秋晴れから秋の夜長、そしてqujaku
月刊ソネレコ【#8】

静岡県に生きる「音楽が友達」という人にきっかけを。そろそろ秋本番でしょうか。「月刊ソネレコ」です！

浜松市の中心街でひっそりと佇む、いまや絶滅危惧種のリアルレコードショップ「sone records（ソーンレコーズ）」。

店主のクワケンさんに、「音楽知識は広く浅い」の吉松が月ごとのテーマを提示し、そのテーマに沿って数枚ピックアップしてもらうこの連載。

音楽のまちとして知られる浜松から、国内外のインディーをメインに毎月発信しています！

「月刊ソネレコ」10月のテーマ発表

ソネレコの店主クワケンさん。

吉松	10月のテーマは秋本番も間近ということで、「秋晴れ」「秋の夜長」でいかがでしょう？
クワケン	うわー悩むな。秋の夜長は得意なんだけど、秋晴れか。
吉松	恒例になりつつあったリクエストコーナーは、今回1通も届かなったのでなしで・・・。
クワケン	ついに来なかったんだ（笑）
吉松	その代わりでもないんですが、もしよかったらいま話題の「qujaku※」の新作を紹介いただきたいなと。
クワケン	お、じつはそのつもりでいたんだよね。おっす！

※qujaku（クジャク）：静岡は浜松・磐田発、2013年結成の4人組ダークサイケデリックバンド。今年の春から夏にかけて、5か国26公演（うちフェス3つ）のヨーロッパツアーを敢行した。

月刊ソネレコ【#8】

• 新入荷（1枚）
• 秋晴れ（1枚）
• 秋の夜長（1枚）
• qujaku（1枚）

そしてソネレコに向かう道中、たまたま浜松を拠点に活動する双子DJユニット「Kitty Twins」のシホさんに出会っちゃいました。

写真右がシホさん。月刊ソネレコ【#4】に登場したナホさんの姉です。クワケンチルドレン（通称：クワチル）とのこと。

じつはKitty Twinsは11月19日（日）、浜松のlivebar「KIRCHHER（キルヒヘア）」で開催されるqujakuが出演するイベント「Stranger than paradise Vol1」の企画者です。

せっかくなので今回、特別ゲストとして始めから参加してもらうことに！　それでは計4枚のインディーミュージックをお届けします！

新入荷「Makthaverskan / Makthaverskan III」

クワケン	新入荷はマクサヴァスカン。前に紹介したウェストカストとメンバーがダブってるんだけど。スウェーデンでは、これも前に紹介したアゲントブローと同じ、ラグジュアリーっていうレーベルから出しててさ。爽やかで切ないギターポップみたいな感じ。

「Makthaverskan / Makthaverskan III（税込3,121円）」。スウェーデンはヨーテボリの男女4人組バンド「Makthaverskan」、前作から4年ぶりとなる3rdアルバムです！

透明感のある力強い女性ボーカルに、ギターポップ×ポストパンク×シューゲイザーが絡む新世代のキラキラサウンド。2017年10月20日リリース、LP+DLコード付きです。

♪Makthaverskan – Vienna

吉松	めちゃくちゃいい。ラグジュアリーのメンツはいつもいい。
シホ	いつもジャケットの雰囲気と音が違いますよね。暗い感じかと思いきや。
クワケン	ハードコアパンクみたいなジャケットだよね（笑）
吉松	バンドロゴとかメタリカみたいですけど。
クワケン	それでさ、スウェーデン版は黒ヴァイナルなんだけど、入荷してるアメリカ版はこういう――。

吉松＆シホ	うわーー！！
クワケン	声がすごい。
シホ	なんかお肉みたい（笑）
吉松	豚バラみたいな。
クワケン	豚バラヴァイナルだね。
シホ	豚バラヴァイナル（笑）ジャケットにはちょっとおしゃれに書いてありますけど。
クワケン	「oxblood & baby pink vinyl」か。まあ、要するに豚バラだね。

秋晴れ「The Pains of Being Pure at Heart / The Echo Of Pleasure」

クワケン	秋晴れは、みんな大好きペインズにしようかな。俺が言うまでもないバンドの1枚だけど、元気すぎず、かといって暗いわけでもなく、爽やかな音でさ。

「The Pains Of Being Pure At Heart / The Echo Of Pleasure（税込3,758円）」。ニューヨークはブルックリン発、言わずとしれた10年代インディーシーンの筆頭「The Pains Of Being Pure At Heart」の4thアルバムです。

初期のポップで青っぽいシューゲイズを残しつつも、全体的に落ち着いたアダルトなドリームポップに変化しています。2017年8月2日リリース、LP+DLコード付きです。

