静大生によるローカルすぎるFMラジオ番組!
ナゾだらけの「静大スタイル」に疑問をぶつけてきた
こんにちは、miteco編集長の吉松です。
社会人になってから車移動がやたらと増え、ほとんど毎日運転するようになりました。そんな僕の運転のお供はラジオです。
ラジオはパーソナリティとリスナーとの距離が近くて、地方ならではの番組も多い。どローカルなメディアだなと常々思っています。ローカルWEBマガジンなんてやっている身としては、やっぱり聴いちゃうんですけれど。
まあ、そんなことはとりあえず置いといて。
僕は最近、「静大スタイル(通称:静スタ!)」という番組がめっちゃ気になっています。
静大スタイルとは
静大スタイルは、静岡市のコミュニティFM「FM-Hi!(76.9MHz)」※にて、毎週木曜日17:25~放送のラジオ番組。
パーソナリティは、静岡大学の文化系公認サークル「Cue-FM放送研究会」に所属する学生です。スポンサーに地元の自動車学校さんが付いていますが、番組内容や構成は自分たちで考えているそう。しかも、基本的には毎回スタジオでの生放送です。
番組コンセプトは「静岡大学と静大生のさまざまな情報をお届けする番組」。1か月をサイクルにして、1週目はフリートーク、2週目はゲストを呼ぶ回、3週目は教授を呼ぶ回、4週目は不定期企画という流れで放送しています。
※放送区域は静岡市、焼津市、藤枝市の3区域のみ。
前置きが長くなりましたが、静大スタイルの気になっていることといえば、まず番組内で学生同士が呼び合っているラジオネームが変です。えくぼの王子様とか白玉戦士スーパームーンとか。
あとは単純に、大学生がラジオ番組をするなんて珍しくない? というか学生だけで大変じゃないの?
・・・ということで、じつはいま静岡大学内にあるサークルの部室にお邪魔しています。
静大スタイルの変なラジオネームはどこから・・・?
Cue-FM放送研究会 副代表 市川紗菜美さん
僕の気になっていることに答えてくれるのは、Cue-FM放送研究会 副代表の市川紗菜美さん(2年生)。とりあえず、ラジオネームのナゾから聞いてみます。
吉松 |
静大スタイルでは変わったラジオネームがありますよね。 |
市川さん |
あ、はい(笑)そうですね。 |
Cue-FM放送研究会 公式HP「メンバー」より
吉松 |
市川さんはなんていうラジオネームですか? |
市川さん |
私はシュガーです。シュガーこと市川紗菜美でやっております(笑) |
吉松 |
(笑)なんでシュガーなんですか。 |
市川さん |
私は甘いものが好きだってことから、ただ単に砂糖でシュガーなんです。 |
吉松 |
結構ゆるい感じで決まってるんですね。 |
市川さん |
そもそもラジオネームっていうのはですね、新入部員がはじめて参加する校内行事「春のビッグフェスティバル」で決まるんです。ここで「新入部員にラジオネームを付けよう」っていう番組を設けるんですけど、先輩のインスピレーションとかでかなり適当に付けられるんですよ。 |
吉松 |
あら、そうなんですか。 |
市川さん |
由来は私みたいに安易なものが多くて・・・。まあ、それでサークルの一員になるというか、通過儀礼みたいな感じなんです。よく言えば伝統ですかね(笑) |
吉松 |
伝統か、なるほど。ちなみにお気に入りのラジオネームってあります? |
市川さん |
え、他人のでもいいですか? ・・・私は代表のラジオネームが好きですね。あの~代表、ラジオネームを言ってもらっても。 |
写真中央の男の子が代表です。
喜多川 |
ああ、そうですね。えー、セクシーボーイ喜多川こと・・・。 |
吉松 |
はっはっは(笑)なんですかそれは。 ※途中で笑ってしまって本名が聞き取れませんでした。 |
喜多川 |
僕は実家生で裾野市に住んでいるんですね。そこで裾野市を説明するにあたって、沼津市とか三島市の北側にあるよって。そしたらキタガワになったんです。でもそれだけじゃ面白くないって先輩が言うから・・・。 |
市川さん |
こんな感じで、ほんとくだらないんですよ(笑) |
生放送ならでは! 静岡スタイルのウリとは
代表の話題を皮切りに、部室にいるみなさんが集まってきました。写真右が「石油王(3年生)」、セクシーボーイ喜多川(2年生)の左隣が「食紅がかり(1年生)」です。
石油王の由来は「本名がタマコシ⇒玉の輿⇒金持ち⇒石油王」で、食紅がかりの由来は「いきものがかりが好き⇒食紅がかり」だそう。
さてラジオネームの次は、ラジオ放送って大変じゃないの?という質問へ。
吉松 |
勝手なイメージなんですけど、FMでのラジオ放送って大変だと思うんですよ。番組内容とか構成とか考えるのもそうですけど、放送にあたっていろんな準備が必要なのかと。 |
市川さん |
そうですねー・・・。最近、静岡県立大学さんとか静岡大学浜松キャンパスさんとか、ラジオサークルをやっている学校と絡みがあって、ゲストに来てもらうこともあったんですけど。それを通して感じたのは私たちはゆるゆるということです(笑) |
吉松 |
あれ?(笑) |
喜多川 |
たとえば、準備のひとつとしてキューシート※っていうのがあるんですけど、浜松キャンパスさんも県立大学さんも台本に近いような形なんですよね。でも僕たちのキューシートは、内容が箇条書きで書いてあるだけなので、そこの大変さとかはないです。
※キューシート:番組進行表のこと。時間、内容、方法などを秒単位で記載するのが一般的。 |
吉松 |
