厳選!富士山を望む絶景スポット【神社編】
富士山信仰の象徴〜山宮浅間神社
大好評(?)の連載「富士山を望む絶景スポット」第3弾! 今回は少し趣向を変えて、神社へやってきました。
富士宮市山宮にある、山宮浅間神社。この社も富士山ビューポイント。というか、見えて当たり前なのです。だって「富士山を直に遥拝する神社」なのですから。
そう、ご神体は富士山。富士山そのものがご神体です。
2013年、富士山が世界文化遺産として認められた背景には、この山が古くから「信仰の対象の重要な要素」であったことがあります。
古より信仰の対象、神聖なる山として崇められ、多くの巡礼者が参拝していた富士山。その形態を残しているのが、この山宮浅間神社とされています。
富士山を直接崇める「遥拝所」
山宮浅間神社境内。
富士山そのものをご神体とする信仰は「浅間信仰」と呼ばれ、その成り行きとともに浅間大神※として祀る神社が広く分布してきました。
通常、神社には神霊を安置する「本殿」がありますが、山宮浅間神社にはそれがありません。代わりに、富士山を直接崇める「遥拝所(ようはいじょ)」があります。
※浅間大神:富士山の神様。
山宮浅間神社の遥拝所。
遥拝所はこの神社において、祭祀の形を唯一留めている場所。富士山を拝む方向に石列を組んだ祭壇があり、富士山の方向を向いています。ここに立って富士山を仰いでいると、静寂の心地よさとともに、壮大なパワーを感じられた気がしました。
浅間神社の総本社・富士山本宮浅間大社と比較すると、参拝客もまばらでとても静かな社。
ここへ頻繁にお参りする人というのはおそらく、富士山信仰に詳しい人や、富士登山に挑戦したいという人などではないでしょうか。
では、駿河国一宮として賑わう富士山本宮浅間大社とこの山宮浅間神社。その関係性についても述べたいと思います。
全国に数ある浅間信仰のルーツ
昔、富士山信仰の巡礼者は身を清めてから、繰り返し富士登山に臨んでいたそうです。こちらは富士山本宮浅間大社内の「湧玉池」。富士山の雪解け水が湧出する池で、特別天然記念物に指定されています。
富士山本宮浅間大社の駐車場付近からの風景。
先述しましたが、この富士山本宮浅間大社こそ浅間信仰の総本社。しかしこちらの創建以前、富士信仰の神が祀られていたのは、いまの山宮浅間神社がある場所でした。つまり山宮は、本宮も含め全国に約1,300社もある浅間神社の前身というわけです。
山宮浅間神社は本宮の創建以後、その元宮としていまに残りました。浅間信仰の起源である霊験あらたかな社。まぎれもなく、世界遺産の構成資産でもあります。本宮にお参りする際はぜひ、元宮も合わせてお参りしましょう。
さらに。富士山本宮浅間大社にも「奥宮」が存在しますので、そちらも合わせてお参りしたいですね。……場所は、富士山8合目から上。というわけで今年の夏は、レッツ富士登山!!