予約のとれない旅するネイリスト「MISA」
世界中で旅を続けるたったひとつの理由
こんにちは! 末端冷え性の猛威におびえているゆっけです。
2019年もあっという間に半月が経ちましたが、まだまだ冷え込む日が続きそうですね。
末端冷え性の僕は爪先とにらめっこの日々が続きますが、そんな爪先をアクセサリーへと昇華させてしまう「旅するネイリスト」が静岡市にいることをご存知でしょうか?
静岡市郊外でネイルサロンを経営する「MISA」さんです!
MISA
atelier NOVEL代表。フリーで活動中の「旅するネイルアーティスト」。月に一度は海外を旅するトラベラーの顔も持つ。
Instagram(@misa_by_novel)のフォロワーは3.9万人超え(2019年1月現在)。予約のとれないサロン経営者として、その名を全国にとどろかせているMISAさんへの取材に成功しました!
大人気ネイリストであり、トラベラーでもあるMISAさんの素顔に迫っていきます。
ネイリストMISAになるまで
――さっそくですが、MISAさんとネイルとの出会いはどんな形でしたか?
MISA |
高校生のころからファッション、メイク、ネイルなどに興味があって。学生時代にひと通り学びましたが、ネイルが1番楽しかったんです。このときは「仕事にしよう」なんて、まったく思っていませんでした。 |
――今でこそネイル業界でMISAさんを知らない人はいないと思いますが、その後どんな心境の変化が?
MISA |
短大を卒業してから会社員と並行して、ネイルスクールに通いながら自宅で友人・知人限定ネイルをさせていただくことになって。趣味の延長だったのですが、だんだんと「好きなことで仕事がしたい!」という気持ちが強くなっていったんです。 |
――ネイルのどんなところに惹かれたのでしょうか?
MISA |
ネイルはやればやるほど深いと感じて。凝り性で飽き性だけど、ネイルだけは探究心が止まらなかったんです。ネイルがキッカケでの人との出会いも楽しくて。 |
――MISAさんのネイル作品を観ると、その探究心がすごく伝わってきます。この場所でお店をオープンした経緯はどんなものでしたか?
MISA |
祖父母がテナントで貸していた倉庫があったのですが、契約が切れて駐車場にしようという話が出ていました。そのころにはお店をやりたいと思っていたので、「ここでやらせて欲しい」と自然と口から出ていて。 |
――いいタイミングでMISAさんにとって嬉しい話が舞い込んできたんですね。
MISA |
自宅サロンは狭いし、ゆくゆくはアクセサリーもやってみたいと考えていたときでした。「自分のお金でやるなら、好き勝手やってみたら?」とみんな賛同してくれて。 |
――MISAさんの夢を応援してくれる素敵な家族ですね。こちらのサロンの特徴を聞かせていただけますか?
MISA |
「とにかく楽しいお店」がコンセプトです。自分もお客さんも。ネイルに合うアクセサリーが見つかったら楽しいなと思って、アクセサリーの販売も始めました。 |
MISAさんが海外から仕入れているオシャレなアクセサリー。
――MISAさんがとても明るい方なので、サロン内の空気もとても明るく感じます。アクセサリーの種類も豊富で迷っちゃいそうですね。屋号の「atelier NOVEL」にはどんな想いが込められていますか?
MISA |
私自身、変わったものや奇抜なものが好きなので「新しいものや斬新なものを作るものづくりの拠点」という意味を込めています。 |
休日は世界を旅するトラベラー!
月に一度のペースで海外へ出向くMISAさん。訪れた国と地域は36か国75都市にものぼります。2018年は16か国もの国を旅したのだとか。
ここからはMISAさんのトラベラーとしての顔に迫っていきます。
取材中にいただいたコーヒー。器はタイで購入したというベンジャロン焼き。
――MISAさんといえば「旅するネイリスト」のキャッチコピーでお馴染みですが、そもそも旅に魅了されたキッカケはなんだったんですか?
MISA |
旅行はもともと好きでした。学生時代に初海外で行ったフィンランド、その半年後に家族で行ったバリ島、「同じ地球なのにこんなに違うんだ!」って驚いて。と同時に、今まで行動に移さなかっただけで、案外簡単に海外に行けるんだって思いました。 |
――その2か国はたしかに対照的ですよね。海外旅行が簡単と感じちゃうMISAさんの感覚もすごい。
MISA |
サロンオープンの半年前にも、オーストラリアに半年間ワーキングホリデーで行っていて、ここでの体験も大きかったです。3か月は学校へ通い、1か月は絵を描き、1か月半はバックパッカーとして放浪していました。 |
――行動力も圧倒的ですね。旅で大切にしていることはありますか?