そうなんですか。キューシートが薄いわりに、番組はかなりスムーズに進行されてますけど。 |
喜多川 |
さっき挙げた大学さんたちは、収録が基本なんですよね。だからミスがないように、きちんと最初から最後まで決めている。だけどうちは生なので、そういうことよりもいかにトーク感が出せるかってところを重視しているんですよ。 |
吉松 |
トークが上手くいってるからスムーズなのか。・・・でもきちんとキューシートを書いたほうが、もっとスマートにできるんじゃないですか? |
喜多川 |
まあ、決まっているほうが言葉としてはきれいだと思うんですが・・・。あえて決めないことで、臨場感を出していくことがうちのウリでもあるんですよね。 |
吉松 |
あー、臨場感。たしかに決めないほうが出そうですね。 |
喜多川 |
そうなんです。普通に会話をしていると、予想していなかった話題に飛ぶことがありますよね。キューシートで構成を決めていればそういうことは最小限になるはずなんですけど、逸れた話題もそれはそれで面白いことが多いんです。生のよさはここにあったりすると思うんですよね。 |
静大スタイルが語るトーク力の秘訣
静大スタイルは「生放送」という面白さを出すために、最小限の準備しかしていないらしい。あとはトーク力の勝負というわけですが、話すことってそんなに簡単ではないはずで・・・。
吉松 |
そのトーク感のためになにかやっていることとか、気をつけていることってありますか? |
市川さん |
そうですね。まずはゲストさんが来たときに、とにかく喋らせることですかね。 |
吉松 |
ほうほう。というと? |
市川さん |
私たちはゲストさんの情報をある程度は知っているので、自分で全てを喋りがちなんですね。ただそうあるべきではないと思うので、聞き手に徹するくらいの気持ちで質問を投げ続ける、っていうのは大事・・・か? ・・・大事か? |
石油王 |
大事、大事(笑) |
喜多川 |
あと打ち合わせしすぎないことですね。 |
吉松 |
へー! 意外です。 |
喜多川 |
事前に情報を聞きすぎちゃうと、番組内で話しているときに「それはなんで?」って思いづらくなるんですよ。番組では「なんで?」って思ったことを素直に聞けるようにしたいんで、打ち合わせはざっくりと済ませるようにしています。 |
吉松 |
はー。だから言葉のキャッチボールが上手くいくんですか。勉強になります。 |
生放送以外で使用する収録や校内イベントで使う機材。
吉松 |
ちなみに、実際のトーク力ってどうやって身に付けてきたんですか? |
喜多川 |
番組をやるときはメインパーソナリティが先輩で、サブに後輩がつくようなことが多いんですけど。そのなかで「あ、先輩はこうやって返しているんだな」っていうのを隣で――。 |
みなさん |
盗んでるね。 |
吉松 |
(息ぴったりだな・・・)盗んでいくんですね。そうかそうか。 |
市川さん |
なにを教えられたってわけではなく、実践的なところがありますね。うちのサークルは(笑) |
喜多川 |
そうだね。あとは放送回を自分で聞き直してクセを把握したり、FM-Hiさんに「ここはこうしたほうがいいよ」ってプロの目線から言ってもらったりすることもありますかね。 |
静大スタイルのやりがいは・・・
ここまで話を聞くなかで、みなさんめちゃくちゃ楽しそうに話しているのが印象的です。やっぱりラジオ番組の活動は、やりがいが大きいのかなと思ったり。
吉松 |
静大スタイルの活動を通して、やりがいってどこにあると思いますか? |
市川さん |
そうですね。普段からアドリブ力がついて、大げさにいうとちょっと面白い人間になったなと思います。どこでもアタフタせずにドンと構えられるようになりましたし。
だから、人として成長できるところですかね。あとは出演いただいたみなさんから、「楽しかったよ」と言ってもらえるのは嬉しいですよね。・・・ほかにありますか? みなさんはどう? |
喜多川 |
喋ることに対して抵抗がなくなりますよね。自分の声が広い範囲に届いているわけですから。
番組とは別に何百人の前でプレゼンとかをするときでも、まったく緊張しなくなりました。大学に入る前よりも喋られるようになった気がします。 |
吉松 |
自分の成長を実感できるって大きなやりがいですね。 |
吉松 |
いやー本当に面白い話が聞けました。番組の裏側も知れたので、静大スタイルをもっと楽しんで聞けそうです。12月8日(木)の出演もワクワクしてきました。 |
市川さん |
ありがとうございます。こうやって活動を振り返ることもないので、有意義な時間になりました。12月8日(木)はまたよろしくお願いします! |
はい。わたくし。
明日12月8日(木)17:25~放送の静大スタイル「ゲスト会」に出演します!
Cue-FM放送研究会さんと連絡を取り合っているとき、出演の提案をいただいてふたつ返事で快諾しました。
どうやらmitecoについてお話しすることになりそうですが、詳しいところは僕も知りません。番組の詳細を伝えられていないのは、生放送ならではの臨場感を出すためのことなんでしょう!
繰り返しになりますが、静大スタイルのラジオ局は「静岡市のコミュニティFM「FM-Hi!(76.9MHz)」です。
放送区域は静岡市、焼津市、藤枝市の3区域のみ。ただし、FM-Hi!公式サイト内「インターネットラジオ」なら全国どこでも聴けますので、ぜひぜひ聴いてやってください。よろしくお願いします!