚み・浮力の4点に着目することが大切です。初心者は身長プラス20~30cm以上、幅と厚みは大きめ、浮力は適正表を目安にすると良いでしょう。

身長・体重を考慮して選ぶことで、ドルフィンスルーしやすくなる、立ち上がりやすくなる、早く上達できる、といったメリットを得られます。

とくにサーフィンを始めたばかりの方は、自分の身体に合っているかどうかを一つずつチェックしながら選びましょう。