直虎ゆかりの地「三岳城」【miteco登山部】
歴史を感じながらお手軽登山に挑戦してみた
夏本番ですね! ライターの小枝です。
夏のアクティビティといえば登山。富士山を筆頭に、静岡県内には本格的な登山からちょっとした運動に使える山など、さまざまな山があります。
「山の数だけ異なる景色があり、違った楽しみが体験できるのが登山の魅力です」そんなことを聞いた私。浜松で登山にいい場所はないかなと探してみたところ、見つけたのが三岳城でした。
「城」と記載していますが、現在は城跡が残る場所。城跡があるのは三岳山の頂上です。
じつはこの三岳城、現在放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」ゆかりの土地のひとつ。というわけで、現地近くに住む私としてはぜひ行ってみようと思い支度を始めます。
井伊家ゆかりのお城「三岳城」
登山の前にまずは、三岳城と三岳山について。井伊家の本拠地は、浜松市北区の井伊谷にある井伊谷城でした。
しかし、有事の際に井伊谷城だけでは対応できず、より堅牢な三岳城に籠城したことが何度かあるそうです。
三岳城が落城したのは1514年、井伊直虎の父親である井伊直盛が最後の城の主人でした。この後、直盛は奥山城へと逃れます。
歴史を楽しみながらの登山!
三岳城への登山は、中腹まで車で通行可能です。中腹には三の丸跡の三岳神社があり、ここに無料駐車場があります。車を停めたら、いざ出発!
駐車場からほど近くにある三の丸跡は、かつては水の確保に使われていた場所だったとか。登る前に参拝しておきました。薄いピンク色のコンクリート造りがかわいらしい。
神社を左に曲がると、登山道に入ります。三岳神社付近はコンクリートで整備されていましたが、ここからいきなり自然むき出しの山道に突入です。
入口に野生動物注意の看板がありまして、「まあ山だし・・・」と、とくに気にせず進んでいたら突然、目の前を横切る野ウサギの姿が!。
すごい・・・はじめて野生のウサギを見た・・・。
緑が深く、空気も澄んでいて気持ちがいい登山だな・・・ウサギはかわいかったし・・・と余裕を感じていたのも数分のみ。
むき出しの自然の道、急斜面続きの登山道。三岳城が堅牢な城、と言われていた理由を体感しました。めちゃくちゃきつい。
標高は466.8mと低い山ですが、三岳城が築かれていた頂上までの道のりは、ほとんどが急な坂道です。「ここ本当に人が通っていい道?」という感じの、狭く険しい道が多いので、私のように登山に慣れていない方には厳しい道のりに感じられます。
途中で道がふたつに分かれています。頂上へ向かう道は、左の三岳城跡です。
分岐点の近くには石碑がありました。通常の登山とは違い城跡ですから、このような箇所で歴史を感じることができます。
分岐点付近は斜面が比較的ゆるやかな場所だったので、とりあえずここでひと休み。体力を回復したらもうひと息です。頂上へ向かいましょう。
正直、この急斜面には心が折れそうになりましたが・・・。
しかし、山独特の雰囲気や緑豊かな風景、澄んだ空気は気持ちが安らぐものです。蝉の鳴き声と木々が揺れる音は風情に溢れています。城の主人だった直虎の父、直盛や、城に攻め入る敵が過去に同じ地を歩いたのかな、と想像しながら歩くのも楽しいです。
急斜面が終わると、緑が途切れて陽が差す場所が見えてきました。もうすぐ頂上、三岳城跡です!
標高466.8mから浜松を一望!
頂上に到着しました! 城跡なのでなにもありませんが、円形の広場は解放感があります。
いわゆる城の本丸にあたるこの場所は、国の指定遺跡になっています。
頂上から見える景色は絶景です。まさに城にふさわしい風景と言えます。天気のいい日ははるか遠く、浜松駅前にあるアクトタワーまで見えます。この写真にもほんのり見えてます。さすがランドマーク!
緑に囲まれ、太陽の光を一身に浴びることができる山の頂上。この場所から、井伊直盛はどのような気持ちで浜松の地を見つめていたのでしょうか・・・?
三岳城ハイクのまとめ
三岳城へのアクセス、登山情報は以下のとおりです。
- ライター登山日
2017年7月2日
- アクセス
東名浜松西ICからで30分(車)/ JR東海道本線浜松駅から遠鉄バスに乗車、井伊谷停下車(公共交通機関)
- 往復時間目安(昼休憩などをのぞく)
約40分
- アドバイス
登山道はほとんど整備されていません。急斜面、滑りやすい場所が複数あるので、軽登山装備で行きましょう。緑が多く虫が多いため、虫刺され対策も必需です。道中から頂上まで水場やトイレはないので、麓で済ませておきましょう。
- 寄り道スポット
・井伊谷城:mitecoでの掲載歴あり。三岳城と同じ井伊家所有の城跡。
- 参考サイト