魅力的なあの人 vol.1
人と人との化学反応を楽しむ自分流店主
miteco読者の皆様はじめまして! 花と申します。
今月からライターとして参加させていただきました。mitecoを通して静岡の面白い場所や人を紹介していけたらなぁ~と考えております。
温かい目で見守ってください・・・。よろしくお願いします。
さてさて、突然ですが、日常生活のなかで魅力的な人に出会うときがありますよね。
ひと目惚れのときもあれば、だんだんと惹かれていくこともあります。
そんなときに私は「知りたい。話したい。でも、そんなにグイグイ聞いたら気持ち悪いかな・・・」と考えてしまいます。
この気持ちから生まれたのが、「魅力的なあの人」というシリーズ企画です。
「魅力的なあの人」第1回目は・・・
魅力的なあの人とは、私が魅力を感じた人に「いまなにをしているの?」「なにを考えているの?」などとグイグイお話しを聞き、その人の奥にひそむ魅力の元を探していくという企画です。
第1回目のあの人は、富士市吉原にあるCafe musica(カフェムシカ)の店主、ユミさん。
ユミさん
静岡県富士市出身。富士市吉原3丁目4-12くらべ建築工房さん2階、Cafe musicaの店主。お店は隠れ家カフェ、人に教えたくないカフェなどと言われております。定期的にイベントや展示会なども行っているそうです。
商店街の裏にひそむカフェに、多くの人が集まるわけはユミさんの人柄です(もちろんご飯もとてもおいしいです)。
たとえば、コーヒーを飲んでいると突然、トランプやジェンガを持ってきてくれたり、みんなが楽しめるようなイベントをはじめたり・・・。
そして初対面でも相談に乗り背中を後押ししてくれる、楽しくて明るい魅力的な女性です。
今回、ユミさんの魅力の元を探すために、自分の想いが詰まっているはずのCafe musicaについて、お話しを聞いてみました。
別にカフェをやりたかったわけではない!?
花 |
では、さっそくですが質問させていただきます。カフェをはじめたきっかけはなんですか? |
ユミさん |
ん~、別にカフェをやりたかったわけじゃないの。人が来てくれる場所って、カフェって言えば分かりやすいし、集会所っていうと気持ち悪いし・・・。一番の理由は「親戚のおばちゃんちになりたかった」かな。 |
花 |
親戚のおばちゃんち!? 子供が集う場所ってことですか? |
ユミさん |
ううん、そうじゃなくて、学校から家に真っすぐ帰りたくない日に寄り道できるようなおばちゃんち。その家にはハイカラなお菓子や変な置物があって、変な音楽を聴いたりして。 |
花 |
子供にとっての自分の家とは少し違う、刺激になる場所ですね。 |
ユミさん |
そうそう! でね、普通のおばちゃんじゃなくてハイカラで、親戚のなかでも少し浮いているような、だからって目立つわけでもない、そのくらいのスタンスでいたいなって。それにおばちゃんになら話せるけど、お母さんに言えないことってあると思うの。 |
はじめて来たお客さんが驚くこと!
花 |
確かに私もユミさんに話したいって思ったとき、musicaに来てしまいます。それに、ユミさんって人と人とを繋げますよね。musicaだと誰かほかのお客さんと話せるのが楽しいです。 |
ユミさん |
そうだね。息子にも言われたけど、「席が空いているのに相席にさせるカフェなんて無いよ」って(笑) |
花 |
確かにそうですね(笑)席が空いているのに相席にする理由ってなんですか? |
ユミさん |
それはね、「この人とこの人は会うべくしてあった」とまではいかないけど、話したらきっと面白いだろうなって感じるの。友達でもないのにここで出会って話す人がいて、そういう人と人との化学反応が好き。 |
今後やってみたいのはガクブチ・・・?
花 |
musicaでは、店内でイベントや写真の展示会などさまざまなことを行っていますが、今後ユミさんがやりたいなぁ~って思うことはありますか? |
ユミさん |
あ~、家の前に小屋を作ってガクブチ屋をやりたい! あとバックも。 |
写真はユミさんが集めているガクブチや小物。店内に飾ってあります。
花 |
バック? ユミさんが作るのですか? |
ユミさん |
作らないよ。売る側。バックって楽しいの。 |
花 |
どんなところが? |
ユミさん |
昔、筆箱を新しくすると次の日の学校が楽しみじゃなかった? それが女の人ならバックなの。地味な人でもバックは派手だったりして、わりと遊べるんだよね。いつかできたらいいな~。あ、ガクブチ屋では珈琲と牛乳だけ出す。 |
花 |
おっ、そっちでも珈琲を出してもらえるのですね(さらに牛乳がある優しさ・・・)。 |
やりがいを感じたのは、ここ最近
花 |
いろいろと聞かせていただきましたが、最後にmusicaにいてやりがいを感じることってなんですか? |
ユミさん |
あぁ、やりがいね~。もうここは10年くらいやっているけど、やりがいはつい最近、はじめて感じたの。 |
花 |
最近ですか? |
ユミさん |
うん。ここで出会ったお客さんとお客さんの結婚式に呼ばれてね。 |
花 |
え! ここ(musica)で出会って結婚ですか!? |
ユミさん |
そうなの。その結婚式ではじめて会う両方の親御さんにものすごいお礼を言われて、ものすごく褒めてもらったのね。ビデオテロップにも恩人って書いてもらって、すごく嬉しかった。 |
花 |
わぁ、素敵ですね。 |
ユミさん |
えへへ。私は子供のころから怒られてばかりだったのに、ここにいると「相談してよかった」とか「いてくれて助かった」って言ってもらえて。それが私にとってやりがいかなって。みんなが喜んでくれて私が嬉しくなる。なにか施しているわけでも、施術しているわけでもないけど、私はmusicaの管理人でいると思っているよ。 |
帰りにもらったアメ。
お話しをしていると、周りへの優しさや好きなものへのこだわりを強く感じられます。
またお店に来るお客さん一人ひとりを、とても大切にしている方だと知りました。
ユミさんの魅力の元は「本気で相手に向き合う」だと私は思います。
周りのことを見つつ、自分流に生きるユミさんをあらためて魅力的な人だと感じました。
さて隠れ家のような場所にあるCafe musicaに行けば、あなたの中のなにかが少し変化するかもしれません。
ユミさんに会うためにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
ではでは。
独り言
ユミさんと話し終えた帰り道に、吉本ばななさん著書のアルゼンチンババアという小説が頭の中にちらつきました。