いよいよ富士登山解禁!【miteco登山部】
富士登山最難関の御殿場ルートに挑戦②
emikokoです。静岡県側の富士登山開山日である7月10日に、今年で7回目となる富士登山をした私の登山レポの後編をお送りします。
今回は7回目にして「御殿場口」からの登山に初チャレンジ! もっとも厳しい登山口と言われる由縁を体感しています。
後編では、富士登山のハイライトとなる「ご来光」、日本最高峰の場所「剣が峰」、そして下山をお届け! これを読めば、富士登山をした気分になる・・・かも?
深夜に起きて登山再開!
宿泊先から見えた夜の赤い月。
午前2時30分起床。あたりはもちろん真っ暗です。山小屋の外には、山頂でご来光を見るために登っている方々がちらほらと。
ほかに寝ている方もいらっしゃるので、こそこそ静かに支度を始めます。多少の寝不足か力が出ないため、栄養補給したいところですが、なかなかこの時間に食べる気にはなりません。
そんなときはエネルギー系のゼリーがとっても便利。前編でも食べましたが、複数持っておくと安心です。ささっとエネルギーチャージして出発できます!
7月11日の日の出は4時30分。赤岩八合館から山頂までは1時間30分かかるとのことで、「余裕をもって2時30分(2時間前)に出発すれば順調かな」と思っていましたが、やや寝坊して3時に出発しました。ギリギリになるかも・・・?
出発して30分で八合目に到着です。
山小屋で休憩を取ったことによって体力はかなり回復。しかも必要のない荷物は山小屋に置いていけたのでラクチン。ザックも軽くなったし、寝て体も高山に慣れてきた。
ということで、元気に歩いて・・・きたはずですが、やはり・・・。
すぐに息が上がるし、筋肉が苦しい状態になります。酸素が脳と筋肉に行き渡らないんです。
そんな状態でしばらく歩いていくと、東の空が明るくなってきました。
毎年毎年、癒される光景です。
私の経験上、八合目以上はさらに寒くてブルブル震えながら登るんですが、この日は風もなく登りやすく恵まれていました。
が、相変わらずキツイです・・・。
ついに富士山頂へ・・・!
4時を過ぎると空はさらに明るくなってきました。
4時25分、雲も赤っぽくなりとても綺麗です。
反対側にはお月様が見えています。
4時40分。事前の調べではすでに日の出時刻を回っていて、ご来光が上がった様子ですが未だ山頂に着かず・・・。
焦る気持ちと、父を置いていけない気持ちが・・・。だって、こんなに大変そうなんですもん。
大変そうな父。がんばれー!
でもついに、鳥居が見えました!
4時50分、御殿場口、無事に登頂です。やっとついたー!!!
この世の絶景「ご来光」をご覧あれ!
少し高いところへ登るとこんなに綺麗なご来光が。
駒ケ岳山頂からの景色。
どこから見ても本当に美しいです。
そしてこれが、富士山に年に1度は登りたくなる理由です。
じつは私自身、高山には弱いほうなんです。毎年3,500m付近を過ぎると急に苦しくなったり気持ち悪くなったりします。ですが、今回は山小屋での休憩をしているためいくらか余裕がありました。
父はかなりきつそうで、なんとか2時間かけて登りきったという感じでした。山小屋での休憩はかなり効く一方で、あまり過信しすぎると思ったよりも身体は動かないかも、と言えそうです。
年齢やご自身の体力と相談しながらにはなりますが、時間にはゆとりを持ちましょう。
登った先には、美しい景色が待っています。ゆっくりでもいいので、絶対にあきらめないことが大事です。もちろん、高山病の気配があれば無理はせずに!
さらに3,776mの頂へ!
ご来光をひとしきり眺めたら、まだ1度も行ったことのない剣ヶ峰へ向かいます。
御殿場口山頂からだと剣ヶ峰へは20分くらい。
毎年登っていた須走口からだと50分くらいかかる剣ヶ峰。弾丸登山※でヘトヘトの状態からは行く気になれないのと、いつも風や霧がすごくて断念していました。
いや、それを理由にお鉢巡りへ行けないことにしていた弱い自分もいました。ですが、今回は20分足らずで行けてしまうので行かないわけにはいきません!
いざ目指せ、3,776m!
※弾丸登山:登頂、下山を山小屋を利用することなく1日でおこなうこと。ピストンなどとも呼ばれる。
剣ヶ峰に向かっている途中で気づきました。
逆影富士? 正式名はなんて言うのかはわかりませんが・・・日の出によって発生する現象です!
