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メタロマン@仮想通貨・副業ライター

メタロマン

マネーちゃんβ編集長

WEBライター歴11年。昔は紙(太陽光発電などをテーマにした業界紙)でも書いていました。「実際に使ってみる・取材してみる」を心がけています。
得意なこと:仮想通貨・NFT、音楽、副業、買取、アプリ

2021年10月28日、Facebook社がMeta(メタ)に社名を変更することを発表しました。今後、メタバース領域の構築に総額100億ドル(日本円で約1兆1,500億円)投資する見込みです。

 

2021年12月9日、Facebook社はメタバース用ゲーム『Horizon Worlds』の一般提供をアメリカとカナダで開始しました。一般公開に合わせてゲーム内で遊べるゲーム『Arena Clash』も発表されています。

まずは『Horizon Worlds』のゲームの世界観を動画で見てみましょう。

Facebook社がMeta社への社名変更とメタバース領域へ発表した時期、株価は3%ほど推移しました。市場からの注目も高いFacebook社のメタバース進出の理由と、『Horizon Worlds』の内容、現在の世相について紹介します。

 

本記事では、原則Faceobook社として執筆します。

FacebookがMetaに社名変更する理由

Facebook社がMeta社に社名変更した理由は、メタバース領域進出によるSNS企業の脱却と、一般ユーザーのネガティブイメージの払しょくの2点にあると考えられます。

メタバース領域への新規参入

Facebook社がMeta社へ社名変更した意図は、メタバース領域への参入を明確にしたかったことが挙げられます。

Meta社への社名変更時のツイートを見ると、「3D空間に接続してプレイするメタバースの構築を支援します。社会的つながりの次の章へようこそ」と述べています。

誤解を恐れず言えば、メタバースは3D空間上のSNSと考えることもできます。

Facebook社はXRプログラム・研究基金(XR Programs and Research Fund)を設立しました。今後、2023年までの2年間で5,000万ドル(日本円で約57億円)を政府・学術機関・非営利団体などに投資し、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)空間を構築するさまざまな取り組みを支援します。

なお、株式市場で銘柄名を表すティッカーシンボルはFBからMVRSに変わりました。ティッカーシンボルもメタバースを意味するのです。

企業イメージの改善

報道によると、Facebook社からMeta社への社名変更はFacebookやInstagramなどに対するネガティブなイメージを払拭したかったのではないかという見方もあります。

一般ユーザーのみならず、アメリカの議会では「SNSが若者に与える悪影響があるという調査結果が出たにも関わらず、Facebook社は利益重視の企業体質だから改善しない」として批判しています。

メタバース領域を構築することで、Facebook社は利益重視のSNS企業を脱却し、社会的にクリーンなイメージを持たせたいのかもしれません。

 

なお、Web広告の視点から見ると、FacebookやInstagramでは18歳未満のユーザーへの広告に関する制限が増えました。Facebook社は一定の対策をしていますが、世間一般には十分に改善内容が浸透していないようです。

参考:engadget|元FacebookのMeta、強豪を抑えて「今年のワースト企業」に選出──米Yahoo!
https://japanese.engadget.com/meta-facebook-earns-worst-company-of-the-year-043613239.html

FacebookのメタバースゲームHorizon Worlds

『Horizon Worlds』(旧・Facebook Horizon)はMeta社が構築中のメタバース空間です。2021年12月時点で日本語版はリリースされていません。

Horizon Worldsのゲーム内容

日本語版がリリースされていないこともあり、『Horizon Worlds』に関するゲームの詳細はまだほとんどわかりません。

例えば、メタバースでのアイテム売買に欠かせない仮想通貨や土地(Land)の売買も未定です。恐らく、Facebook社が開発した仮想通貨の「Libra(Diem)」が採用されるはずですが、明らかではありません。

現時点では、VRヘッドセットを装着し、自分が作ったアバターでゲーム内の世界に参加できるオープンワールド型のゲームであることがわかっています。ユーザー同士がメタバース内で会話したり買い物したり、あるいはミニゲームをプレイできるようです。

また、先行する『Horizon Workrooms』ではWeb会議をメタバース内で実施できます。会議室の感覚を再現するほか、ホワイトボード機能やリアル・仮想空間内のパソコンの連動など、さまざまな機能が設けられています。

 

なお、『Horizon Worlds』は、ワールドクリエイトツールによってVR空間内でワールドを構築できます。The SandboxもVoxEditを使ってNFTアイテムを制作できるので同様の機能と見てよいでしょう。

Oculusによるメタバース体験

『Horizon Worlds』でメタバースを体験するとき、VRヘッドセット『Oculus Quest(Meta Quest)』を使用します。

Oculus Questの装着により、メタバースへの世界と没入できます。また、2022年にはVRヘッドマウントディスプレイ(Project Cambria)を発表する予定です。

マーク・ザッカーバーグ氏はFacebook社の未来をメタバースに託しており、「Facebookファーストではなく、メタバースファーストを目指す」と手記に記しました。これまでFacebookアカウントの認証を必須としていたOculusですが、2022年にはアカウント不要でログインできます。

 

実は、GAFAのうち、Facebookだけ端末を販売していませんでした。他の企業と違って収益構造も広告が99%を占めているため、ビジネスモデル転換の可能性がここにも見えます。

なお、VR事業のOculusブランドは廃止され、今後はMeta Questに名称変更されます。

Facebook社のメタバースへの懐疑的な意見

メタバースに巨額の投資を行うFacebook社ですが、現時点ではネガティブな意見も少なくありません。coindeskJAPANの記事を要約すると、以下のような論調であることがわかります。

まず、現時点でブロックチェーン業界の多くの企業がメタバーステクノロジーに挑戦中です。例えば、仮想通貨MANAを扱うDecentralandでは、すでにバーチャルチャットでWeb会議ができます。しかし、zoomのほうがいまの人類には合致しているという見解のようです。

メタバース領域では後発かつ、ブロックチェーン技術をはじめとしたWeb3.0とは対立構造にあるFacebook社は、たしかに消費者から受け入れられにくいかもしれません。

 

私見ですが、Facebook社がメタバース領域で成功するには、ブロックチェーン業界以外のユーザー層をどう取り込むかにあるでしょう。VRヘッドセットのOculus Quest(Meta Quest)など、市場へのデバイスの浸透も大きく影響するはずです。

参考:coindeskJAPAN|フェイスブックのメタバースを誰が求めているのだろうか【オピニオン】
https://www.coindeskjapan.com/128197/