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キーワードカニバリゼーションがSEOに与える悪影響と対処法

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安藤悟

静岡県静岡市出身。株式会社エストリンクスの創業者・代表取締役。 Webマーケティング業界歴10年超。「地方から全国に」をモットーに、SEMを活用して、静岡県のお客さんの全国進出を支援した実績あり。 得意な業界は主に、生活関連サービス(買い取り・住まいトラブル)など。

今では当たり前になったキーワードカニバリゼーション。

当社の回りでは2017年頃から時々耳にするようになりました。2016年のWELQ問題前は文字数と記事数に頼ったコンテンツSEOが流行しており、WELQ問題以降でキーワードグルーピングや内部リンクを重視するSEO会社が増えたと記憶しています。

この記事では、キーワードカニバリゼーションの概念とSEOへの悪影響、チェック方法や対処方法を紹介します。

キーワードカニバリゼーション(カニバリ)とは?

キーワードカニバリゼーション(カニバリ)とは、自サイトにある複数のページが同じ検索意図のキーワード群で共食いしあっている状態のことを言います。カニバリゼーション(共食い)が語源です。

例えば「SEO会社 おすすめ」と「SEO会社 人気」というキーワードがあるとしましょう。

どちらのキーワードも「評価が高いSEO会社を比較検討したい」というユーザーの検索意図があると考えられます。もし、非常に近しい検索意図を持った2つのキーワードに対し、同じサイトで別々にページを作ったら多くのユーザーはサイト回遊時に混乱するはずです。

同じサイト内に近しい検索意図のページが複数あった場合、ユーザーと同様にGoogleもどのページを評価して、検索エンジンにインデックスしたらいいかわかりません。このようにGoogleがページ評価時に混乱することがカニバリの問題です。

カニバリによるSEOやWebマーケティングへの悪影響

カニバリがSEOひいてはWebマーケティングに与える悪影響を紹介します。

検索順位が不安定になる

カニバリによって同じ検索意図のページがGoogleに複数評価されると、検索順位が不安定になります

例えば、順位計測ツール「GRC」である順位の推移を計測したところカニバリが見られました。

このキーワードは、静岡県のエリアページと浜松市のエリアページが交互にGoogleの検索エンジンに評価されている状態です。青色の線を見てもらえるとわかりますが、2024年5月中旬に順位が大幅に下落し、再び順位が戻っています。

カニバリによって検索順位が不安定になると、それぞれのページへのセッション数が減少し、ページ内でのユーザー行動が蓄積されません。ページ内にエンゲージメントが貯まらずページが正しく評価できないため、カニバリがSEOの順位に悪影響を与えると考えられます。

被リンク評価が分散される

近しい検索意図のページが複数あると内部リンク・外部リンクともに分散されてしまうため、SEOにおいて効果的ではありません

有益な記事だと思って外部リンクを貼ってくれるユーザーたちも、AさんはAのページを、BさんはBのページとバラバラに紹介するため、ページごとのリンク獲得効率が悪くなります。

自社のスタッフが内部リンクを貼るときも「どちらのページを紹介したらいいの?」ということが起きます。明確なオペレーションがあるなら対処できるかもしれませんが、内部リンクの構築において大きなロスになることは明白です。サイトやカテゴリを設計するときは、近しい検索意図のページを複数制作しないように事前に検討しましょう。

なお、エストリンクスではトピッククラスター戦略に基づいてページ構成を考えています。トピッククラスターについて詳しくは以下のページをご覧ください。

トピッククラスターとは?SEOに有効なカテゴリ構成のための戦略

クロールバジェットの無駄遣いが起きる

Googleはひとつのサイトに対して毎日取得する情報(htmlページ、画像、CSSなど)の量を決めています。サイトの情報をインデックスするために巡回するクローラーの予算を決めていることから、クロールバジェットと言います。

