空港のたもとで静かに佇む「石雲院」
富士山と飛行機の共演を撮ってきた!
コンテストに出品するわけでもないのに、取り憑かれたように富士山を追いかけているライターTakashiです。こんにちは。
「そんなに富士山富士山って、何回撮ったって変わらないでしょうに。ガソリンのムダ」
……と、いろんな人から言われます。そんな周囲の理解を得られない私ですが、たまにいい撮影場所を教えてくれる人もいまして。
「富士山と飛行機を一緒に撮れる寺があるらしい」という情報を仕入れ、さっそく行ってみました。
……って、普通に空港じゃん!
と突っ込まれそうですが、これ、寺の境内から徒歩1〜2分のポイントです。まあ、空港側からも進入できてしまうのですが。まず、その寺について紹介します。
装飾技術に優れた曹洞宗の古い寺
緑深き山中で森厳にたたずむ「龍門山 石雲院」。写真は慶長12(1607)年に建てられた総門で、牧之原市の文化財に指定されています。
平安後期から室町時代にかけてこの地域を治めていた「勝間田氏」の菩提寺として、今川氏や徳川氏などに守られてきたそうです。それ以前は真言宗の寺で、創建は治承3(1179)年と伝えられています。
この寺で筆者をもっとも圧倒した山門。どこかで見たことあるような……と思い案内看板を見ると、日光東照宮の陽明門を模した(と伝えられる)と書かれていました。なるほど。
この門の装飾や彫刻が、とにかく見事で目を見張ります。総ケヤキ造り、三間一戸の八脚楼門。屋根は桟瓦葺きの入母屋造りですね。私、ここでしばらく立ち尽くしてしまいました。圧巻です。
歴史の薫りが包む静寂に身をゆだね、心穏やかなひととき。
最初の目的(飛行機と富士山)を忘れ、見学に夢中になってしまいました。あたりは、それほど心地よい空気に包まれています。
滑走路にもっとも近い「石雲院展望デッキ」
石雲院のある場所は、富士山静岡空港の間近。山門前から徒歩すぐのところには、飛行機が見える展望デッキが設けられています。
山門のすぐそばにある案内看板。
ここから、富士山静岡空港ターミナル東側にある展望デッキへ。
ものの数分で到着。こちらが「石雲院展望デッキ」です。滑走路からもっとも近い施設で、空港内にある展望スペースよりも飛行機を間近に見られます。
呈茶コーナーや時刻表があり、離着陸する飛行機を撮影しようとスタンバイしている人も多くいました。冷暖房完備なので快適。
富士山静岡空港のホームページによると、展望デッキの斬新なデザインは「禅」の極意である円を意識したものだそう。空港周辺の自然空間と都市空間の調和を図った建築とのことです。
富士山が見えるかどうかはその日の天気次第ですが、この日はくっきり。飛行機が目の前の滑走路に入り、離陸の準備に入ります。
そして、滑走路の向こう側にぐるっとまわりこみ、離陸。この瞬間はちょっと遠いので、撮影するにはできれば85mm以上※のレンズを用意しましょう。
※中望遠〜望遠のレンズ。フルサイズ(35mm判)デジタルカメラ換算。
静岡ならではの風景と飛行機のコラボレーション。都市と田舎の融合を図る静岡らしい眺めでした。