♪The Pains of Being Pure at Heart – Anymore

シホ	わかります。ペインズって疾走感あったけど、ちょっと落ち着きましたよね。秋晴れですね（笑）
クワケン	そうだね。秋晴れポップ。
吉松	秋晴れポップ！！
クワケン	今日ヤバいね。いろんな言葉が出てくる。
シホ	ヤバいですね（笑）
クワケン	話は逸れるけど、ペインズが出てきたとき、俺はけっこうグッときちゃったな。

吉松	どういうことですか？
クワケン	レコードを出す前に知って、「なんだこのバンド。いまどきこんなやつらいるのかよ」って注目してて。そしたらあるときからリリースがなかった「スランバーランド」っていう、90年代インディーポップで有名なレーベルからリリースが決まってさ。
吉松	ほうほう。
クワケン	「スランバーやってたの？」って感じだったけど、ペインズによってスランバーも復活みたいな形になって。そういう意味でもペインズは特別なバンドだよな～なんて。・・・急に深イイ話に。
シホ	ふふ（笑）

秋の夜長「Widowspeak / Expect the Best」

クワケン	秋の夜長は「ウィドースピーク」。物憂げで、なかには子守歌みたいな曲もあって。お酒でも飲みながら部屋も暗めな感じで。いいんじゃないですかね。

「Widowspeak / Expect the Best（税込3,121円）」。ペインズと同じくニューヨークはブルックリン発、3人組のドリームポップバンド「Widowspeak」による4thアルバムです。

リバーヴの効いたはかない女性ボーカルを、浮遊感のあるギターが包むセンチメンタルなサウンド。2017年8月25日リリース、LP+DLコード付きです。

♪Widowspeak – Dog

吉松	クワケンさんは秋の夜長になにしてますか？
クワケン	人生の後悔を噛みしめています。こういう音楽を聴きながら酒を飲んで。
吉松	だいぶ陰鬱ですね。・・・でもそういう時間にウィドースピークは寄り添ってくれそう。
クワケン	そうだね。寄り添い系ですよ。
シホ	寄り添い系（笑）

静岡発ダークサイケデリック「qujaku / S」

吉松	それでは最後にいま話題のqujakuをですね。
クワケン	出た！　qujaku！
シホ	いえーい！
クワケン	なんかね。新作は暴力的ですよ。前作に比べてソリッドになってるし、音の輪郭がハッキリしているというか。スケール感も増してかっこいいですよ。

「qujaku / S（税込2,160円）」。昨年リリースの実質的な国内デビュー作『KEIREN』、今年4月にリリースしたEP『H』に続く、待望の新作EPです。カオスで破壊的なノイズの連鎖、そのなかにメロドラマのようなストーリーを感じさせる独自の世界観。全6曲入りのCDです。

♪qujaku – MEI

シホ	うわ！　これたぶん、車で聴くと外に響く系のやつです。
クワケン	低音がえらいエグイよね。ぼんぼんいってます。
吉松	めちゃくちゃ凶暴ですね。いい意味で。
シホ	CD売ってるとこはけっこう限られてるんですよね。大阪のフレイクレコード、名古屋のファイルアンダー、東京だと渋谷タワレコですか。あとは静岡タワレコと浜松ソネレコ。
クワケン	だいぶスケール違うけど。
吉松	いやいや（笑）

シホ	世界に出てるバンドがここ（浜松）にいるってすごくないですか？
クワケン	すごい。普通にね。俺はとにかくライブを見てほしい。qujakuはライブバンドだもんでね。圧倒されると思う。若い人にも見てほしいし。
吉松	ちょうど11月19日（日）、Kitty Twinsの企画で見られますね。CDを出してから浜松でのライブはそこが初？
シホ	たぶん最初です。私、CD出ることを知らずに組んでいたので、すごい楽しみで（笑）
クワケン	タイミングよかったよね。
シホ	東海地方近郊の方はぜひ来てほしいです！

そのqujakuのEPリリース後浜松での最初のライブになるKitty Twins Presents「Stranger than paradise」のフライヤーも店頭で配布してます。共演にXizi、kukuri！静岡〜浜松〜愛知間の新世代注目のバンドが出演します！見逃し厳禁です！ pic.twitter.com/UFincnVpeW

— ϟone recordϟ (@sone_records) 2017年10月16日

qujakuのEPリリース後、初の浜松ライブは11月19日（日）。共演も注目のラインナップで、シホさんいわく「ヤバめのスリーマン」です。東海地方近郊の方はぜひ足を運んでみて！

予約は「Stranger Than Paradise」のTwitterなどなど、どこからでもいいそうです。クワケンさんでもOK。

ということで、月刊ソネレコ【#8】は以上です！　みなさんからのリクエストは引き続き募集中ですので、ふるってご応募ください。

「ペンネーム（本名でも可）」「リクエストをする理由（シチュエーションなど）」を書き添えたうえ、吉松のTwitter（誰でもDMが送れるようになってます）か、ページ下部「miteco編集部へのメッセージ」にてお待ちしています！

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