藤枝・瀬戸ノ谷にたたずむ「峠のツリー」
樹齢200年の大銀杏がともす夢の灯
藤枝市の藤枝バイパス谷稲葉ICを出て、瀬戸ノ谷方面に車を走らせること約20分。真っ暗な峠の中に、光をまとった大きな銀杏の木が1本あらわれます。
その名も「峠のツリー」。じっくりと静かに味わいたくなる、静岡県藤枝市瀬戸ノ谷の幻想的なイルミネーションです。
凜とたたずむ1本の輝く大銀杏「峠のツリー」
ここは静岡県藤枝市瀬戸ノ谷の峠地区。静かな山間部で街灯の少ない場所です。
そんな場所にたたずむ峠のツリーは、白熱球が2,000個も付いた樹齢200年、高さ30mの大銀杏の木。暗闇を暖かい光が優しい光を放ちます。
まるで、この大きな木は1本のろうそくのようです。訪れる人々の顔はみな、穏やかで温かい表情になります。
また峠のツリーには写真撮影のために訪れる人もいますが、みなさんマナーがよいです。大切な人との静かな夜の時間もゆっくり過ごせるはず。
暗いので足元に気をつけながら、ツリーの近くへ行ってみました。暖かな光の白熱球2,000個の中には、大銀杏の細い枝がキラキラと光って見えます。天使が隠れているかもしれません。
地域住民の「夢」から生まれたツリー
いまから10年以上前、瀬戸谷地区の住民で作られた「峠の大銀杏のイルミネーションを楽しむ会」が峠のツリーの点灯を始めました。
小さいころより親しんできた大銀杏の木に、灯りをともしたらとても美しいツリーになるだろうな・・・という地域住民の「夢」から生まれたのが峠のツリーです。
ただ住民の高齢化や資金不足で、峠のツリーが無くなりそうになったときもありました。そこで5年前に「せとやコロッケの会」が応援プロジェクトを始めると、その後、若者も一緒になった「峠のツリープロジェクト」が発足していきます。
つまり、みんなの協力で住民の夢がいっぱい詰まった峠のツリーが、今年も美しく点灯されているのです。
毎週土曜日には「ぬくもりサタデー」を開催
今年の点灯期間は、2017年1月9日(月)まで。その間、毎週土曜日17:00~19:00に「ぬくもりサタデー」が開催されます。地域住民の方々が、温かい飲み物を訪れた人々にふるまってくれるそうです。
今年のクリスマスイヴはちょうど土曜日! 幻想的なイルミネーションで聖夜の夜をすごす夢がここで叶いますね。
※大晦日の12月31日(土)はお休みとなります。
来年は大銀杏のメンテナンスで点灯はお休み
瀬戸谷の冬の風物詩として、ファンが多い峠のツリーですが、来年度は大銀杏のメンテナンスで点灯を中止することになりました。
再来年からの点灯予定は未定とのこと。継続を心から願うファンも多く、美しい姿に再び会えることを祈ります。
ちなみに1月7日の土曜日が、今年最後の「ぬくもりサタデー」です。瀬戸谷のみなさんの暖かいおもてなしとツリーの光に、心も体もほっと癒されることでしょう。