標高736m!天空の里こと「農家民宿 ほつむら」
浜松のマチュピチュで時間を忘れてきた
mitecoをご覧のみなさま、こんにちは。静岡出身ライターの田中嘉人です。
突然ですが、“夢”ってありますか?
僕の夢のひとつが「マチュピチュへ行くこと」。でも飛行機代は高かったり、移動時間も超長かったり、語学に自信がなかったり・・・と、なかなか一歩を踏み出せないでいます。
そんな僕がたまたま発見したのがこちら。
「天空の里」だと・・・? ※小さいですが「天空の里 大沢」と書いてあります。
このポスターが貼ってあったのは、浜松市天竜区の国道152号線沿いにある道の駅・相津花桃の里(そうづはなもものさと)。
天竜川に沿って北上した先にある水窪町(みさくぼちょう)標高736mの場所、大沢集落に「農家民宿 ほつむら」という宿があるというのです。
さらにさらに調べてみると、農家民宿 ほつむらは1日1組限定。ひとりで行くのはもったいなさすぎるということで、miteco編集長の吉松さんを誘いました。
田中 |
ありましたよ! 静岡にもマチュピチュが! これはmitecoで行くしかないでしょう! |
吉松 |
また急に・・・? 次はマチュピチュ・・・? 静岡のどこにあるんですか? |
田中 |
一緒に来たらわかりますよ! いまからサクッと行きましょう! |
吉松 |
えぇ・・・いまから・・・? 強引だなぁ・・・。 |
吉松さんもかなり乗り気だったので、静岡から新東名に乗って「浜松北IC」へ。途中で休憩を挟みながら、静岡から3時間半ほどで水窪町に到着しました。
標高736m! 天空の里ってどんな場所?
吉松 |
「サクッと」とか言ったわりに、水窪町まで3時間半かかってるんですけど・・・。しかも目的地はまだみたいだし・・・。 |
田中 |
都会の喧騒を離れて、天空の里へ・・・。まさに非日常だよねぇ。 |
吉松 |
・・・そ、それにしても、すごい山道ですね。道幅も狭いし、急カーブも多い・・・。 |
田中 |
・・・・・・。 |
吉松 |
ど、どうしたんですか・・・? |
田中 |
自分の運転で酔ってしまった・・・。 |
吉松 |
(なにをやっているんだ、この人は・・・) |
水窪の中心街から大沢集落までさらに45分。念願の「天空の里」こと「農家民宿 ほつむら」に到着しました。
吉松 |
ちょっと!! いつまで酔っているんですか!! とんでもない絶景ですよ・・・! |
田中 |
ほ、本当だね・・・山の稜線と目線が同じ高さだなんて・・・空気も澄んでいるし。想像していたよりも何倍もすごい・・・! |
吉松 |
こちらが今日お世話になるほつむらさんですね。ごめんくださ〜い。 |
ご主人 |
ようこそ! お待ちしてましたよ! オーナーの藤谷です。静岡から来たんだって? 長旅お疲れさまでした。 |
ほつむらオーナーの藤谷さん
田中 |
いやー・・・すごいところですね・・・。あ、電波が入らない。 |
ご主人 |
でしょ(笑)ネットはつながらないから、スマホもパソコンもここじゃ役に立たないよ。だから、仕事のことは忘れて、のんびりしていってくださいね。 |
宿にはいろりがあったり、
なぜかステージセットがあったり、
開閉式の屋根が付いた露天風呂があったり・・・と、かなりの充実ぶり!!
そして夕食は・・・?
ドーンと猪鍋!!
いろりに火が入り、グツグツと煮込まれていきます。
吉松 |
あの・・・田中さんは猪肉って食べたことありますか? |
田中 |
昔食べたことがあったなぁ。編集長は? |
吉松 |
僕、食べたことないんですよ・・・そもそもジビエとか苦手で・・・。硬かったり、生臭かったらイヤだなぁ・・・。 |
田中 |
うーん、きっと大丈夫だよ! |
吉松 |
(全然心配してくれない) |
そうこうしているうちに、猪鍋が完成しました。
田中 |
じゃあ、編集長から食べてみよう! |
吉松 |
ええ・・・。 |
「う、う、う・・・」
「うんま」
吉松 |
これが猪ですか!? めちゃめちゃうまい。豚ほどクドくないし、牛ほどクセもないし。 |
田中 |
ホントだ! 決して柔らかくはないけど、かめばかむほど旨味が広がっていく・・・。
野菜の出汁もスープに溶け込んで最高じゃん・・・。
断言します。猪、最強! ビールが進む〜!! |
吉松 |
(グルメレポすごいな・・・) |
ドキュメンタリー番組「人生の楽園」も注目した宿
ご主人 |
失礼します〜。お、だいぶ盛り上がってますね。鍋はいかがですか? |
田中 |
とんでもなくおいしい猪鍋をありがとうございます。ところで、ご主人はなぜこの土地で民宿を? |
ご主人 |
単純に、この大沢という集落が生まれ故郷だからですよ。ずっと浜松市街で働いていたんですけど、定年前にこの家屋が空き家になるということを聞いて、なにかを始めてみようかと。定年後が畑仕事だけじゃつまらないじゃないですか(笑) |
田中 |
第二の人生は生まれ故郷で、ということですか。 |
ご主人 |
そうですね。それに、このあたりは年寄りばかりだから、もし民宿のお客さんに農作物の収穫なんかを手伝ってもらえたらすごく助かるし。 |
田中 |
テレビ朝日系列で放送されているドキュメンタリー「人生の楽園」にも出演されたんですよね。 |
ご主人 |
ええ。最初に連絡をもらったのが、民宿を始めて半年くらいのタイミングだったから断ったんですけどね。
それでもまた連絡をくれたので・・・。そういえば、お笑い芸人のU字工事さんが撮影に来てくれて、ベンチを作ってくれましたよ。 |
U字工事さん手づくり「天空心癒しのベンチ」。
田中 |
今後、「ほつむらをこんなふうにしていきたい」といった目標ってあるんですか? |
ご主人 |
まぁ、自然に囲まれながら変わらずにのんびり暮らしていくってことだよね。だから、時間を忘れてのんびりしたいという人は気軽に遊びに来てほしいですね。 |
田中 |
圏外だから必然的に時間を忘れられますもんね(笑)SNSに疲れた人とかはリラックスできるだろうなぁ。ご主人、今日はありがとうございました! |
アクセスは大変。ネットもつながらない。でも、時間を忘れ、非日常を楽しむことのできる空間が水窪の奥地にありました。
「星も近いし、四季の移ろいも感じやすい。このあいだは虹が下に見えたよ」と話すご主人。ペルーのマチュピチュとは、またひと味もふた味も違った過ごし方ができるのではないでしょうか。
帰り際、藤谷さんと撮った記念の1枚。
天空の里でのんびりと過ごしてみたいという方は、ぜひ足を運んでみてください!