MISA |
旅先で必ずすることがあって。秘境や大自然に行って、人工物をできるだけ見ないようにしています。砂漠ではなにもない方向を見ながらボーッとして「私の悩みなんてちっぽけだな。よし頑張ろう」って(笑)なにもしないのが一番の贅沢だと思います。 |
――お仕事とは対象的な自然の風景でバランスをとっているんですね。
MISA |
波の音を聴きながらきれいなサンセットに黄昏れて、ライトアップされたお城を体育座りしながらボーッと眺めて、そんな時間が好きです。旅先ではトラブルもたくさんあるんですけどね(笑) |
旅からインスピレーションを受けた独創的なネイルアート
MISAさんが生み出すネイル作品は芸術的で、唯一無二のものばかり。そんなネイルデザインのヒントは旅先にあると言います。
MISA |
常にアンテナは張っています。食事、ホテル、旅先の光景や景色などは気になったら写真に撮ったり、頭にインプットしたり。寝る前にふと湧いたアイディアをメモすることもあります。それをそのままじゃなく、なにかと組み合わせて形にしていますね。 |
――目に入ってくるもの全てがアイディアの源泉なんですね。
MISA |
「この画像と全く同じデザインで!」って言われるのがじつは苦手で。手だけ出してお任せって人が多いんですけど、アイディアは作業をしながら降ってくるイメージです。 |
――降ってくる! 即興でこれだけのデザインが出てくるなんて驚きです。具体的な例ってありますか?
MISA |
インドから帰ってきたとき、最初のお客さんが一緒に行った友人だったことがあって。インドのデザインがすごく好きなので、頭にあったモチーフを描きました。基本的には作業しながら考えるんですけど、この作品もそうです。 |
「インド」がテーマのネイル作品
「ネイリスト×トラベラー」のこれから
ネイリスト、トラベラーに加え、新たにインスタグラマーとしても活躍するMISAさん。今後の展望についても伺ってみました。
MISA |
今後も自分のペースで自分らしく旅やセミナーをしながら、世界中でネイルの話をして、ネイルの楽しさ、感動、ワクワクを伝えていきたいと思っています。 |
――「人生は旅であり、旅とは人生である」※を体現した素敵な生き方ですね。
MISA |
悩んでいる方、挑戦したいけど踏み出せない方、ネイリストとして駆け出しの方などが、ネイリストという職業に夢を持ってもらうきっかけに私自身がなれたらと思っています。そのために自分らしく楽しく活動していきたいです。 |
――きっと多くの方の希望になっていると思います。最後にふたつ質問させて下さい。MISAさんにとってネイルとは何でしょうか?
MISA |
デトックスであり、リラックスです。プライベートで落ち込んでも、ネイルする行為自体が癒されます。お客さんも癒しを求めて来てくれますが、じつは私自身も癒されていて。お客さんとの会話も楽しいし、落ち込んでいるときも「どうでもいいや」ってなるんです。 |
※サッカー元日本代表・中田英寿の引退メッセージ
――では対して、MISAさんにとって旅とは何ですか?
MISA |
アップデートです。iPhoneにアップデートが必要なように。感性が大切な仕事をするなかで、旅は感性を高めてくれます。
ネイルと旅はイコールで、どちらが欠けてもいけないと思っていて。旅があるからアップデートしてネイルに活かせるし、ネイルがあるから旅を楽しめています。 |
日々アップデートを続けるMISAさんは、人当たりがよく明るい笑顔が印象的な方。とても楽しい取材となりました。その前向きで明るいキャラクターも、多くのファンを虜にする要因なのだと思います。
「好奇心、行動力、楽しさ、それだけを忘れずにやっていきたい」という言葉は力強く、取材を通して使命に生きることの大切さを改めて学ぶことができました。
残念ながら現在は、新規のお客様の予約がとりづらい状況が続いています。一方でMISAさんが仕入れたセレクトアイテムは、atelier NOVELほかオンラインショップでも購入が可能です。
センスのいいアクセサリーを求めてサロンへ足を運んだり、Instagramにアップされた写真を観たり、MISAさんの感性に触れてみてはいかがでしょうか? きっと心のなかで忘れていたなにかが動き出しますから。
画像提供:Misa Mochizuki