こちらが逆影富士(?)これまた美しい。
誰も興味ないのか、写真を撮っているのは私だけでした(笑)
さて本題の剣ヶ峰へ。ここは最後の急な登りが難関です。ずるずる滑るので登るぶんにはかろうじて大丈夫ですが、降りるときには必ず1度はみんなコケます(笑)
実際、人のことを笑っていたら自分も見事に滑って転びました・・・。
変なポーズの父、ではなくこの勾配にご注目。みんな前かがみでバランスを取ります。
でも、この坂まできたならもうすぐ。
たっかいいいいい!! 日本一です!!!
5時30分、とうとう着きましたー!!
心なしかドヤ顔です。許してください(笑)
7度目の正直で日本一に立てました!!
そして隣にはこれね。
「二等三角点」です。
三角点とは、地図作りやいろいろな測量の基準として利用され、大変重要な役割を果たす点のことです! もし剣ヶ峰に登ったらこれも見ておいてください。だって、日本で一番高いところにある三角点ですから。
山頂から再び山小屋へ
さてさて、ひとしきり山頂を楽しんだら下山です。まずは赤岩八合館まで。登ってきた道を下りていきます。
山小屋への道はコースこそ同じとはいえ、じつは下山のほうが圧倒的に厳しいです。かなり急なので気をつけて下りましょう。
この角度、写真じゃ伝わりませんが、やばいです。
でも、下りに必死にならずにたまには景色も。山中湖方面、こんなに綺麗な景色ですから。
登山中は後ろを振り返らなければ観られなかった絶景も、下山中は常に視界に。こういう景色には「生きていてよかった」と毎回思わされます。
下山中で「どうだ」と言わんばかりの父。さっきまであんなにしんどそうだったのに(笑)
山頂からは45分くらいで山小屋に戻って来られちゃいます。戻ってきて荷物をまとめ、下山の支度を整えてから、朝食をいただきました。
お世話になった「赤岩八合館」は1泊2食付きで7,500円。
目玉焼きとお漬物、ご飯、それと写真にはありませんがお味噌汁です。ちなみに朝食のご飯とお味噌汁はおかわり自由です! あったかいご飯が食べられるってとっても幸せだなと感じます。
いよいよ下山! 御殿場ルート名物「大砂走り」
ご飯を食べて支度を整えてから8時に出発。七合九勺(赤岩八合館)から下山スタートです。
で、あっという間に七合目まできました。たったの20分です。下山は本当に速い。
出典:富士登山オフィシャルサイト「登山口と登山ルート」
上の画像にあるとおり、七合目からは登山道と下山道が分岐。ここからあの有名な御殿場ルート「大砂走り」がスタートします・・・!
景色はこんな感じ。ちょっとした砂漠みたいですが、ここ3,000mくらいです。
1歩踏み込むと・・・。
この状態から・・・。
こんなに埋まります。
一見ここを歩くのは大変そうに感じられますよね。でもこの砂走りのおかげで下山はとっても楽チンなんですよ! 1歩が3歩ぶんくらいあるのであっという間に下れちゃいます!
注意点は前の人(笑)これだけの砂を蹴り上げるので、砂埃がとんでもないです・・・。
もうもうと立ち込める砂埃。
なので、少し暑いですがマスクをするといいですよ。
めっちゃ怪しい・・・ですが・・・。
富士山じゃなかったらかなり危ない見た目・・・。
山小屋を出て1時間ちょっと。9時15分にはあと45分で五合目というまでところまできました。早い!
あっという間に下れてしまうので、「せっかく6時間もかけて登ったのにもったいない・・・」という感覚になってきます。
早いものでもう新五合目。
下山達成! 汗と砂でできた思い出!
そして、9時45分。入り口であり出口でもある鳥居前に到着です!!
もう、汗と砂と、達成感で心がいっぱいです。
あっという間に下山してしまいましたが、じつは足腰にかかる負担は下山のほうが大きいです。そりゃ下りですからね。登りより下山のほうが脚に負担がかかります。
写真では平気な顔ですが、かなり、ガクガクしています。
この後、5日間くらい筋肉痛が続いたのは言うまでもないです(苦笑)
人生7度目の富士登山を終えて
今回の富士登山、どうでしょうか? 登りたくなりましたか?
正直に言って、体力的にもかなりキツいですし、高山病やケガのリスクもある、かなり大変な登山です。でもそのぶん、日本一の山に登るという達成感は素晴らしい! はじめての山小屋や剣ヶ峰への登頂は、ほかのアクティビティでは味わえない楽しさがありました。
御殿場口は歩く距離が長いぶん、体力的にはかなり厳しかったですが、それだけにほかのルートよりも達成感は大きかったです! 下山に関しては須走口と比べても早く、とっても楽チン。
もし、機会があれば挑戦してみてほしいなと思います。・・・御殿場口はともかくとして(笑)
私は来年も登りますよ! まだお鉢巡りができていないこともあって、その達成が目標です。ほかにも山頂ではなく山小屋からのご来光もよいと聞くので、そういったディープな富士登山もやってみたいです! それではまた!