買取業のフランチャイズで失敗する原因と対策
ライター
メタロマン@仮想通貨・副業ライター

メタロマン

マネーちゃんβ編集長

WEBライター歴11年。昔は紙(太陽光発電などをテーマにした業界紙)でも書いていました。「実際に使ってみる・取材してみる」を心がけています。
得意なこと:買取(楽器・オーディオ・ブランド品・ゴルフなど、事業者様と多数お付き合いあり。査定経験もあります)、仮想通貨・NFT・メタバース、音楽、副業

2兆円の市場規模と言われる買取・リユースの世界に進出するとき、フランチャイズに加盟して事業を始めたいと考える人もいるのではないでしょうか?しかし、買取業のフランチャイズに参入して失敗する人も見受けられます。

この記事では、買取業のフランチャイズに参入して失敗する原因と対策についてまとめました。

買取フランチャイズに失敗するケース

買取業のフランチャイズオーナーになったからと言って成功を保証されているわけではありません。フランチャイズ加盟店になって失敗する原因を考察しました。

買取業のマーケティング担当と話したことがありますが、1件の買取成約に関する広告費は2013年から2022年の10年間でおよそ5倍になったと言います。買取店の急増や集客効率が鈍っていることは、買取フランチャイズで失敗しやすくなっている理由かもしれません。

本部のロイヤリティが高い

本部のロイヤリティが想定よりも高くてフランチャイズ店を撤退したという失敗例はよくあります。

買取フランチャイズ店各社のロイヤリティを見てみましょう。

フランチャイザー(本部) ロイヤリティ
大黒屋 65万円
おたからや 3050万円
わかば 25万円
買取専門店大吉 2030万円

参考記事:おたからやフランチャイズは儲からない?経営時の開業資金について解説

買取業のフランチャイズのロイヤリティは20~60万円程度が相場です。この中だとおたからやのロイヤリティは高額だと言えます。

ただし、集客のための広告費に本部が当てているなら「ロイヤリティが高額=失敗する」とは限りません。

例えば、おたからやは、Yahoo!やGoogleのさまざまな検索キーワードで上位を獲得しています。買取店はインターネットの検索集客(SEO)が集客に直結するため、集客に費用をかけている可能性が高いです。

買取業のフランチャイズに加盟して成功を目指す場合、ロイヤリティに対して本部が加盟店にどんなリターンを提供しているか確認しましょう。

店舗数が急激に増えている

店舗数が急激に増えているフランチャイズ加盟店は失敗するリスクが高いです。

フランチャイズ加盟店が急激に増えている場合、加盟店に対する教育が手薄になることがあります。開業からしばらくは研修のために店舗に社員が派遣されるとき、経験が少ない社員が来る可能性が高くなるからです。

また、フランチャイズ加盟店が急激に増えている場合、同グループ内の加盟店がライバルになるかもしれません。

一見すると、店舗数が急増しているフランチャイズは儲かりやすいように見えます。ただし、研修体制や競合店舗数の増加のリスクもあるため、自分が経営者であるという自覚を持ってフランチャイズに加盟しましょう。

買取の集客が伸びない

買取フランチャイズに加盟したのに集客が伸びず、失敗するケースも見受けられます。

フランチャイズの場合、本部の集客やブランド力に依存します。ロイヤリティが高額でも集客のための広告に注力しているなら、来店数が増えて仕入れが順調にでき、ロイヤリティが回収できるはずです。

買取店の集客・仕入れは数より質ですが、来店数が集まらなければ良質な仕入れができません。フランチャイズ加盟の前に確認しておきましょう。

収益モデルの期待値が高すぎた

黒字は出ているけれど、事前説明会で聞いていた収支モデルほど儲からず失敗したと考える方もいます。

フランチャイズ加盟店の事前説明会で聞かされる収支モデルは成功例です。当然、フランチャイズ本部側も加盟店数を増やしたいのでうまくいった例を話しています。

フランチャイズに加盟したからと言って必ずしも期待通りになるとは限りません。収支モデルはあくまで成功例なので、期待しすぎずに加盟しましょう。

偽物や盗品を買取してしまった

買取店に持ち込まれるお品物が偽物や盗品のため、本部が買取してくれなかったり返品対応になったりすることも少なくありません。お客様が故意なのか過失なのかは状況に寄りますが、仕入れ代金だけがかさんでしまうこともあります。

フランチャイズに加盟してからは、買取するお品物に対する責任はあなたが持つことになります。査定に関する審美眼を磨いて買取フランチャイズに失敗しないようにしましょう。

買取フランチャイズで失敗しないために

買取フランチャイズを始めるなら失敗しないための事前準備が大切です。ここでは、買取フランチャイズを始めるときの心構えをまとめました。

本部の集客体制を確認する

フランチャイズ本部が買取のための広告活動にどれだけ力を入れているかを確認しましょう。

例えば、芸能人をイメージキャラクターに起用してブランド力を強化したり、チラシやインターネット集客に注力していたりと、フランチャイズごとに広告活動の方針は異なります。なぜ、その広告活動をしていてどの程度効果が出ているかは確認してください。

高額なロイヤリティの使い道が広告活動なら自分にもリターンが期待できます。どのような広告活動を展開しているか確認しましょう。

真贋査定の体制を確認する

AIによる真贋判定システムやウェブカメラでフランチャイズ本部が査定する体制など、事業を成功させるための体制を整備しているフランチャイズを選びましょう。

ブランド品からホビーアイテムまで、買取店にはさまざまなお品物の査定依頼が来ます。1店舗のスタッフがすべてを網羅するのは現実的に不可能です。ご自身の査定の審美眼を磨くことは大切ですが、本部の手厚いサポートが受けられるフランチャイズをおすすめします。

本部の研修・サポート体制を確認する

フランチャイズ本部の研修やサポート制度は十分か確認してください。前述のとおり、お品物の真贋を確認する体制が整っているか、レベルが高いアドバイザーを店舗に派遣してくれるかなどがチェックポイントです。

特に、買取業未経験の場合、さまざまなトラブルが想定されます。豊富な事業経験があるフランチャイズを選び、トラブルシューティングを学べるようにしましょう。

十分に検討して買取フランチャイズを成功に導こう

リユースの市場規模が2兆円に伸びていることから、買取業に参入したら儲かると安易に考えてしまう方もいると思います。しかし、フランチャイズであれ経営であり商売なので、経営者としての知識や技術、真贋を査定する審美眼などが要求されます。

まずは複数の買取業フランチャイズの事前説明会を聞き、十分に比較検討のうえで加盟するフランチャイズを決めましょう。ご自身に合った本部を選ぶことが買取業フランチャイズ成功への第一歩です。

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