マクラメアクセサリー作家「はらだかなこ」
地元密着型アーティストとして生きる道とは

  • posted.2016/10/29
  • オオイシマオ
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マクラメアクセサリー作家「はらだかなこ」 地元密着型アーティストとして生きる道とは

前回の「看板猫のいる癒しの古民家雑貨カフェ『village』」を取材中、店主こと「village(ヴィレッジ)さん」にお話を伺っていたときのこと・・・。

はらださん

???

こんにちは〜。
village

villageさん

あら、ちょうどいいところに来たわ! いま取材中なんだけどね、あなたも取材してもらったらいいわ!

はらだかなこ

来店されたのは、チャレンジショップ出店中のマクラメアクセサリー作家「はらだかなこ」さん。突然の取材依頼にも関わらず快諾していただき、お話を伺った。

※チャレンジショップ:villageでは、アーティストや新しく立ち上げたビジネスのファーストステージとして利用できる、空間提供=チャレンジショップが行なわれている。

 

ジャンルは、マッサージや整体、アクセサリー雑貨やイラストアート、占いやヒーリングなどさまざま。

 

なかでもランチは人気で、月に2回~3回ほど不定期に開催されている。こうしてチャレンジショップに出店することでファンを増やして独立していく方もいるという。

看板猫のいる癒しの古民家雑貨カフェ『village』」より

自然をモチーフにした作品づくり

はらだかなこ

掛川市出身のマクラメアクセサリー作家「はらだかなこ」さんは、蝋引き紐をマクラメ編みして、天然石や種子などを編み込んだアクセサリー作品を制作している。

2011年に制作活動を始め、そのころからvillageで展示・販売をしていた。徐々にファンを増やし、現在ではオーダーメイドをメインにしている。

※マクラメ編み:紐や糸を結んで幾何学模様を編み上げるクラフトワークのこと。発祥は諸説あるが、イスラム文化圏だといわれている。

はらだかなこ

はらださん

はらださん

地元の木や茶畑が好き。近所のおばあちゃんやお兄ちゃん、そしてその子ども・・・みんな優しくて大好きな人たち。だから、地元を大切にした地元密着型アーティストを目指しています

「地元密着型アーティストを目指してて」と語るはらださんの作品の特徴は、木などの自然をモチーフにしたオリジナルの編み柄や、身近な自然のなかにある種子などを素材として取り入れているところだ。

震災を機に「価値観が変わった」

はらだかなこ

はらださんの制作活動がはじまったのは2011年。その年といえば、東日本大震災が起こっている。

はらださん

はらださん

それまで、「こうあるべきだ」というファッションや生き方をしてきていたんだけど、それは自分にはしっくりこなくて息苦しさも感じていたんだよね。ところが、震災を機に価値観ががらりと変わって。「自分らしく生きよう」と思ったんだ

同じタイミングに友人から贈られた詩集の言葉もはらださんを後押しし、「生きること=わくわくすること」を模索し始めた。

はらださん

はらださん

ある雑誌のフェスファッションスナップに写る人たちの笑顔が本当にいい笑顔で、自分の好きな服を着ている人たちっていいなあって。

その笑顔に憧れてエスニックファッションを取り入れるようになり、エスニックファッション店で蝋引き紐・マクラメ編みと出会った。あまりに多様な表現力に、「紐」の概念が大きく変わっていったという。

マクラメアクセサリー

写真中央、天然赤珊瑚を使用したピアスは、静岡市駿河区登呂にある静岡市立芹沢銈介美術館で受けたインスピレーションから生まれた作品。

オシロイバナの種子(茶色)が編み込まれており、素朴のなかにダイナミックな色使いが見られる。

「作品が私を連れ出していく」

制作活動を始めたばかりの2年〜3年間は、アルバイトや食事以外の時間はほぼ制作に没頭していたはらださん。

はらださん

はらださん

ごはんはとにかくちゃっちゃと食べて、もくもくと作ってたなあ。それで視力も落ちた!(笑)あ、目の体操したら元に戻ったけどね。明るいところで作業したほうがよかったなあ。

はらだかなこ

はらださん

はらださん

でも、いまは制作と同じくらい出かけたりする時間も大切にしてるかな。マクラメ編みも、好きな絵も続けていきたいから、続けるためにいろんな人に会って言葉を交わしたり。

 

そうすることが作品を手にしてもらえる機会になったり・・・作品が私を連れ出したり、出会わせてくれてるって感じ!

偶然に出会ったはらだかなこさん、自分らしい生き方を追究する姿勢に、とても刺激をもらえたインタビューとなった。こうしてお話を伺えたことも、作品に引き寄せられてのことかもしれない。

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Writerオオイシマオ

1991年神奈川県横浜市生まれ、静岡県掛川市育ち。一冊のノートとの出会いをきっかけに、19歳でフェアトレード雑貨店を起業。現在はカフェという切り口からフェアトレードやコミュニティトレードに取り組む。2016年3月には一児の母となり育児奮闘中。新米ママライターとしても地域や暮らしを見つめ伝えていく。

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