例えば、Search Consoleで見ると、以下のサイトでは6月6日にクローラーが1,934の情報を取得していました。

もし、近しい検索意図のページが複数あると、Googleのクローラーはそれぞれのページおよび付随する画像などの情報を取得しなければなりません

小規模なサイトだと1日に数十件程度しかクローラーが巡回しないため、Googleへインデックスされるまでに時間がかかります。頻繁にクローラーが巡回するコンテンツではないと次第に順位が下がるため、クローラーが巡回しやすいサイトを作るためにもカニバリは回避しましょう。

意図しないページの上位表示によりCVが狙えない

意図しないページが上位表示されることはSEOに悪影響を与えるだけではありません。サイトのCV(コンバージョン)が低下することも考えられます。

例えば、「コンテンツSEO 上位表示」で狙いたいのに「安くコンテンツ制作ができる」という内容のページが「コンテンツSEO 上位表示」のキーワードに対して上位表示された場合、ユーザーに対しての訴求ポイントが異なります。

期待よりもCVが狙えなくなるため、せっかくのSEO施策が効果的ではなくなる点もカニバリの問題です。

カニバリのチェック方法

エストリンクスのSEOチームがカニバリをチェックする方法を紹介します。

GRCを利用する

簡単かつスピーディにカニバリを発見しやすい方法がGRCの利用です。

前述のとおり、以下のような順位挙動を見せるキーワードがあったらカニバリを疑うとよいでしょう。

SEO担当者の方は、毎日何十、何百、あるいは何千といったキーワードの順位を計測していると思います。特定のキーワードだけ急激に順位が下落したときはカニバリを疑い、次に紹介するSearch Consoleで原因を深掘りして調査しましょう。

Search Consoleを利用する

最も高精度でカニバリを特定できる方法がSearch Consoleです。

Search Consoleではカニバリが疑わしいキーワードを入力してみましょう。同じキーワードに対して複数のページURLが出てきた場合、カニバリが起きている可能性が高いです。

特に、複数のページURLの表示回数が一定期間の中で均衡しているときは必ずといっていいほどカニバリが起きています。

カニバリの対処方法

カニバリが起きているときの主な対処方法を紹介します。エストリンクスのSEOチームも実践している方法なのでぜひ参考にしてください。

ページを非公開にする

同じ検索意図のページが複数あって非公開にしてよい場合、片方のページを非公開にするとカニバリが解決できることがあります。

非公開にするページにSEO評価がある場合、残すページに向けて301リダイレクトを実行しましょう。例えば、被リンクがついていたりSNSで拡散されたりと資産価値があるならリダイレクトがおすすめです。

もし、SEO価値がない場合はただページを削除するだけでも構いません。

リライトをする

どちらのページも残したい場合、ページタイトル・見出し・ディスクリプションを中心にカニバリが起きている複数のページをチェックしてリライトしましょう。

それぞれのページに同じキーワードを使用していたり、同じ検索意図のユーザーに対して記事を書いていたりする場合、どちらかの記事をリライトします。

もし、トピッククラスターのピラーページとクラスターページを狙っていたのにカニバリが起きてピラーページが優先的に表示される場合、ピラーページの情報量を減らすのもよいでしょう。

内部リンクを改善する

内部リンクの改善によってカニバリが解消できるケースもあります。

検索結果に出したいページに向け、検索結果に出したくないページから内部リンクを送ります。内部リンクによりどちらのページが正しいか、主従関係をGoogleに知らせることができるからです。

このとき、カニバリが起きているキーワードをアンカーテキストに含めましょう。Googleが内部リンク先のページの役割をより正しく認識できます。

カニバリの早期対処でSEO施策を続けよう

近しい検索意図のページのカニバリによるSEOへの悪影響についてお伝えしました。

なお、適切なキーワードグルーピングや検索意図ごとの分類をしてもすべてのカニバリが防げるわけではありません。事前のサイト・カテゴリ設計が完璧でも、Googleのアップデートに伴う検索結果の変動やユーザーの検索意図の変化など、さまざまな事情によりカニバリが起きることはあるからです。

エストリンクスでは施策対象となるキーワードごとに調査シートを作成し、ページ公開後もGRCで計測しているため、もしカニバリが発生しても迅速に解決できます。

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